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読書記録

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気まぐれに本を読んだ感想を書いてます
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神道はなぜ教えがないのか【読書感想】

神道はなぜ教えがないのか【読書感想】

神道と仏教の違いや、なぜ日本で神仏習合が成立したのか、などが簡潔に書かれている。

「日本人は無宗教(或いは多神教)で初詣もクリスマスもなんでもあり」というイメージを持っていたが、そのなかでも仏教と神道は、2つの特徴の違いから自然と役割分担がなされていると知った。確かに「お宮参りや七五三は神社で、葬式やお墓の管理はお寺だな」とすっと腑に落ちた。

「島崎藤村の『夜明け前』の副読本として良いかも」と

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ゴールデンウイーク【6日目】暇なのでオススメの本紹介

ゴールデンウイーク【6日目】暇なのでオススメの本紹介

体調不良のため本を読む集中力もなく暇なので、オススメの本を簡単に紹介します。

今回は歴史に関連のある作品で縛ってみます。

『夜明け前』島崎藤村明治維新前後の激動の時代。岐阜県中津川の馬籠宿の本陣・庄屋が主人公。
国学を志す主人公の目線で描かれる当時の情勢や人間群像。

『あゝ野麦峠』山本茂実明治中期。長野県の製糸工場で働く少女たちの過酷な境遇を描いたノンフィクション。

『豊饒の海』三島由紀夫

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家族、積みすぎた方舟【読書感想】

家族、積みすぎた方舟【読書感想】

【性愛で結びついた男女ではなく、母子を中心とした家族制度】を提案する本。

面白い。

性に結びついた婚姻制度を廃止することによって、異性愛と他の性愛、たとえば同性愛を平等に扱うことができる。
というのも、画期的だと思った。

ちょうど共同親権についても触れられていて、共同親権に強く反対している人たちが、何を問題視しているのかもわかって良かった。

これを読むと「なるほど」と頷いてしまうのだ が、

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困難な結婚【読書感想】

内田樹の『困難な結婚』を読んだ。

20代前半、結婚3年目の私にとっては「典型的な古い考え方」のように感じる部分も少なからずあったのだが、理由を読むと腑に落ちるし、全体的に柔軟な印象。

このあたりのアイデンティティに対する解釈が、好きだなあと思った。

"確固たる自己"ではなく"どういうふうに揺らぐのか"、その作法に焦点をあてる。

揺らぎを大切にするような考え方が私は好き。

私の場合、「フル

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村に火をつけ 白痴になれ【読書感想】

村に火をつけ 白痴になれ【読書感想】

内田樹の『困難な結婚』を読んだときに唐突に出てきた"アナキストはいつもご機嫌"というワードがなんとなく印象に残って、アナキストについて調べた。

そのなかで1番興味を惹かれたのが伊藤野枝だった。

大正のアナキスト。
28歳という若さで憲兵に虐殺され生涯終えている。

本文を読んでみると伊藤野枝の覚悟と、身体的なタフさに驚かされる。

まず18歳で第一子出産、20歳で平塚らいてうから仕事をもぎ取っ

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