見出し画像

"Alignment" - チームが一丸となりスクラムを組めているか?


“チームが一丸となりスクラムを組めているか?”  –  11年前に外資系企業でHRディレクターになりたての頃の体験を思い出すことがよくあります。
 
私は、9年間の営業職を経て、30代前半から今年3月に起業するまでの17年間、戦略人事に携わる数多くの貴重な機会をいただきました。その17年間のうち、後半の約10年間は、外資系企業 日本法人HRディレクター、東証プライム市場上場企業で12か国の責任を持つGlobal CHRO(最高人事責任者)といったHRトップの重責を担う役割に就かせていただきました。
 
その中でも、私のキャリア史上一番の転機と言えるのが、11年前に初めてHRディレクターに就く機会をいただけた英系FMCG(日用消費財)企業です。重責への挑戦を躊躇していた私の背中を押してくださり現在も親交を続けているヘッドハンターの方には、今でも感謝の気持ちで一杯です。
 

当時の日本法人のリーダーシップチームは、ドイツ国籍の社長、アメリカ国籍のマーケティングディレクター、コロンビア国籍のファイナンスディレクターを中心に、私もHRディレクターとしてその一員を担っていました。
 
ある日、この4人で重い議論をしていた際、“Align” という私には耳慣れない単語が出てきたのです。
 
私は “Agree” と同義かな...と推測しました。ただ、どうしても、その “Alignの持つニュアンスを掴みたい衝動” に駆られました。何故なら、それを発している彼らの表情と言葉に込める情熱が生半可なものではなかったからなのです。
 

社内で、意見や策定したプランに対して、関わる方々の賛同・サポートなどを得ることは非常に重要です。また、社外のベンダーさんなどと合意して物事を円滑に進めることも重要です。“Agree”のニュアンスは、そういった「合意形成のプロセス」を表すものだと経験値から捉えています。
 
一方、当時初めて耳にした “Align“ は、前後のニュアンスから、冒頭の「問い」である “チームが一丸となりスクラムを組めているか?” という意味合いが非常に強いと感じました。
 


特にアジャイルな組織において、組織内に多様に存在する「違い」を活かし、異なる役割を持つ人たちで、共通の難関が待ち受けるゴールに向かって前進し、時に強行突破するためには、グラウンドに立つチーム全員が一丸となりスクラムを組まないと太刀打ちできないのです。

つまり、ゴール達成に向けた「戦略」とそれを解決に導く「戦術やプロセス」において、全身全霊で「すりあわせ」ができており、調和が見事に一致された状態であることが必要不可欠なのです。私が経験値と感覚値で掴めた “Align” が持つ意味と意義はここでした。
 

 
ビジネスシーンにおいて、何かを達成させるためには、異なる意見を持つ社内外の関わる方々に対して、議論を重ねることで 双方向に ”Agree” できるプロセスを促進することがベースに必要です。そのうえで、多国籍な企業のリーダーシップチームは、社員の方々と会社を守り抜き、熾烈な競合他社間の競争で競合優位性を明確にして果敢に挑み、ひいては、パーパス実現に向けて、世の中での存在意義を見出していくことが求められる重責を担っています。少なくとも私は、グローバルな事業会社のHRトップとしてリーダーシップ層に就いていた10年間はその覚悟でやっていました(能力などはさておき。。 覚悟と情熱は本気でした)。

“チームが一丸となりスクラムを組めているか?” を “Alignという言葉の力” でお互いに問い合い、一丸となりゴールに飛び込む準備ができているのか? そんな真剣で情熱伴う状態なんだと思っています。
 

その後、次に経験した 英系テクノロジー企業でも、多国籍なリーダーシップメンバーの中で “Align” が頻度高く使用されていました。その頃には、私も自然にビジネスシーンで “Alignを堂々と使えるスタンス“ を持つことができていました。これこそが「経験」で得ることができたギフトのひとつです。
 
 
難易度高いことに “Align” する経験で私に芽生えたことは、

Empathy(他者・違いに敬意を払い、共感する)
Passion(困難に立ち向かうことに情熱を持つ)
Originality(自身の独自性を介在価値に変える)
Curiosity(自身の枠を越えた未知に好奇心を持つ)
Honesty(たとえ不利なことでも透明性持って誠実に)
 
といった価値観です。
これは、今年3月に起業した株式会社EpoChの  “Our Value - 大切にする価値観 - ”  につながります(ちなみに頭文字で社名にもなります)。
 
起業して半年が経過し、ありがたいことに様々なお客様の組織の中に具体的に入り込みながら、組織開発と戦略人事を軸に伴走する機会をいただけています。"チームが一丸となりスクラムを組めているか?” と常に自問しながら、11年前の経験で獲得できた "Alignするスタンス" で今後も向き合っていきます。
 
ここに行き着くまでの「経験」という財産には感謝するばかりです。

 

<最後にひとこと>
私は、島国・日本の中のさらなる島・四国の中に存在する “日本最小面積を誇る香川” の田んぼに囲まれた地域で育った裸足で走りまくる田舎少年でした。大人になって東京に出てからは、表では失敗と恥を重ねまくって、裏では見えない努力を重ね続けることを乗り越えることで、数多くの方々の支えもあり、多国籍のリーダーシップメンバーにまで到達することができました。そうして、何ものにも代えがたい経験をその30代後半当時に財産として手に入れることができたのです。こんな自分でも実現できましたので、これから目指す方も、意気込みと覚悟・情熱を持てば、きっと大丈夫! "挑戦する経験” こそが、後々 "自身のWill実現" につながる財産になるはずです。


この記事が参加している募集

#人事の仕事

3,980件

外資系17年(HRトップ 7年)とプライム市場上場企業 Global CHRO(最高人事責任者)経験の私が「誰もが独自性を強みとして持ち、新しい無限の可能性を秘めている」を自身のコーチング哲学に、2023年3月 起業をしました。サポートくださる方々と一緒に日本を元気にしたいです!