「もう食べられないよムニャムニャ」って寝言で呟きてェ〜 という願望を持ちはじめてからもうすぐ三度目の春を迎えてしまう。私が寝言で「もう食べられないよムニャムニャ」と言えずダ…
髭は濃くなり頭が薄くなるという、未来。 ドルは高くなり円が安くなるという、現在。 ため息の出るような未来を思うとき、最早吐く息さえ無いような現在が馬乗りになって…
なんだかシャンプーアンドリンスみたいですね。 と吐き捨てることができればこの詰まりそうな呼吸が少しは楽になる気がしていた。渡された名刺の【CEO 兼COO】という重苦…
猫が家に来る幸せな夢を見ては、起床後すぐにそれが夢であったことを自覚し絶望をすることが往々にしてある。 ペット禁止の実家を「ノーキャットノーライフ!」と泣き叫び…
誰にも頷かなくていい。誰にも頷かなくていいのにね。 連日、悪天候の予報が続いていてこれでこそ二月だと思う。 特に気も晴れることがなく、足元も悪く、やがて春を迎え…
相も変わらず 実家はなぜこんなにも重力が大きいのだろうと感心しながらも、リビングのカーペットから右半身が全く剥がれないことに失望している。 つい数日前までずっと…
新入社員「ウィーン(手で開くジェスチャー)ここが予約した居酒屋か〜幹事は緊張するな〜」 店員「あー、いらっしゃいませ」※気怠そうに 新入社員「〇〇株式会社45名で…
遥か昔から我々の周りを飽きもせずにぐるぐると月は回っているわけだが、頭上にくる度に毎度「月が綺麗だおね」と愛する人に伝えている我々もまた滑稽な生き物である。 綺…
寝汗でTシャツを濡らし不快なまま起きる毎日。微熱がずっと続いていたことが分かったのはついこの間のことだった。 連日のように「ゲリラ豪雨」を警告するニュースに辟易…
遠くの方で花火の音がしていた。 昔は地を這ってでも行きたかった祭りが、今は本当に遠い。窓を開けるとおそらく遅れてこちらに届いているであろう花火がひらく音が聞こえ…
七月七日夜、日本の伝統行事「七夕」がやってくる。 織姫と彦星が天の川を渡り年に一度だけ会うことが許される彼らのタイミングに合わせて、各々短冊に願い事を書き記すイ…
梅雨、今週こそは家でゆっくりネトフリをと気合を入れていた週末に限っての快晴。さすれば外に出ざるを得ないこの病的な性格をどうにかしようと是正を試みて久しいが、結局…
祖父の似顔絵を描く時はいつも、タイ米みたいな楕円形から長い毛が一本生えているだけのものだった。 あまりにも辛辣であるが大層喜んでいる祖父を前になんの疑いもなくす…
一年生になったら友達が百人できるらしい。 中学生になったら部活が始まるらしい。 放課後は夕方過ぎに家に帰ることもあるらしい。 高校生になったら学校に自販機があり…
どちらかというと猫にはなってみたいがそこまで熱望するほどではないので、一緒に散歩をしていた後輩の「猫になってそのまま退職したい」という寝言には特に何も答えなかっ…
いつも大変お世話になっております。 表題の件、確認致しました。 チケットご用意いただきありがとうございました。 大変有意義な時間を過ごしました。 以下当日の内容で…
フジコ
2021年1月31日 20:54
「もう食べられないよムニャムニャ」って寝言で呟きてェ〜という願望を持ちはじめてからもうすぐ三度目の春を迎えてしまう。私が寝言で「もう食べられないよムニャムニャ」と言えずダラダラと日々を垂れ流している間にたくさんのいのちが芽生え、やがて絶えていってしまった。外はもうまったく知らない世界だ。ありとあらゆるものの細胞は全て生まれ変わり、そこにあるものは単なる私の記憶でしかない。季節が変わるたびに
2024年7月20日 09:54
髭は濃くなり頭が薄くなるという、未来。ドルは高くなり円が安くなるという、現在。ため息の出るような未来を思うとき、最早吐く息さえ無いような現在が馬乗りになってくる。そんなことを考えている暇があれば1円でも多く貯金をして、1枚でも多く海藻類を摂るべきということはとうに理解しているのだ。我々はできることはやっておくことが、できる。高騰した物価とともに生きていかなければならない。その為に試行錯誤
2024年7月6日 18:42
なんだかシャンプーアンドリンスみたいですね。と吐き捨てることができればこの詰まりそうな呼吸が少しは楽になる気がしていた。渡された名刺の【CEO 兼COO】という重苦しい肩書を眺めていたあの新人時代から数年が経った。あの頃はただ、セオサイクル出身の自転車が脳内を走り回っていただけだった。何もかもありふれすぎたこの時代のなかで縮小しようとする動きも目立ち【シャンプーアンドリンス】はその筆頭を担
2024年3月3日 21:26
猫が家に来る幸せな夢を見ては、起床後すぐにそれが夢であったことを自覚し絶望をすることが往々にしてある。ペット禁止の実家を「ノーキャットノーライフ!」と泣き叫びながら飛び出して久しいが、猫が私の自宅の門を叩く(カリカリと)ことはいまだに無い。近いうちには招き入れようと考えていたが、そんな甘い考えの私を叩き(バチコリと)直すような出来事があった。先日、発送元が中国の小袋包が自宅に届いた。怪しげ
2024年2月25日 19:14
誰にも頷かなくていい。誰にも頷かなくていいのにね。連日、悪天候の予報が続いていてこれでこそ二月だと思う。特に気も晴れることがなく、足元も悪く、やがて春を迎えれば消えていくぼんやりとした倦怠感を抱えたままの重い足取り。イヤホンから流れるその言葉を初めて耳にした学生時代、衝撃で尻餅をつきながら「あいわかった」と爆速で頷いたと同時にこの曲を人生のバイブルにしていく決意をした。そうして何年も
2023年12月31日 18:40
相も変わらず実家はなぜこんなにも重力が大きいのだろうと感心しながらも、リビングのカーペットから右半身が全く剥がれないことに失望している。つい数日前までずっとせわしなくしていて「昔は季節を追っていたはずなのに、今じゃその季節に追いかけられてるのなんでや!つらいねん!はやいねん!」とどうしようもないことにピィピィ喚いていた自分が、今では可愛いまである。たった1週間も経たない内にお前は実家に蔓
2023年11月1日 18:31
新入社員「ウィーン(手で開くジェスチャー)ここが予約した居酒屋か〜幹事は緊張するな〜」店員「あー、いらっしゃいませ」※気怠そうに新入社員「〇〇株式会社45名で予約した△△と申します。絶対頑張ります!」店員「(…やけに張り切ってるな)こちらの部屋へどうぞ」※暗転、宴会場へ新入社員「恩に着ます!ところで下座はどちらでしょうか!」店員「こちらの席だとおもいますが…(?)」新入社員
2023年10月3日 21:07
遥か昔から我々の周りを飽きもせずにぐるぐると月は回っているわけだが、頭上にくる度に毎度「月が綺麗だおね」と愛する人に伝えている我々もまた滑稽な生き物である。綺麗な月を見ると思わずスマホを向けてしまって、それを無性に伝えたくなることがある。何百年前の日本人が月を眺めていたら急にエモくなって歌なんて詠み始めてしまったものだから、現代人のDNAに刻まれてしまっているのだ。それでも写真も動画もない
2023年9月27日 20:11
寝汗でTシャツを濡らし不快なまま起きる毎日。微熱がずっと続いていたことが分かったのはついこの間のことだった。連日のように「ゲリラ豪雨」を警告するニュースに辟易する。もっと違う言い方はないのだろうか。それを彷彿とさせる言葉を目にするだけで、腹痛に苦しむ人間の気持ちを考えたことはあるのだろうか。下腹部が忘れていた痛みを思い出すことのないように、目を瞑り静かに「九段下」の駅を過ぎるのを待っている
2023年7月30日 18:37
遠くの方で花火の音がしていた。昔は地を這ってでも行きたかった祭りが、今は本当に遠い。窓を開けるとおそらく遅れてこちらに届いているであろう花火がひらく音が聞こえてきて、それだけで世間から疎外されているような気分になった。やはり行けばよかったなと思いつつ、駅前でぎゅうぎゅうに詰められ帰宅難民になっている人々の動画をSNS越しに眺めていると今綺麗な状態で干したばかりのシーツに寝っ転がっていることが
2023年7月8日 01:18
七月七日夜、日本の伝統行事「七夕」がやってくる。織姫と彦星が天の川を渡り年に一度だけ会うことが許される彼らのタイミングに合わせて、各々短冊に願い事を書き記すイベントだ。なぜお前たちが?願いを?と彦星たちは思うのだろうが、なんか本当にそうですよね。すみません。そういえば七夕といえば七(ナナ)ばかりですが女優・森七菜さんってモリナナナさんだと普通最初は思いますよね、ねぇ彦星さん。織姫さんにもよろし
2023年6月21日 20:58
梅雨、今週こそは家でゆっくりネトフリをと気合を入れていた週末に限っての快晴。さすれば外に出ざるを得ないこの病的な性格をどうにかしようと是正を試みて久しいが、結局どうにもならずただため息をつきながら玄関を後にする六月が続いている。そもそも気合無しではネトフリで半日すら潰すことのできないほど落ち着きの無い体である。もうすっかり成人した大人として非常に情けなく思う。あとゆっくりネットフリックスという
2023年4月28日 20:56
祖父の似顔絵を描く時はいつも、タイ米みたいな楕円形から長い毛が一本生えているだけのものだった。あまりにも辛辣であるが大層喜んでいる祖父を前になんの疑いもなくすくすくと育ち、彼らの世代はもれなく全ての人間の見た目が同じだと思うようになった。父方の祖父も、母方の祖父ももれなくハゲていたので偏見はやがて確信へと変わっていく。そんな少年は先日また一つ歳を重ね、いよいよ将来のことに頭を悩ませる時期へと
2023年4月9日 11:38
一年生になったら友達が百人できるらしい。中学生になったら部活が始まるらしい。放課後は夕方過ぎに家に帰ることもあるらしい。高校生になったら学校に自販機があり好きな時にジュースが飲めるらしい。寄り道を繰り返した末、カラオケに転がり込んでもいいらしい。大学生になったら基本的に何をしてもいいらしい。ヨッ友という新たなジャンルが確立されるらしい。サークルとやらの顧問にもう大人はいないらしい。
2023年3月8日 20:12
どちらかというと猫にはなってみたいがそこまで熱望するほどではないので、一緒に散歩をしていた後輩の「猫になってそのまま退職したい」という寝言には特に何も答えなかった。暖かくなってきた新宿のはずれのこの場所では耳がギザリと欠けた地域猫の姿をちらほら見かけるようになった。少し足を伸ばせば人々が常に賑わっている喧騒の繁華街だというのに、猫達はゆったりとくつろいでいる。ここに住む彼らの足は本当に短い。
2023年2月5日 17:10
いつも大変お世話になっております。表題の件、確認致しました。チケットご用意いただきありがとうございました。大変有意義な時間を過ごしました。以下当日の内容でございます。お手隙の際ご確認いただけますと幸いでございます。—————————————————————————-近すぎて申し訳ない。近すぎて申し訳ない。隣にいる後輩に向かって私は二度伝えた。その後輩はまさか自分が当てた