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6本353円の筆を買った
私の書いた字を見た人に言われて若干イラッとすることがある。
「上手いですね。さぞかし高くて良い筆を使っているのでしょうね」
こいつ何言ってんだよ。
口は悪いがそう思う。じゃああなたが高くて良い筆を買って、書いてみろよ、上手く。
当たり前だが、高くて良い筆を使っているから字が上手いなんてことはあり得ない。しかしそれを理解できていない人のあまりに多いことか。
どんなに高いパソコンを
2023年 マニアを超えて生きていく
年末に風邪を引いた。それはそれはもう、なんでこれがコロナでもなければインフルエンザでもないのか、許しがたいほどの風邪であった。二週間たった今も鼻炎が続いていて、鼻を拭き過ぎで鼻周辺の皮膚がむけ、肌が荒れ、こんなに毛穴ケアに気を使っているのに無惨にも乾燥毛穴が開くばかりである。
思い返せば10月ごろにも風邪をひいた。そのときは朦朧とする中、筆をとり、暦を書いた私であるが(過去記事参照)さすがに
今年もこの季節が来てしまった!!!【令和六年甲辰略暦】PART2
⇨⇨⇨前回からの続き
猛烈な風邪で意識朦朧とする中、暦を作るために机に向かった私。
ここですぐに筆を持ち始めると想像されるかもしれないが、いやいや甘いぜ! 暦の中で一番時間がかかり大変なのは「構図」、そして「割付」である。つまりは「何をどこにどう書くか?」という設計図のようなものである。
オーソドックスなカレンダーであれば「何を記載するか」がほぼ決まっているため、そこまで大変な思いをす
今年もこの季節が来てしまった!【令和六年甲辰略暦】
今年も残すところあと2ヶ月を切った。
私はというと、9月ごろからずっとソワソワしていた。実態のないなにかに追われている気がしてならなかった。
夏の終わりの寂しさ。あっけなさ。猛暑に耐え抜いた達成感。そして秋の訪れの高揚感。買い物に出たときにふと薫る枯れ葉の匂いに、ノスタルジックを求めてついCLASSの「夏の日の1993」を聞き返してしまう。そして思い出すのだ。私にはやらなければならないこ
今日このあとビルらない?
去年末くらいのことであるが、職場のお偉い上司が小松川高校出身と知って驚いた。
小松川高校とは平井駅南口から徒歩約20分という、とんでもなく通学しにくい位置にある進学校である。このあたりの高校では珍しくセーラー服の制服で、私が物心ついた頃から一度も変わっていない。上司に訊いてみたら、上司の時代から変わっていないという。うっかり制服の話を持ち出してしまったものだから、そのあと小松川高校の制服に関
送料込み82円の筆を使った
(前回の記事がまだな人はそちらから読んでね!)
送料込み82円の筆を買った、そして届いた。
日本で封筒を郵便で送る場合の切手料金は84円である。私は84円切手を貼って通信講座を郵送している。紙っぺら1枚で84円である。それが細長い固形の物体、筆を封入して82円。もうこの時点で赤字は明らかである。
一体全体どういう神経をしていたらこんな商売をしようと思いつくのか。それを知るためには実際
送料込み82円の筆を買った
ネットで買い物をするのが好きである。
特別高いものを買うことはない。オークションやらで珍しいものを求めることもない。コスメを買ったり洋服を買ったり。家の中で買い物をして家まで届けてくれるという「ぐうたらどんとこい!」なシステムが根っからの出不精の私にシンデレラフィットするのだ。
ネットで買い物をするのが好きなもう一つの理由は、「嘘だろう?」というほど安い品物に出会えることである。
い
プロポーズをされたことが三回ある
実は、プロポーズをされたことが三回ある。
うち、二回が平井の町で起こった出来事だから、こりゃ平井オープンボックスに身を置くものとして書かないわけにはいかない。
平井というのは私が生まれ育った町で、東京の下町と言っては聞こえはいいが、四方八方を川に囲まれた島国のようなとてもとても小さな町である。
平井駅から小松川という方向に向かって大黒柱のように商店街が一本通っていて、町の民が商店街を
ねえねえみんなは字を書くことをなんて読んでる?
突然だが、私にはずっとひっかかっている日本語がある。
私の書いた作品や、私が書いているところを見て、こんなことを言う方がいる。
「私も習字書きたくなっちゃった」
他にもある。
「毎日書道やっているんですか?」
「書道を練習してみたい」
「習字が上手い人ってすごいよね」
……などなど。
こんなことを指摘すると重箱の隅をつつくようで黙っているのであるが、いつも引っかかってしま
縦画をまっすぐ引くのは難しい
我ながらとんでもない職業についてしまったと毎日震える思いであるが、人様に字を教える仕事をしている。
書道という魔物と30年くらい一緒に生きている。恐ろしい人生である。
私が自分のことを「書道の先生」ではなく、あくまでも「字を教える仕事をしている」と迂遠的に言ってしまうのは、自分が「先生」であるということをまだ認めたくないからなのかもしれない。「先生」と呼ばれるようになって15年も経つとい
学ぶことは分けること。〜コロナ禍で今わたしができること〜
コロナウィルスが日本に来てから、もう一年半になります。
長いですね。みなさん無事に生きていますか? 楽しいことはありますか?
第一回目の緊急事態宣言が発令されたころ、私は「一日一ポイント字を練習することを推奨してみる」と題し、字の上達のための六ヶ月カリキュラムを、毎日一ポイントずつTwitterにアップしていきました。
最初はほんの数人が見てくださっている程度でしたが、開始