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【映画】アリー スター誕生
最後にジャクソンがとった行動は、「愛」か「病」か?
実話がベースというか、厳密には「モデルとなる人物がいた」ということらしい。
「あのレディガガだ」という事実だけで、十分画面に引き付けられるが、
ストーリー的には退屈で、ベタな展開だ。
むしろ、「これをどう着地させる気だ?」という思いでいっぱいだった。
そして、迎えた最後のシーン。
なぜか私は泣いていた。
やっぱり、ガガの歌声は、内面にぐわ
【映画】それでも夜は明ける|とことん人間の所業が恐ろしくなる「奴隷」という制度。
世界史の授業で奴隷制度を習ったときは、ここまで残酷なイメージがなかった。今さらながら、自分の無知が恥ずかしい。
これが実話ベースというのが本気で恐ろしいのだが、この映像以上のこともあっただろうと推察される。
何かしらそれらしい理屈をつけて、黒人奴隷を痛めつけるが、
あそこまでやるのは、欲求不満のはけ口以外の何ものでもない。
例え違法でなくたって、動物やモノにだって、あんな風にはできない。
【映画】マデイ アおばさんのドタバタNY事件簿 |とにかく、無茶で規格外のマディアおばさんが最高。
こんな風に笑える映画に救われる日もある。
自粛、自粛で、行動範囲も発言もどんどん小さくなっている。
命にかかわることだから、めったなことが言えない。
ウイルスとの戦いにおいて、
「完璧に、完全に勝利」できないと思っている人と
「完璧に、完全に勝利」できると思っている人とのかみ合わない話を、
ショーとして見せられている気がして、地上波を見るのを辞めた。
今の時点で誰にも分らない(証明できない)こ
【映画】ショーシャンクの空に|希望を持って、外の世界に出てみよう。
主人公アンディが無実の罪で放り込まれたショーシャンク刑務所。
そこは、人権のじの字もないほど劣悪だった。
そんな過酷な環境での「希望」が、ひとつのキーワードになっている。
入るかどうか自分の意志で決められないのが刑務所だが、
何かに囚われて不自由を感じ、苦しんでいるのなら、囚人も同じだ。
私が中学まで育った田舎は、ものすごく過干渉で閉鎖的だった。
娯楽施設がひとつもない。本屋もない。時代的に当
【映画】私の中のあなた|命とは、一体誰のもの?
病気の姉を助けるためにつくられた試験管ベビーの妹が、親を訴える!!
入り口は、だいぶセンセーショナルだが、展開は意外な方向へ。
確かに、ラストは感動的だった。
でもなぁ…。
妹の命に対する扱いが、あまりにも軽く思えて
「なるほどそうですか」とはならなかった。
序盤からずっと、この姉妹の命は完全に母親の持ち物のようだった。
一体、誰を満たすために生かされているのか、見失ってしまう。
自分のスペ
【映画】プライベート・ライアン|20数年ぶりにあらためて観た感想は、あの時と全く別物だった。
正当化しなければ、やってられないのが「戦争」なのか。ノルマンディ海岸に命からがら上陸した主人公ミラー大尉に、ある命令が届く。
4人の息子のうち3人が戦死してしまった母親のもとへ、末の息子ジェームズ・ライアンだけは生きて還してやれという内容だ。
敵がうじゃうじゃいるやばい状況の中、どこにいるかもわからないライアンを探して命がけで適地をくぐり抜けなければならない8人の兵士たち。
全員、モヤってい
鬼滅の刃は2期の前にマンガで完結しておくことをおすすめする6つの理由
劇場版 鬼滅の刃 無限列車編は、歴代興行収入を更新し、
鬼殺隊炎柱 煉獄杏寿郎は、2021年2月8日現在『371憶の男』である。
私はこれまで、マンガにもアニメにも全く触れない一般的な40代だったのだが、アニメ鬼滅の刃の圧倒的なクオリティに感動し、
今日現在、無限列車に4回も乗り込むという熱狂ぶりである。
そして、マンガで完結まで読んでから臨んだ、4回目の乗車で一番泣いた。あり得ないくらい
【映画エッセイ】天使のくれた時間|これはズルいわ~名作だけど。
同時に持てないからこそ、尊いんですけども。私たちは、日々、選択し続けている。
パンかライスかくらいのことはまぁいいとしても、
就職や結婚など、大きな選択にはフィードバックがつきものだ。
A社かB社の2択で、A社を選んだ場合、B社を選んだ自分は消える。
A社で働きながら、B社での同時刻の働きっぷりを確かめることはできない。後で選びなおすことはできるが、
「A社」を選択するということは、選択しなかっ
映画『きみに読む物語』|What do you want? 君は、どうしたい?
10代までは、本気で何にでもなれる気がしていた。
20代で社会の不公平に気づき、
30代であがいてみるが、世の中は、そんなに簡単に変わらないと知る。
そして40代になってやっと、
世の中を変えなくても、自分の幸せはいつも目の前にあると気づいた。
これは間違いなく、良書や名作映画との出会いのおかげだ。
しかし、長年染みついた「こう見られたい」という思考のくせは、
今でも時々、「自分はどうしたいか」
【映画エッセイ】ヴィンセントが教えてくれたこと|聖人:トンデモ爺さん。
原題『St. Vincent』(聖人:ヴィンセント)聖人とは
一般的に、徳が高く、人格高潔で、生き方において他の人物の模範となるような人物のことをさす。Wikipediaより
「聖人」は、「人」に対してではなく、「行為」に対する言葉だと思う。
トンデモ爺さんヴィンセントにはハラハラさせられた。
他人事だから見ていられるが、この隣人にわが子を預けるにはかなりの勇気が要る。
この爺さんからは、教育上
【映画エッセイ】わたしは、ダニエル・ブレイク|亡き父に会えた。この映画に心から感謝する。
『優秀な能力の使い道』とは
心臓発作を起こして働くことを医者から禁止されたため、国の援助を受けるため、役所へ申請に行くダニエル。
役所は、パソコンを使えないダニエルに「オンラインの申請が決まりですから」と繰り返す。そして、それを職員が手伝うことは、許されていない。
見かねたある女性職員が、こっそり手伝おうとして上から叱責される。
この職員たちは、電気代が払えずに途方に暮れているわけではない。
【映画】きっと、うまくいく|『正しい選択』ではなく、『選択する方法』を学べる映画
親が干渉しすぎだということに気が付いたのは、大人になってからだ。
「思うままに生きろ」などと言われたことは一度もない。
子どものためを思い、傷つけたくないから口を出す。
愛情たっぷりの親切心からくる干渉はものすごく厄介だ。
今にして思えば、うちの親は自尊感情が著しく低い。
すぐに感情的になるので、それがイヤで「No thank you」が言えない。
自分のことなのに、親を説得するのに莫大な
【映画】ビューティフル・マインド|極力レビューを読まずに観ることをおすすめする感動作。
25年前にがんで亡くなった祖母を思い出した。
入院先へお見舞いに行くと、いつも、天井に向かって「エア三つ編み」をしていた。
ものすごく楽しそうだった。
担当医は、痛み止めの影響だから心配ないと言っていたが、
時々、「拳銃だから、こっそり捨ててきて。秘密よ。」と、
テレビのリモコンを渡してくるので本気で困った。
農家で生まれ育った祖母は、拳銃なんか見たことも触ったこともないだろうに。イマジネーショ
【映画エッセイ】wonder君は太陽|涙で心にうるおいの膜が。
自分の中の、やさしい部分に気づけた。
主人公だけでなく、家族・友人・周囲の人たちの心情がていねいに描かれている作品。
どの登場人物にも、共感する部分があった。いじわるな同級生にでさえ。
主人公の家庭は裕福で、ほかの子たちより恵まれている部分もある。
現実には、こう上手くはいかないだろうという思いもあったが、
ずっと何かやさしい感情がじわじわとこみ上げていた。
この作品には「差別とかいじめはや