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何度も読み返したい素敵な文章の数々 vol.6

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2018年2月の記事一覧

気づかれないけど、大事なこと

気づかれないけど、大事なこと

・実在する地方の町における、高校生たちのありがちな休日の過ごし方。
・食品加工場でありがちな辛い作業。
・ちょっとマニアックなスポーツについて、ファン同士はどんな会話をすることが多いか?

これらはいずれも、私が最近、脚本執筆のために調べたことです。
どれも、いざ調べるとなると、なかなか確からしい答えにたどり着けない。
「今どきネットでちょちょいと検索すれば大抵のことはわかるだろう」と、思われるか

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自然を否定する動物

自然を否定する動物

人間と自然との距離というものを考えると面白い。人間と獣と違いと言ってもいい。1つ前の「ルドン--秘密の花園」で話題にしたオディロン・ルドンのテーマもそれに近いものがある。

人間は「自然を否定する動物」だと、ジョルジュ・バタイユはいう。「普遍経済論の試み」の第2巻にあたる『エロティシズムの歴史』において。「人間は労働によって自然を否定し、これを破壊して人工的な世界に変える」とバタイユは続けている。

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風呂入れよ。歯磨けよ。

行きつけのカレー屋さん「カレバカ世紀」がお休みで凹み気味な末吉です。

思えば、「食べること」ってすごく大事な気がします。やっぱり美味しいものを食べたらHappyな気分になるし、忙しくてご飯を食べられないと気分が乗りません。「元気の源」的な存在ですよね。

また少し違う角度ですが、「歯磨き」もすごく大事なことな気がします。大事なことなのはわかるけれど、生来ズボラなぼくは、夜寝る前の歯磨きをチャチャ

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雑草魂。

雑草魂。

三連休初日の深夜0:30過ぎ。鉛色の空が覆いかぶさるなか、小雨で湿った空気を張り付け最寄りのセブンイレブンへと足を運ぶ。小さいサイズのホットコーヒーを注文し、カップを受け取りコーヒーが注がれるのを待つ。こぼれないようにプラスティックの蓋をしめて、手のひらにぬくもりを感じながら来た道を引き返す。

薄暗い部屋のなかで、苦いコーヒーを口に含みつつ、キーボードを叩きはじめた。眠れなくなる心配や、カフェイ

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「弱ったなぁ」

「弱ったなぁ」

今日は3人の人たちの電子書籍の取材やらプロデュースの打ち合わせが連なっていた。その合間には、電子書籍出版社DNAパブリッシングの編集会議。毎日たのしみにしているお昼ご飯も食べれないほど、息つく暇もないスケジュールの日だった。

どの時間も一人ひとりの人の仕事やら人生に深くコミットする時間ばかりだ。その人の輝かしい実績やら体験、苦しく悲しんだ出来事などを、まるっと聞き続けることもある。( その人が意

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どこへも行かない感情たちの行方。

どこへも行かない感情たちの行方。

時刻は23時前。思ったよりも乗客の少ない、夜の山手線にぼくは乗っている。行き先は自宅の最寄駅・・・ではない。これから最後の打ち合わせ場所へと向かっている。帰宅は丑三つ時コースになるかもしれないぞ、というゲゲゲの鬼太郎の妖怪センサーばりの多忙センサーが警告している。ということで、膝の上にパソコンを乗っけてカチャカチャとキーボードを打っている。隣の人を気遣い、心なしか優しめにソフトタッチで。

この文

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編集者業界の変わり目。

編集者業界の変わり目。

( ぼくの身の回りで )話題となっている映画『スリー・ビルボード』を観終えた。清濁併せ呑んだような、なんとも言えない気分で劇場をあとにする。昼間のポカポカ陽気から打って変わって冷たい風が吹きすさぶ街へと出てツイッターを立ち上げた。すると、なにやら盛り上がっている気配が・・・

イケハヤさんが箕輪さんと竹村さんをけしかけていた( 笑 )。

箕輪さんとはインターネットラジオ番組「出版3.0時代の未来

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模倣するということの意味。

模倣するということの意味。

まだ『バーフバリ 王の凱旋』のことを考えている。

自分史上のオールタイムベストムービーなのだから仕方がない。ブルーレイは予約済みなので、発売されたらまた何度でも観ると思う。お金をとらない上映会でも開いて、いちいち1分おきに一時停止しながら、その場にいるみんなであれこれ語り合いたいくらい、とにかく何十回と観たい映画だ。

以前、『16歳の教科書2』という本(これはいまでも大好きな本だ)で、映画監督

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力の抜き加減、の話

力の抜き加減、の話

2月某日

物書きの小池みきさん、佐々木ののかさん、占い師のシュガーさん、編集者の小林くんを呼んで、うちでパーティーをする。張り切って料理するぞ!とわざわざ自由が丘まで肉を買いに行ったが、大人数分の調理は久々だったため、勘が戻らず配分を間違えて自分としてはイマイチな味。あーもっと美味しいもの作りたかったな、こういう風に、気合を入れすぎて上手くいかないこと、って人生の中に結構あって、いつも通っている

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ネガティブ王の教え

ネガティブ王の教え

「ポジティブ教には染まらない男」という投稿にも書きましたが、夫が筋金入りのネガティブシンキング王です。

ポジティブばかりが持てはやされるこの世の中に逆行する人の言い分を聞いていると、目から鱗がぽろりと落ちることもあるので、今日はそれを一つご紹介したいと思います。

ポジティブなことを考えていると良いことが引き寄せられ、ネガティブなことを考えていると悪い結果がもたらされる!
だからいつも前向きなイ

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嫉妬撃退法

嫉妬撃退法

自慢じゃないけど、心が狭い。
特に仕事関係では、すぐに人の仕事ぶり、活躍ぶりに嫉妬して、
「グギギギギ……」
となるタイプ。

でも、「こんなことでもやもやしている時間なんて不毛だよ、自分」という気持ちもあるので、最近は「黒い感情が芽生えてきたぞ」と思ったら、ある出来事を思い出すようにしている。

ずいぶん前の飲み会でのこと。脚本家志望だという女性から、こんなことを言われた。
「中川さんはプロだか

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「秘密」の価値

「秘密」の価値

時々、「本当に秘密主義だよねぇ」と諦めたような口調で言われる。

いつもオープンに話しているように見えて、一番大切なことだけ巧みにかわして表に出さない私の癖は、わかる人にはわかってしまう。

それでも無理やり聞いてきたりしないのが、私のまわりはみんな大人だなあ、と思うところでもある。

***

昔は比較的あれこれ話す子だったような気がするのだけど、年を重ねるごとに自分の中だけで留めることが多くな

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ハイエナ、もとい金魚のフン

ハイエナ、もとい金魚のフン

誰かと親しくなりたいと考えるとき、それは何が理由だろうか。

わたしは、あえていうならば「この人、楽しいなあ」「考え方がおもしろいなあ」「気が合いそうだなあ」「もっと話を聴きたいなあ」といったものが理由。結局のところ“直感”なのだけれど。

そこに特に損得感情は働かない。いってしまえば、親しくなりたい人は一緒に時間を過ごしたいなあと思える相手なわけで、それは相手との時間が心地いいからだ。その「心地

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自分で自分を大事にするということ

自分で自分を大事にするということ

子どもを見ていて思い知るのは、子どもには「自分が、誰よりも何よりも大事に扱われたい」という強い欲求があるということだ。

兄弟がいればその兄弟よりも自分の方をたくさん見てほしい。常に「今の見てた?」と聞いてくるあれ。自分に注目してほしいというあれ

ストレートにぶつけられるその思いを、受け取ったりかわしたり投げ返したりするのが小学生の親のメインの仕事のような気がする。

その時期を越えると、「親も

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