はなっちの音日記

音楽、映画好き。 音楽活動も行なうアラ還です。 他のブログで長年音楽ブログを書いていま…

はなっちの音日記

音楽、映画好き。 音楽活動も行なうアラ還です。 他のブログで長年音楽ブログを書いていましたが、古いブログをこちらに移管して参ります。 400近くあるので、選びながら気長に進めて参ります。 古いコンサートや昔のアルバム評など懐かしい話が中心になります。

最近の記事

『カルメン・マキ & OZ』 カルメン・マキ & OZ

 日本のロックを語る上で必ず通らなければならないアーティスト達がいる。GSブームが終り、ロックという新しい音楽が湧き始めた1970年代初頭… ・日本を脱出し、海外を目指したバンドとして、「フラワー・トラベリン・バンド」「イースト」「サディスティック・ミカ・バンド」「ブルース・クリエーション」。 ・ピンク・フロイドの影響を受けプログレを定着させた「四人囃子」「コスモス・ファクトリー」。 ・関西ブルーズから「上田正樹とサウス・トゥ・サウス」「ソーバッド・レビュー」「憂歌団」。

    • 『イースター』 パティ・スミス・グループ

       いつだって中古レコード屋「ハンター」とイシバシ楽器がデートのお決まりのコースだった。もちろん、映画やコンサート、公園のお散歩もあるけれど、必ず中古レコード屋や楽器屋があると、「ちょっと寄ろう。」ということになる。  別々の高校に通っていた2人は、話す内容は、お互いの学校生活の報告会になる。その報告が終わるとお互いの趣味の話になる。彼女は文学少女だったので、流行作家から純文学までいろいろな話材を持っていた。僕も本は好きだったが彼女ほどの読書量は無く、途中からちんぷんかんぷんに

      • 渋谷

         人間の行動パターンはそんなに簡単に変わるものではない。朝パソコンに向かうとき、インターネットで必ずチェックする“お気にいり”が数個あって、それらを閲覧しないと1日が始まった気にならない。これは習慣みたいなもので、これをしないとリズムが狂うというやつだ。  リズムといえば、僕には以前渋谷に行くと必ず取っていたルートを持っていた。それは1人の時も友達といる時も、デートの時でさえも、そのルートを通らないと渋谷に行った気がしなかった。 駅から公園通りを上り、中古レコード屋の“ハンタ

        • 『Communication』 FLYING KIDS

           とにかく時間が無くなった。大学を卒業し就職した時、1日の半分以上が会社の時間になった。音楽に囲まれていた生活がガラリと変わった。バンド活動も無くなり、通勤時にウォークマンで音楽に触れる程度。今から思うとよく途中で破裂しなかったと思う。 それだけ新しい生活に忙殺されていたのだろうし、音楽と同じくらい車も好きだったのでそれにかかわる仕事だからそれなりに集中できていたのかもしれない。 そんな時に会社から帰ってきた観たテレビ番組。 これは何だ? “平成名物TV イカすバンド天国”

        『カルメン・マキ & OZ』 カルメン・マキ & OZ

          『DOUBLE PLATINUM』 KISS

           KISSは、2023年12月1日・2日開催の地元ニューヨーク マディソン・スクエア・ガーデンが最後の地となった。 21世紀突入直前の2000年、解散を宣言し解散ツアー「THE FAREWELL TOUR 2000-2001」を開始したが、すぐに解散を撤回したり、メンバーの脱退や再加入を繰り返し、どこか閉店詐欺のようだった。 そんな頃に書いたエッセイ。 2024年4月 「武道館の1Fの南ブロックの柱にはいまだに潰れたハエの跡があるの知ってる?え?知らないの?柱にハエが染み付

          『DOUBLE PLATINUM』 KISS

          『THE FIRM』(1985) THE FIRM

           「ARMSコンサート」とは、多発性脳脊髄硬化症という難病に冒されたスモール・フェイセスのベーシスト、ロニー・レインのよる呼びかけにより、自身の高額な治療費とARMS(多発性硬化症の研究機関)の研究費捻出のために行なわれたチャリティー・コンサートである。  このコンサートは、エリック・クラプトン、ジェフ・べック、ジミー・ペイジが一堂に介した歴史的な出来事であり、時は1983年9月、イギリス・ロンドン・ロイヤルアルバートホールで開催された。3大ギタリストがセッションを行なうと

          『THE FIRM』(1985) THE FIRM

          『Another Side Of Takuro 25』 吉田拓郎

           吉田拓郎のベストアルバム『Another Side Of Takuro 25』が6月12日に発売される。  本作には、デビュー年である1970年から1999年までの30年間にリリースされた楽曲の中から吉田拓郎が自ら選曲、オリジナルマスターテープから最新のデジタル技術でリマスターリングされる。また、ライナーノーツも本人が寄稿する力の入れ具合だ。  発表の経緯としては吉田拓郎にとって来年はデビュー55周年。同時に井上陽水、泉谷しげる、そして小室等が集って設立したレコード会社「フ

          『Another Side Of Takuro 25』 吉田拓郎

          歌を作るスタンス・・・岡林信康

           ギター1本の弾き語りは、言葉の重さが時に重圧となり、生々しくなることがある。音数が少ない分ごまかしもきかず、言葉は鋭く人の心に突き刺さる。それがラブソングであれば幸せなことだが、社会問題や政治、宗教などに触れた時、全ての人が同意するとは限らない。マスコミはその歌を「メッセージソング」「プロテストソング」という簡単な言葉で片付けてしまう傾向があり、歌の発信者は計り知れない責任を負うことも多々ある。  1970年前後のフォークブームを作り上げた歌は、ほとんどがこの類のものだった

          歌を作るスタンス・・・岡林信康

          『グッドタイム・ミュージック』 斉藤哲夫

           『バイバイグッドバイ・サラバイ』(1973)は、CBSソニーに移籍した斉藤哲夫が新たなる世界を発表した作品だと思う。それまでのURCレコードでは、小難しい唄を声をひっくり返しながら(高音)歌っており、「若き哲学者」と呼ばれた。  URCというマイナーレーベルで「悩み多きものよ」「されど私の人生」「斧もて石を打つが如く」など20歳そこそこの大学生が歌っていたから、「若き哲学者」なんて愛称がついてしまったのだろう。当の斉藤哲夫はどう思っていたんだろうか。  東京の下町、大森の大

          『グッドタイム・ミュージック』 斉藤哲夫

          『スィート・ベイビー・ジェームス』 ジェームス・テイラー

           僕はギブソンのアコースティック・ギターを購入しようと思ったことが何度かある。拓郎やジョン・レノンが使っているところを見て単純に格好良いと思ったし、色艶もよくアメ色に輝くジャンボギターを抱え、シャウトするミックなんか見ていると喉から手が出るくらい欲しくなったものだ。しかし、最後の最後にギブソンのアコースティック・ギターに手が出なかった理由は、いくつかある。 ギブソンのアコは、前述の通りシンガー向きなんじゃないか、ということ。 そういえばギタリストでギブソンのアコを好んで使

          『スィート・ベイビー・ジェームス』 ジェームス・テイラー

          渡辺香津美 スパイス・オブ・ライフLIVE

           ギタリストの渡辺香津美が本年度予定していたすべてのアーティスト活動を中止することが発表された。検査の結果、意識障害を伴う脳幹出血と診断されたため、当面治療に専念するとしている。 まだ若いのに。 あの華麗な指使いで難解なフレーズを弾きこなす姿の復活を祈りつつ、昔のコンサートレポ。 2024年3月  私は高中正義をあまりギタリストとしては見ていない。どちらかというと作曲家という括りか。それは、高中の作るわかりやすいメロディラインや曲の雰囲気がキャッチーで非常にカジュアルに聴こ

          渡辺香津美 スパイス・オブ・ライフLIVE

          ユーミンの3枚

          つい1週間前、ユーミンの名盤『時のないホテル』をアルバム1枚まるごとカバーして発表したバンドを観て、大変感動した。 しかもそのバンドは4人編成でシンセも無い。 音を究極まで絞り、アレンジも大変だったろう。 その影響かこの1週間ユーミンばかり聴いている。 このブログは19年前に書いたものだが、今でも考えはそんなに変わっていない。もちろん、ユーミンは未だに現役だし、最近のアルバムでもこれは!と思わせるものもあるが、3枚に絞ると私はこれになる。 2024年3月 ★『ミスリム』(1

          大杉漣さんの思い出

           大杉漣が亡くなってから6年が経過した。 実力派のバイプレイヤーとして人気があった役者だったが、あまりにも突然の訃報だったので驚いたものだった。 6年前の今日書いたブログ。 2024年3月28日  大杉漣の訃報をテレビのテロップで観た時…そして、急性心不全で亡くなったと発表されたとき、私は不覚にも「自殺?」と思ってしまった。 近親者の方々からしてみたらそんなことは絶対ないという確信はあるだろうが、私はテレビドラマもバラエティも普段からそんなに観る方では無いので、大杉漣の活躍

          大杉漣さんの思い出

          『アメリカン・バンド』 グランド・ファンク

           1980年代のMTVブームの中心に位置したテレビ音楽番組に《ベストヒットU・S・A》がある。僕は、毎週土曜日の深夜11時過ぎになるとテレビの前に陣取り、目を皿のようにして画面に見入っていた。 この番組は、海外の音楽事情を映像で確認できる貴重なものだったので、自分の趣味ではない音楽が流れていても決して席を立つことはなかった。 そして、外タレの貴重なインタビューやランキングなど、いろいろなメニューがある中で僕のお気に入りは“タイムマシーン”というコーナーだった。  このコーナー

          『アメリカン・バンド』 グランド・ファンク

          『トゥナイト・アイム・ユアーズ』 ロッド・スチュアート

           ロッドが来日公演をしたようだ。友人が見に行ってきたと報告があった。 声も出ないし、なんか歳取ったなあーと嘆いていたが、それでもここ一発の声はスーパーヴォーカリストだった、と。 2011年に書いたエッセイだが、辛辣な表現もあるが、リスペクトしているつもり。 2024年3月  ロッド好きの芸能人ってけっこう多いと聞く。ビートたけしも歌手として歌を歌っていた頃があったが、まるっきりロッドだった。あんまりイメージ湧かない?  ブロンドのロングヘアーをなびかせ、いつも両手にいい

          『トゥナイト・アイム・ユアーズ』 ロッド・スチュアート

          『Denim』 竹内まりや

           2007年に発表された時に書いたエッセイ。 山下達郎がプロデュースする竹内まりやの作品については、それまであまり良い印象が無かった。達郎カラーが出過ぎてしまい、デビュー当時のポップス感が薄くなった気がしたからだ。勿論、竹内まりやが望む味変だったらそれはそれで良いかもしれないが、私は女版の達郎を聴いている感じがした。 しかし、この作品は違った。 2024年3月  日本の軽音楽、特にロックとカテゴライズされる音楽について歴史は非常に浅い。それはGSブームの終焉とそれに続く新た

          『Denim』 竹内まりや