山田幸宏

「明日の田園都市」を夢見てUターン。

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「明日の田園都市」を夢見てUターン。

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記事一覧

田舎にテレワークという選択肢を#002

前回記事を書いてから、もうすぐ3年が経過します。 私自身の働き方にも、変化がありました。 当時は独立した設計事務所を構えていましたが、現在は組織設計事務所の一員と…

山田幸宏
1年前
3

「所有」から逃れられない

自宅の近くに、空家があります。 近所の人に聞けば、数十年間空家だそうで。中学校の目の前という立地もあり、当時は商売をやっていたそうですが、何らかの理由により閉店…

山田幸宏
3年前

情報量をコントロールする

地元にUターンして2年、家を建てて引っ越して半年が経ちましたが、精神的にはっきり変化したことがひとつあります。 それは「情報ストレスに弱くなった」ことです。 具体…

山田幸宏
3年前
1

在宅ワーカーの日常@私の場合

私は4月から設計事務所を開設し、個人で仕事をしています。 メイン業務は建築の構造設計です。木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造、小さなものから大きなものまで基本お請…

山田幸宏
4年前
3

誰かを責めずに改善を積み重ねられるか

危うく田んぼ一枚分のお米をダメにするところだった、という話です。 5月は田植えシーズンです。私の実家もお米を作っています。毎年それなりの枚数の田んぼを管理し、大…

山田幸宏
4年前
1

数字を正しく読む

「少子高齢化は社会問題である」と言い切れないのではないか、というお話です。 先日、市の広報を眺めていて気付きました。「我が市は確かに死亡率が出生率を上回っている…

山田幸宏
4年前
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タラの芽からコミュニティを考える

我が家の向かいは親戚の家です。私の祖母の実家です。我が家の土地も、もともとその親戚の畑を購入したものです。 その親戚のおじさんとおばさんは、しょっちゅう我が家に…

山田幸宏
4年前
1

現代版地主システム(上)

私の好きな本のひとつが『明日の田園都市』です。以前noteでも紹介しましたが、ジャンルとしては都市計画の本です。 この本で問題としているのは、地方の衰退と都市の一局…

山田幸宏
4年前
3

田舎に5Gという選択肢を

前回、田舎とテレワークを結び付けてみたらどうか、という記事を書きました。雇用の移動によって地方の人口減少を抑えることができるのではないだろうか、と。 今回は、田…

山田幸宏
4年前
6

田舎にテレワークという選択肢を#001

新型コロナウイルスの影響で、テレワークを導入する(せざるを得ない)企業が増えて来ているようです。 「来ているようです」というのは、私自身は全く実感が無いからです…

山田幸宏
4年前
15

田舎へUターンして感じたこと#001

故郷へUターンして早3か月が経ちます。 厳密に言うと実家から少し離れた土地に家を建てたので、Uターンという言葉が正しいのか分かりませんが。地域レベルで考えたらU…

山田幸宏
4年前
6

「田舎」とは何か#002

前回の記事で「田舎とはあり方である」と書きました。 田舎=〇〇という定義があるわけではない。特有の概念が存在するから田舎であるというわけでもない。その地域のあり…

山田幸宏
4年前
2

「田舎」とは何か#001

「田舎」とは何でしょう。 これから田舎の話をする前提条件として、言葉の意味をきちんと把握する必要があると思いました。とりあえず現時点で思うことを書いて行きたいと…

山田幸宏
4年前
8

『明日の田園都市』を読む前に

『明日の田園都市』という本があります。 著者はエベネザー・ハワードという社会学者です。発刊は今からおよそ120年前の1902年です。建築を学ぶ方や建築士試験を受ける方…

山田幸宏
4年前
6

『明日の田園都市』を夢見てUターン

こんばんは。 山田幸宏と申します。 初投稿です。 どうぞよろしくお願いいたします。 自己紹介は追々綴っていきますが、 ここでの投稿が巡りめぐって誰かの心に届けば良…

山田幸宏
4年前
田舎にテレワークという選択肢を#002

田舎にテレワークという選択肢を#002

前回記事を書いてから、もうすぐ3年が経過します。

私自身の働き方にも、変化がありました。
当時は独立した設計事務所を構えていましたが、現在は組織設計事務所の一員となっています。転職してサラリーマンになりました。

ただし、日々の働き方としては相変わらずテレワークです。
事務所は自宅から車で2時間程度の距離感ですが、事務所内に私の机は無く、100%在宅勤務という雇用形態です。毎週のミーティングや社

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「所有」から逃れられない

「所有」から逃れられない

自宅の近くに、空家があります。

近所の人に聞けば、数十年間空家だそうで。中学校の目の前という立地もあり、当時は商売をやっていたそうですが、何らかの理由により閉店、引っ越し、それ以来ずっと空家ということでした。

これはチャンスかも知れない。もし手に入れることが出来たら、現在自分の部屋を事務所代わりに仕事をしているけど、移転しても良いかも知れない。学校や運動場が近くにあるから、道沿いの土間部分を無

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情報量をコントロールする

情報量をコントロールする

地元にUターンして2年、家を建てて引っ越して半年が経ちましたが、精神的にはっきり変化したことがひとつあります。

それは「情報ストレスに弱くなった」ことです。

具体的に言うと、SNSに流れてくるネガティブな発信や、某掲示板の荒々しい書き込みを読むのが辛くなりました。今は意図的にそれらの情報に触れないようにしています。

田舎と都会、違いのひとつは「情報量」です。いくらネットが発達しようと、五感で

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在宅ワーカーの日常@私の場合

私は4月から設計事務所を開設し、個人で仕事をしています。

メイン業務は建築の構造設計です。木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造、小さなものから大きなものまで基本お請けするスタンスです。

ちょうど在宅勤務が推奨される頃に独立したので、タイミングが良いのか悪いのか分かりませんが、仕事は切れずに何とかやっています。こんな若造に仕事を依頼してくれて、本当に有難い話です。

仕事場は私の部屋です。基本的には

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誰かを責めずに改善を積み重ねられるか

危うく田んぼ一枚分のお米をダメにするところだった、という話です。

5月は田植えシーズンです。私の実家もお米を作っています。毎年それなりの枚数の田んぼを管理し、大半は農協に出荷し、一部は私たちのご飯として頂いています。

田植えに関しては、司令塔が私の父、その他の家族(祖母、母、私と兄弟)はアシストです。そろそろ世代交代を考えなければならないのでしょうが、それはまた別の機会に考察することにします。

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数字を正しく読む

「少子高齢化は社会問題である」と言い切れないのではないか、というお話です。

先日、市の広報を眺めていて気付きました。「我が市は確かに死亡率が出生率を上回っている。そして人口も毎月減少している。しかし転入数と転出数がほとんど一緒で、世帯数はむしろ増えている」と。

そこから我が市の動態が気になったので、調べてみました。参考にしたのは政府統計の総合窓口「e-Stat」です。

まずは人口関連を調べま

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タラの芽からコミュニティを考える

我が家の向かいは親戚の家です。私の祖母の実家です。我が家の土地も、もともとその親戚の畑を購入したものです。

その親戚のおじさんとおばさんは、しょっちゅう我が家に来ます。

ただ、手ぶらでフラフラと来るわけではありません。必ず何かを持って来てくれます。そして、家に上がったり井戸端会議をしたりするわけでもなく、数分で帰って行きます。

持って来てくれるものと言えば、例えば野菜だったり、果物だったり、

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現代版地主システム(上)

私の好きな本のひとつが『明日の田園都市』です。以前noteでも紹介しましたが、ジャンルとしては都市計画の本です。

この本で問題としているのは、地方の衰退と都市の一局集中です。これらは120年前からずっと悩ましい問題だっだわけですね。『明日の田園都市』では、この問いに対する答えを明確に提案しています。

著者はズバリ「土地を『所有する』という考え方を変えなさい」と言っています。これが著者の考えの大

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田舎に5Gという選択肢を

前回、田舎とテレワークを結び付けてみたらどうか、という記事を書きました。雇用の移動によって地方の人口減少を抑えることができるのではないだろうか、と。

今回は、田舎と5Gを結び付けてみたらどうか、という記事です。流行りに乗っかっている感じです。

まず、5Gとは何なのか、ということです。皆様ご存じだと思いますし、私もそこまで詳しくありませんのでサラッとおさらいしますと、特徴は「高速・大容量」「超低

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田舎にテレワークという選択肢を#001

田舎にテレワークという選択肢を#001

新型コロナウイルスの影響で、テレワークを導入する(せざるを得ない)企業が増えて来ているようです。

「来ているようです」というのは、私自身は全く実感が無いからです。

地方は、ほぼほぼテレワークが出来ない職業ばかりです。病院、スーパー、ホームセンター、飲食店、農業、漁業、林業、建設業、公務員、JA、郵便局、家電量販店、電気屋、設備屋、カーディーラー、銀行、小売業・・・

テレワークが出来そうな職業

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田舎へUターンして感じたこと#001

故郷へUターンして早3か月が経ちます。

厳密に言うと実家から少し離れた土地に家を建てたので、Uターンという言葉が正しいのか分かりませんが。地域レベルで考えたらUターンですかね。

Uターンするにあたり、覚悟していたことがあります。集落の「しがらみ」と「寄り合い」についてです。

私が小さい頃の田舎の集落は、結構ガチガチなしがらみがありました。それはもはやその地域の文化風習と言っても過言ではありま

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「田舎」とは何か#002

前回の記事で「田舎とはあり方である」と書きました。

田舎=〇〇という定義があるわけではない。特有の概念が存在するから田舎であるというわけでもない。その地域のあり方を我々は「田舎」と呼んでいるに過ぎない、と。

そして「どうあるべきか」ということに注力すれば、おのずとその地域が進むべき道が見えてくるのはないか、ということも書きました。今回はこれについて、今私が思っていることを少し掘り下げてみようと

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「田舎」とは何か#001

「田舎」とは何でしょう。

これから田舎の話をする前提条件として、言葉の意味をきちんと把握する必要があると思いました。とりあえず現時点で思うことを書いて行きたいと思います。この考えは今後更新されることが予想されますので、#001と題しました。

単純に「田舎」というキーワードで検索してみます。検索結果は実に様々なジャンルです。「田舎の魅力」「田舎に泊まる」「田舎に住む」「田舎のメリット」「田舎の恐

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『明日の田園都市』を読む前に

『明日の田園都市』という本があります。

著者はエベネザー・ハワードという社会学者です。発刊は今からおよそ120年前の1902年です。建築を学ぶ方や建築士試験を受ける方なら、一度は聞いたことがあるタイトルだと思います。

私がこの本を知ったのは、建築士試験の勉強をしているときでした。恥ずかしながらあまり建築の本を読まない学生時代を過ごしていましたので。

とても良いタイトルだなと思いました。誰も傷

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『明日の田園都市』を夢見てUターン

こんばんは。
山田幸宏と申します。

初投稿です。
どうぞよろしくお願いいたします。

自己紹介は追々綴っていきますが、
ここでの投稿が巡りめぐって誰かの心に届けば良いなと思っています。

まずはご挨拶まで。
それではまた。