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【映画エッセイ】天使のくれた時間|これはズルいわ~名作だけど。

同時に持てないからこそ、尊いんですけども。

私たちは、日々、選択し続けている。
パンかライスかくらいのことはまぁいいとしても、
就職や結婚など、大きな選択にはフィードバックがつきものだ。

A社かB社の2択で、A社を選んだ場合、B社を選んだ自分は消える。
A社で働きながら、B社での同時刻の働きっぷりを確かめることはできない。後で選びなおすことはできるが、
「A社」を選択するということは、選択しなかった「B社で働く同時刻の自分」を捨てるということだ。
「B社を選んでいたら…」と想像はできるが、同時に見ることはできない。

私は、パラレルワールドの存在には懐疑的だ。
面白そうだけれど、やっぱり存在してほしくない。
時間が巻き戻せた上で別の世界線にいけるとなると、きっと飽きてしまう。

うまくいかないことが続くとき、違う選択をすればよかったと
つい後悔してしまうことがある。そういう時は、
「ちょっと、あんた、今より勝てる計算してないか?」
と自分につっこむことにしている。

なんなら状況がもっと悪いとか、この程度でむしろラッキーだった可能性もあるわけで。

「後悔」は無意味。
だけど、「もっといい方法」を学習するのは、大事なことだと思う。
「これからは、もう少し聞く耳を持とう」とか、
「大事なものは決まった場所に置こう」とか。

今の自分は、レールのように、過去から直線的に伸びてきたものではなくて、色んな経験(小さな点)がつながって線になって網になったものだと思う。
無意味な点などない。一つ欠けても、今の網にはならない。

だから、この映画はズルいと思う。名作だけど。

キャスト
監督:ブレット・ラトナー

出演:ニコラス・ケイジ, ティア・レオーニ, ドン・チードルほか

あらすじ
ウォール街で成功し、豪華な暮らしをしていたジャック(ニコラス・ケイジ)はある日、突然、違う人生をおくっていた!目覚めるとそこは今まで見たことがない部屋。横には13年前に別れた恋人ケイト(ティア・レオーニ)が眠り、二人の子供のパパになっていた。 「その世界」でのジャックは現実とは全く違うタイヤセールスマンの平凡な夫。やがてジャックに、現実の世界へ戻る時が近づいてくるが…。Amazon作品紹介より