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スキした作品

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色々読んでスキをしていく中で素敵な作品が埋もれていくのでまとめました/不定期更新
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賽の河原 【幻想詩】

賽の河原 【幻想詩】

僕のからだは
いつのまにか薄い布になって
ふわふわただよっていた

空から見ると
灰色の荒野の中を
一筋の川が流れている
銀色の砂利が光っていて
鉱物の擦れ合う音が響いていた

川のほとりの風は
灰色の土を巻き上げた
丸い透明なものが
あちらこちらに浮いている
風に吹かれるままに
散ったり 集まったり

その 透明な
しゃぼん玉のなかに
坊さまが棲んでいた
しゃぼん玉のなかで
坊さまの弾く琵琶は

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【詩】楽園

【詩】楽園

アラベスクの流麗に見とれて 冷たい彩色タイルに凭れると 微熱がひいて 中に吸い込まれていく

アラベスクの中には 空も水も 空気も花もある 食むための唐草も 読むための書もある 青の壮麗の中で 時間を忘れて過ごしていると もう外には戻れない 人を描くことを 禁じられたアラベスクには 人が抜け出す出口がない 香り立つ文様に酔うように 旋回して舞い始めたら 目が回り 視界がターコイズ色になって 私はタ

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奇妙なリズム 【自由詩】

奇妙なリズム 【自由詩】

時おり二つ
次に三つ

ステップが変わる
目を離すとすぐに変わる

時おり三つ
あるいは七つ

変なリズムを刻む
君の足元
ハイヒールが地面を抉りながら
ステップを踏む

二つ 三つ 七つ

ボンゴが喉を鳴らす
おどけた喉を鳴らす
アンビバレントな喉を鳴らし
民族の風を吹かす

偶像が踊る
奇妙なリズム
千手観音が踊る
複雑怪奇なリズム

海坊主が踊る
ニュラルホン ニュラルホン
蛸坊主が踊る

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「秋色の夢」ー詩ー

「秋色の夢」ー詩ー

私の夢 どんな色?
きっと 秋の吐息色
すれ違いばかりの 夢だけど
これから パステルカラーで
しっかりと 描いていくの

私の夢は 時を越えて
秋の雲に 乗って
星屑で作った 銀の馬車で 駆ける
この世に たった一人の
あなたの心に 留まりたい

私の心は 音符のよう
愛のセレナーデを 書き上げて
秋の 月の光の下で
命の続く限り
想いを 奏でて 歌い続ける

私の愛は 小鳥のよう
枝から 幹へ

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