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"選択的子なし"と輪廻転生

noteをはじめてから、選択的子なしやDINKSというスタイルについて発信する人たちの文章をよく読むようになった。もちろん理由は自分が同じ境遇だから。 そこで、枕詞のよ…

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"ボケ"という言葉に関する反省/脳活ドリルについて

入院先でベッドから動くことを制限されている義父のため、体を動かせないのなら少しでも頭を使って暇つぶしできるように、クロスワードパズルでも買っていこうかという話に…

UFOキャッチャー

小説よりもノンフィクションが好きで、普段は新聞しか読まない夫。 私が三島由紀夫の文章の好きな部分を音読して聞かせたときも「なんだかこねくり回してる感じがして好き…

踏ん張りどころ

義父がコロナにかかり、昨日から入院している。 義父には脳梗塞の後遺症があり、立ち上がりや歩行に時間がかかる。家の中でも歩行器を使用している。 それ以外は、同世代…

読書とエンドルフィン

2週間ほど前、とある神話を読みたくて、大型書店で宗教のコーナーを探した。「これなら挿絵も多いし、私でも読めるかも」と思った本の値段が5000円だった。 「村田沙耶香…

おなかの歩幅

今日は義父と3人で岐阜県にお出かけ。 目的地に向かう途中、高速のSAで休憩したとき、私が唐揚げを買おうかどうか迷っていると「お昼も向こうで食べるでしょ?おなかの歩幅…

結婚4年目がスタート、3年間の一部を振り返り。

私が生活のなかで大切にしたいのは、相手からもらった言葉や、そこにある体温くらいだと思う。 私の幸せはこれだな、というのを書き残しておきたい。 私がお好み焼きのバ…

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神道はなぜ教えがないのか【読書感想】

神道と仏教の違いや、なぜ日本で神仏習合が成立したのか、などが簡潔に書かれている。 「日本人は無宗教(或いは多神教)で初詣もクリスマスもなんでもあり」というイメージ…

耳に入った会話

図書館に併設されているカフェで本を読んでいたら、高齢の男女がテーブルについた。 おそらく夫婦でも友達でもない。 女性が、男性になにかを説明をする立場みたいだった…

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いらない体/ミレーナ/「女性の視点カフェ」があればいいのに

5月20日 きっかけはささいで、タイミングも悪くて、自分の体がそぐわなくて、なんだか辛いなと思って自殺について考えていた。 自分の体がそぐわない、気持ち悪い、いらな…

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半袖とキャンディー

芸能人が年の差婚をするたびに、やっぱり気になってネットニュースに飛びついてしまう。 そしてやっぱり気になってコメント欄も見てしまう。 そのニュースのコメント欄やア…

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限界を知る、そしてパーティーへ。

私はもともと友達がすくない。 「私はAちゃんとBちゃんとも仲がいいけど、AちゃんとBちゃんは最近気まずそう」とか「CちゃんがいるときはAちゃんがあんまり楽しくなさそう…

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あまのじゃく(とはいえ当然の)

「高齢の義父をなるべく近くで見守れるように」という理由で、私たち夫婦は愛知に引っ越してきている。 引っ越しに伴い、夫婦揃って転職。義実家から近いところに賃貸を借…

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歯磨きするゾウ

私がベッドでスマホをいじっていて、夫が風呂上がりに歯磨きをしているという場面。 夫はわざわざ洗面所から寝室に来て、シャカシャカと音を立てながら私の枕元のあたりに…

2

自分の代わりに弟が新婚旅行に行った話

やんわりと話していた夫の地元への引っ越しの予定と、やんわりと話していた「新婚旅行に行くなら香川でうどんを食べよう」という予定が、なぜか一気にふりかかってきた2年…

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業務用洗濯機・食洗機への憧れ

介護施設や飲食店でバイトをしていたときに出会った業務用の洗濯乾燥機や、食洗機のことを今でも忘れられない。 私はあれを自分のものにしたい。 所有するだけではなく、…

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"選択的子なし"と輪廻転生

"選択的子なし"と輪廻転生

noteをはじめてから、選択的子なしやDINKSというスタイルについて発信する人たちの文章をよく読むようになった。もちろん理由は自分が同じ境遇だから。

そこで、枕詞のようによく書かれているのが「自分の代で子孫が途絶えてしまうのは先祖に申し訳ない」という言葉。

確かに、歴史を知れば知るほど「困難な時代でも命を紡いできた先祖は偉大だな」と思うし、膨大な血の歴史を自分が断ち切ってしまうことへの罪悪感

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"ボケ"という言葉に関する反省/脳活ドリルについて

"ボケ"という言葉に関する反省/脳活ドリルについて

入院先でベッドから動くことを制限されている義父のため、体を動かせないのなら少しでも頭を使って暇つぶしできるように、クロスワードパズルでも買っていこうかという話になり、夫と書店に入った。

クロスワードの本の中身をパラパラと見たが、どれも文字が小さく、問題の難易度も高そうで、義父には難しそうだと思った。

少し離れた売り場に「脳が活性化」などと書いた本がたくさん並ぶコーナーがあった。高齢者向けのドリ

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UFOキャッチャー

UFOキャッチャー

小説よりもノンフィクションが好きで、普段は新聞しか読まない夫。

私が三島由紀夫の文章の好きな部分を音読して聞かせたときも「なんだかこねくり回してる感じがして好きじゃない」と言っていた。

その反面、夫が使う言葉には統一されたソフトな世界観がある。

たとえば、次の食事に向けてお腹の空き具合を2人で合わせることを"おなかの歩幅を合わせる"と表現したりする。

女性のことを"女"ではなく"女の人"と

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踏ん張りどころ

踏ん張りどころ

義父がコロナにかかり、昨日から入院している。

義父には脳梗塞の後遺症があり、立ち上がりや歩行に時間がかかる。家の中でも歩行器を使用している。
それ以外は、同世代の健康な人達と大きな違いはないと思う。

平日はデイサービスと訪問看護、土曜日には何かしら予定を作って私たちと出掛けている義父に対して「逆になんでそんなに体力・意欲があるんだ…高齢になっても元気な人はやっぱり胃腸が強くて免疫力があるよな〜

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読書とエンドルフィン

読書とエンドルフィン

2週間ほど前、とある神話を読みたくて、大型書店で宗教のコーナーを探した。「これなら挿絵も多いし、私でも読めるかも」と思った本の値段が5000円だった。

「村田沙耶香の文章を読むためなら文藝春秋などの雑誌も定価で買う」と決めているが、それ以外はメルカリや古本で済ませがちな私にとって、5000円は高い。

一旦は諦めることした。

そのあと、やっぱりどうしても読みたかったので近所の図書館に行って、取

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おなかの歩幅

おなかの歩幅

今日は義父と3人で岐阜県にお出かけ。
目的地に向かう途中、高速のSAで休憩したとき、私が唐揚げを買おうかどうか迷っていると「お昼も向こうで食べるでしょ?おなかの歩幅合わせようよ」と言われた。

昼食に向けてお腹の空き具合を調整しておくことを"おなかの歩幅"と表現する夫のセンスが好き。

結局、唐揚げは食べてしまったし、昼食では半分を食べ終わる前からお腹いっぱいになって「唐揚げ食べなきゃよかった…」

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結婚4年目がスタート、3年間の一部を振り返り。

結婚4年目がスタート、3年間の一部を振り返り。

私が生活のなかで大切にしたいのは、相手からもらった言葉や、そこにある体温くらいだと思う。
私の幸せはこれだな、というのを書き残しておきたい。

私がお好み焼きのバラ肉を買い忘れたとき、「夫はあんまり肉に執着がないから肉なしでもいけるな」と思い、そのまま肉なしのお好み焼きを出した。夫が歯の治療後だったこともあり「歯に詰まらないからいいね」「ハズレなしだからいいね」と食べてくれた。
肉なし→アタリなし

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神道はなぜ教えがないのか【読書感想】

神道はなぜ教えがないのか【読書感想】

神道と仏教の違いや、なぜ日本で神仏習合が成立したのか、などが簡潔に書かれている。

「日本人は無宗教(或いは多神教)で初詣もクリスマスもなんでもあり」というイメージを持っていたが、そのなかでも仏教と神道は、2つの特徴の違いから自然と役割分担がなされていると知った。確かに「お宮参りや七五三は神社で、葬式やお墓の管理はお寺だな」とすっと腑に落ちた。

「島崎藤村の『夜明け前』の副読本として良いかも」と

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耳に入った会話

耳に入った会話

図書館に併設されているカフェで本を読んでいたら、高齢の男女がテーブルについた。

おそらく夫婦でも友達でもない。
女性が、男性になにかを説明をする立場みたいだった。

「仕事ぶり」「名称が」「就業規則」など断片的に聞こえてくる。

2人が席につくとき「◯◯さんも忙しいでしょう」と女性を労うような言葉を男性がかけた。

すると女性はフフッと笑いながら「もっと時間の使い方を上手にしないといけないんだけ

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いらない体/ミレーナ/「女性の視点カフェ」があればいいのに

いらない体/ミレーナ/「女性の視点カフェ」があればいいのに

5月20日
きっかけはささいで、タイミングも悪くて、自分の体がそぐわなくて、なんだか辛いなと思って自殺について考えていた。
自分の体がそぐわない、気持ち悪い、いらない。
トマトを壁に投げつけるように死んでしまいたい。

5月21日
生理が来ていた。
私はミレーナを装着済みなので生理は2〜3ヶ月に1回、極少量の出血だけ。
今回は生理痛も出血も多めで、昨日の体への違和感や希死念慮は生理前日特有の感情だ

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半袖とキャンディー

半袖とキャンディー

芸能人が年の差婚をするたびに、やっぱり気になってネットニュースに飛びついてしまう。
そしてやっぱり気になってコメント欄も見てしまう。
そのニュースのコメント欄やアカウントを見ると、年の差婚に対する解像度の低いままにコメントしている人がほとんどだ。

【同年代に相手にされずに若い女に手を出した男】と【社会を知らない未熟な女】という組み合わせを想像して語っている人が多い。

女側の主体性を完全に無視し

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限界を知る、そしてパーティーへ。

限界を知る、そしてパーティーへ。

私はもともと友達がすくない。

「私はAちゃんとBちゃんとも仲がいいけど、AちゃんとBちゃんは最近気まずそう」とか「CちゃんがいるときはAちゃんがあんまり楽しくなさそう」とか、そういうことに気を配るのが煩わしいので1対1での交友関係が基本だ。

大阪に住んでいた頃はそれで問題なかったのだが、愛知に引っ越してきてからは、大阪の友達と会う回数がさらに減ってしまって、口だけの約束が増えていっている。

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あまのじゃく(とはいえ当然の)

あまのじゃく(とはいえ当然の)

「高齢の義父をなるべく近くで見守れるように」という理由で、私たち夫婦は愛知に引っ越してきている。
引っ越しに伴い、夫婦揃って転職。義実家から近いところに賃貸を借りた。

この私たち夫婦の行動を「優しい」と表現してくれる人が周囲にはちらほらいる。もちろんそれは悪い言葉ではないのだが、私はその言葉にムズっとする。

子供に対して穏やかな声掛けをするお母さんに対して「優しいね」と言うことはあっても、子育

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歯磨きするゾウ

歯磨きするゾウ

私がベッドでスマホをいじっていて、夫が風呂上がりに歯磨きをしているという場面。
夫はわざわざ洗面所から寝室に来て、シャカシャカと音を立てながら私の枕元のあたりにボスっと座る。

そこで私の頭を撫でるとか、私の顔を愛おしそうに見ることは一切しない。

ただ正面を向いて歯を磨いている。

シャカシャカシャカ

「…この人、懐いている!!」と、私はすこしテンションがあがる。

"人間の庇護がなくても生き

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自分の代わりに弟が新婚旅行に行った話

自分の代わりに弟が新婚旅行に行った話

やんわりと話していた夫の地元への引っ越しの予定と、やんわりと話していた「新婚旅行に行くなら香川でうどんを食べよう」という予定が、なぜか一気にふりかかってきた2年前の3月。

私はそもそも夫の地元への引越しには積極的で、「引っ越しちゃおうぜ」と渋る夫を後押しするほどだった。

2月はじめに夫から「もしかしたら4月に引っ越しするかも」という相談をされ「職場にも伝える必要があるから早めに教えてね」と私は

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業務用洗濯機・食洗機への憧れ

業務用洗濯機・食洗機への憧れ

介護施設や飲食店でバイトをしていたときに出会った業務用の洗濯乾燥機や、食洗機のことを今でも忘れられない。

私はあれを自分のものにしたい。
所有するだけではなく、自分の采配で稼動させたい。

有料老人ホームで働いていたとき、入居者の洗濯物をまとめて台車に乗せ、洗濯機のある部屋におろし、乾燥が終わればまた台車に乗せて運ぶという業務があった。

業務用の洗濯機のパワフルな洗浄力と、火傷するんじゃないか

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