はなっちの音日記

音楽、映画好き。 音楽活動も行なうアラ還です。 他のブログで長年音楽ブログを書いていま…

はなっちの音日記

音楽、映画好き。 音楽活動も行なうアラ還です。 他のブログで長年音楽ブログを書いていましたが、古いブログをこちらに移管して参ります。 400近くあるので、選びながら気長に進めて参ります。 古いコンサートや昔のアルバム評など懐かしい話が中心になります。

記事一覧

『DA・DI・DA』 松任谷由実

 『DA・DI・DA』は1985年発表の松任谷由実17枚目のオリジナルアルバムである。 このDA・DI・DAは「ダ・ディ・ダ」でなければならなかった。ダ・ディ・ダに意味は無いが、…

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『タンゴ・イン・ザ・ナイト』 フリートウッド・マック

 80年代はロック不毛の時代と言われている。録音技術や楽器、特にシンセサイザーの技術革新により音楽自体が変化した。  シモンズのドラムやシーケンサーなど、打ち込み…

『LIVE!』 ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ

 映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』がもうすぐ封切られる。 ボブ・マーリーは、レゲエは民衆のための歌で世界が良くなると信じていた。ピュアな人だ。 だから世界中から愛…

『あゝ我が良き友よ』 かまやつひろし

 かまやつさんが亡くなって7年になる。 日本の軽音楽を牽引し、昭和のザ・芸能界を生き抜いた人。 だから、話が面白かった。全てが伝説のようなもの。 かまやつさんの何度…

コンセプトアルバムは何処へ。

 このエッセイを書いたのが約20年前。まだサブスクも無く音楽配信が目新しかった時だった。 その時はまだCDというソフトに対する不満だったのだが、2024年の今はそのCDが…

『カルメン・マキ & OZ』 カルメン・マキ & OZ

 日本のロックを語る上で必ず通らなければならないアーティスト達がいる。GSブームが終り、ロックという新しい音楽が湧き始めた1970年代初頭… ・日本を脱出し、海外を…

『イースター』 パティ・スミス・グループ

 いつだって中古レコード屋「ハンター」とイシバシ楽器がデートのお決まりのコースだった。もちろん、映画やコンサート、公園のお散歩もあるけれど、必ず中古レコード屋や…

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渋谷

 人間の行動パターンはそんなに簡単に変わるものではない。朝パソコンに向かうとき、インターネットで必ずチェックする“お気にいり”が数個あって、それらを閲覧しないと…

『Communication』 FLYING KIDS

 とにかく時間が無くなった。大学を卒業し就職した時、1日の半分以上が会社の時間になった。音楽に囲まれていた生活がガラリと変わった。バンド活動も無くなり、通勤時に…

『DOUBLE PLATINUM』 KISS

 KISSは、2023年12月1日・2日開催の地元ニューヨーク マディソン・スクエア・ガーデンが最後の地となった。 21世紀突入直前の2000年、解散を宣言し解散ツアー「THE FAREWE…

『THE FIRM』(1985) THE FIRM

 「ARMSコンサート」とは、多発性脳脊髄硬化症という難病に冒されたスモール・フェイセスのベーシスト、ロニー・レインのよる呼びかけにより、自身の高額な治療費とARMS(…

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『Another Side Of Takuro 25』 吉田拓郎

 吉田拓郎のベストアルバム『Another Side Of Takuro 25』が6月12日に発売される。  本作には、デビュー年である1970年から1999年までの30年間にリリースされた楽曲の中…

歌を作るスタンス・・・岡林信康

 ギター1本の弾き語りは、言葉の重さが時に重圧となり、生々しくなることがある。音数が少ない分ごまかしもきかず、言葉は鋭く人の心に突き刺さる。それがラブソングであ…

『グッドタイム・ミュージック』 斉藤哲夫

 『バイバイグッドバイ・サラバイ』(1973)は、CBSソニーに移籍した斉藤哲夫が新たなる世界を発表した作品だと思う。それまでのURCレコードでは、小難しい唄を声をひっく…

『スィート・ベイビー・ジェームス』 ジェームス・テイラー

 僕はギブソンのアコースティック・ギターを購入しようと思ったことが何度かある。拓郎やジョン・レノンが使っているところを見て単純に格好良いと思ったし、色艶もよくア…

渡辺香津美 スパイス・オブ・ライフLIVE

 ギタリストの渡辺香津美が本年度予定していたすべてのアーティスト活動を中止することが発表された。検査の結果、意識障害を伴う脳幹出血と診断されたため、当面治療に専…

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『DA・DI・DA』 松任谷由実

『DA・DI・DA』 松任谷由実

 『DA・DI・DA』は1985年発表の松任谷由実17枚目のオリジナルアルバムである。
このDA・DI・DAは「ダ・ディ・ダ」でなければならなかった。ダ・ディ・ダに意味は無いが、ラ・ラ・ラでもル・ル・ルでもない。ダ・ディ・ダという濁音の強いイメージだ。
何かつらいことがあっても「ダ・ディ・ダ、ダ・ディ・ダ」と鼻歌交じりに前を向いて進んでいく自らの応援歌のような歌。その背景にはこの作品の発表年がある

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『タンゴ・イン・ザ・ナイト』 フリートウッド・マック

『タンゴ・イン・ザ・ナイト』 フリートウッド・マック

 80年代はロック不毛の時代と言われている。録音技術や楽器、特にシンセサイザーの技術革新により音楽自体が変化した。
 シモンズのドラムやシーケンサーなど、打ち込みとペラペラなシンセが軽い音楽となって街にあふれていた。ちょっとでも70年代風のロックテイストがあろうものなら、「古臭い」と全否定されてしまうのもあの頃の風潮だった。
 あの泥臭い声のスプリングスティーンだって「ボーン・イン・ザ・USA」で

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『LIVE!』 ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ

『LIVE!』 ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ

 映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』がもうすぐ封切られる。
ボブ・マーリーは、レゲエは民衆のための歌で世界が良くなると信じていた。ピュアな人だ。
だから世界中から愛されているんだ。
2024年5月

 レゲェは比較的新しい音楽だ。60年代初頭にジャマイカではスカというビートミュージックが流行し、それがレゲェに発展した。だからレゲェが世界的に広まっていくのは1970年代に入ってからだ。クラプト

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『あゝ我が良き友よ』 かまやつひろし

『あゝ我が良き友よ』 かまやつひろし

 かまやつさんが亡くなって7年になる。
日本の軽音楽を牽引し、昭和のザ・芸能界を生き抜いた人。
だから、話が面白かった。全てが伝説のようなもの。
かまやつさんの何度かライブを観たことがあるが、肩の力が抜けていていつもリラックスしている。それがかまやつさんだた。難しいコードをいっぱい知ってるギターの名手でもある。笑顔も良い。
親戚に一人はいる変わったおじさんって感じかなぁ。
2024年5月

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コンセプトアルバムは何処へ。

コンセプトアルバムは何処へ。

 このエッセイを書いたのが約20年前。まだサブスクも無く音楽配信が目新しかった時だった。
その時はまだCDというソフトに対する不満だったのだが、2024年の今はそのCDが絶滅の危機に瀕している。
サブスク世代にコンセプトアルバムが響くのかどうかわからないが、聞き手に委ねられている音楽の聴き方は、演者の気持ちがどれだけ通じるのだろうか。
2024年4月

 アナログ盤からCDへ、そして音楽配信、i-

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『カルメン・マキ & OZ』 カルメン・マキ & OZ

『カルメン・マキ & OZ』 カルメン・マキ & OZ

 日本のロックを語る上で必ず通らなければならないアーティスト達がいる。GSブームが終り、ロックという新しい音楽が湧き始めた1970年代初頭…

・日本を脱出し、海外を目指したバンドとして、「フラワー・トラベリン・バンド」「イースト」「サディスティック・ミカ・バンド」「ブルース・クリエーション」。
・ピンク・フロイドの影響を受けプログレを定着させた「四人囃子」「コスモス・ファクトリー」。
・関西ブル

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『イースター』 パティ・スミス・グループ

『イースター』 パティ・スミス・グループ

 いつだって中古レコード屋「ハンター」とイシバシ楽器がデートのお決まりのコースだった。もちろん、映画やコンサート、公園のお散歩もあるけれど、必ず中古レコード屋や楽器屋があると、「ちょっと寄ろう。」ということになる。
 別々の高校に通っていた2人は、話す内容は、お互いの学校生活の報告会になる。その報告が終わるとお互いの趣味の話になる。彼女は文学少女だったので、流行作家から純文学までいろいろな話材を持

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渋谷

渋谷

 人間の行動パターンはそんなに簡単に変わるものではない。朝パソコンに向かうとき、インターネットで必ずチェックする“お気にいり”が数個あって、それらを閲覧しないと1日が始まった気にならない。これは習慣みたいなもので、これをしないとリズムが狂うというやつだ。
 リズムといえば、僕には以前渋谷に行くと必ず取っていたルートを持っていた。それは1人の時も友達といる時も、デートの時でさえも、そのルートを通らな

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『Communication』 FLYING KIDS

『Communication』 FLYING KIDS

 とにかく時間が無くなった。大学を卒業し就職した時、1日の半分以上が会社の時間になった。音楽に囲まれていた生活がガラリと変わった。バンド活動も無くなり、通勤時にウォークマンで音楽に触れる程度。今から思うとよく途中で破裂しなかったと思う。
それだけ新しい生活に忙殺されていたのだろうし、音楽と同じくらい車も好きだったのでそれにかかわる仕事だからそれなりに集中できていたのかもしれない。
そんな時に会社か

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『DOUBLE PLATINUM』 KISS

『DOUBLE PLATINUM』 KISS

 KISSは、2023年12月1日・2日開催の地元ニューヨーク マディソン・スクエア・ガーデンが最後の地となった。
21世紀突入直前の2000年、解散を宣言し解散ツアー「THE FAREWELL TOUR 2000-2001」を開始したが、すぐに解散を撤回したり、メンバーの脱退や再加入を繰り返し、どこか閉店詐欺のようだった。
そんな頃に書いたエッセイ。
2024年4月

「武道館の1Fの南ブロック

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『THE FIRM』(1985)   THE FIRM

『THE FIRM』(1985) THE FIRM

 「ARMSコンサート」とは、多発性脳脊髄硬化症という難病に冒されたスモール・フェイセスのベーシスト、ロニー・レインのよる呼びかけにより、自身の高額な治療費とARMS(多発性硬化症の研究機関)の研究費捻出のために行なわれたチャリティー・コンサートである。

 このコンサートは、エリック・クラプトン、ジェフ・べック、ジミー・ペイジが一堂に介した歴史的な出来事であり、時は1983年9月、イギリス・ロン

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『Another Side Of Takuro 25』 吉田拓郎

『Another Side Of Takuro 25』 吉田拓郎

 吉田拓郎のベストアルバム『Another Side Of Takuro 25』が6月12日に発売される。 
本作には、デビュー年である1970年から1999年までの30年間にリリースされた楽曲の中から吉田拓郎が自ら選曲、オリジナルマスターテープから最新のデジタル技術でリマスターリングされる。また、ライナーノーツも本人が寄稿する力の入れ具合だ。
 発表の経緯としては吉田拓郎にとって来年はデビュー5

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歌を作るスタンス・・・岡林信康

歌を作るスタンス・・・岡林信康

 ギター1本の弾き語りは、言葉の重さが時に重圧となり、生々しくなることがある。音数が少ない分ごまかしもきかず、言葉は鋭く人の心に突き刺さる。それがラブソングであれば幸せなことだが、社会問題や政治、宗教などに触れた時、全ての人が同意するとは限らない。マスコミはその歌を「メッセージソング」「プロテストソング」という簡単な言葉で片付けてしまう傾向があり、歌の発信者は計り知れない責任を負うことも多々ある。

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『グッドタイム・ミュージック』 斉藤哲夫

『グッドタイム・ミュージック』 斉藤哲夫

 『バイバイグッドバイ・サラバイ』(1973)は、CBSソニーに移籍した斉藤哲夫が新たなる世界を発表した作品だと思う。それまでのURCレコードでは、小難しい唄を声をひっくり返しながら(高音)歌っており、「若き哲学者」と呼ばれた。
 URCというマイナーレーベルで「悩み多きものよ」「されど私の人生」「斧もて石を打つが如く」など20歳そこそこの大学生が歌っていたから、「若き哲学者」なんて愛称がついてし

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『スィート・ベイビー・ジェームス』 ジェームス・テイラー

『スィート・ベイビー・ジェームス』 ジェームス・テイラー

 僕はギブソンのアコースティック・ギターを購入しようと思ったことが何度かある。拓郎やジョン・レノンが使っているところを見て単純に格好良いと思ったし、色艶もよくアメ色に輝くジャンボギターを抱え、シャウトするミックなんか見ていると喉から手が出るくらい欲しくなったものだ。しかし、最後の最後にギブソンのアコースティック・ギターに手が出なかった理由は、いくつかある。
ギブソンのアコは、前述の通りシンガー向

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渡辺香津美 スパイス・オブ・ライフLIVE

渡辺香津美 スパイス・オブ・ライフLIVE

 ギタリストの渡辺香津美が本年度予定していたすべてのアーティスト活動を中止することが発表された。検査の結果、意識障害を伴う脳幹出血と診断されたため、当面治療に専念するとしている。
まだ若いのに。
あの華麗な指使いで難解なフレーズを弾きこなす姿の復活を祈りつつ、昔のコンサートレポ。
2024年3月

 私は高中正義をあまりギタリストとしては見ていない。どちらかというと作曲家という括りか。それは、高中

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