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送料込み82円の筆を使った

 (前回の記事がまだな人はそちらから読んでね!)

 送料込み82円の筆を買った、そして届いた。

 日本で封筒を郵便で送る場合の切手料金は84円である。私は84円切手を貼って通信講座を郵送している。紙っぺら1枚で84円である。それが細長い固形の物体、筆を封入して82円。もうこの時点で赤字は明らかである。

 一体全体どういう神経をしていたらこんな商売をしようと思いつくのか。それを知るためには実際に使ってみるしか方法はない。

とりあえずこの紐は邪魔なので切った。

 みなさん筆を買ったことがあると思うのでご存知だと思うが、売られているときの筆は、毛がさばいて傷まないようにのりでコーティングされている。こののりを落とす行為を「おろす」と言う。

 さてこの筆も水で下ろそうと思ったが、前回の記事に記載した通り、半分くらいすでにおろされていた。どういうことだ、という疑惑はややあるが、もう半分をおろして、さっそく書き始めることにする。 

 私の机はいつでも臨書ができるように法帖が散乱しているので、とりあえず開きっぱなしのページから書いてみた。

鳳鳴硯を使用

 ……あれ? なんか普通に、全然書ける。

 むしろ毛にコシがあって、ちょっと書きやすい気さえする。

 難点としては軸の部分が空洞になっていて、そこに何かが入ってしまっているのか、書いているとカラコロカラコロと音がする。筆の質とほぼ関係ない難点だから、謎すぎるけどどうでもいい。

 他の字もどんどん書いてみよう。

 ここらへんで毛が抜け始め、同時にバサッと割れるようになってきた。

 筆が割れるとはたいてい2つに割れることが多いが、この子は只者ではない。6つくらいに割れる。ははぁん、さては命毛がないな? と思いつつも、ぜんぜん、ぜんっぜん書ける!!


 なんというか、もう、えーっと、

 結論。全然書ける。

 もうこれ以上レポートすることがないくらいに。

 そりゃあ書きやすいか書きにくいかと言えば書きにくい筆ではあるが、「書けない」ことはない。ちゃんと書ける。

 これで82円はお得と言うか、もはやタダで貰ったようなものである。

 せっかくの筆なので、このまままじで全く使えなくなるまで書き倒していこうと思う。

 みなさんも安すぎる筆、使ってみるのはいかがでしょうか。

 以上、82円の筆の使用体験レポートでした。



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