電気犬

中二病なSFショートショートを執筆しています。

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人類最後の救世主|SFショートショート

「ついに、完成した・・・」 「やりましたね!教授!」 ついに・・・ 人間が『死』から解放される時が来た。 私達の研究チームは、人間の脳と量子コンピューターをつな…

電気犬
3年前
15

シミの住人|SFショートショート

ある人間の食べ物の液が一滴、その者の服に落下した。 それが世界の始まりだった。 その液体は服の布に染み込み、繊維の一本一本にまで浸透していく。 そこにある時、細菌…

電気犬
2年前
31

リバースエンジニアリング|SFショートショート

森の方で大きな衝撃音が鳴り響いた。 私はそれに気付き、その場所へすぐに向かった。 酷い・・・。 辺り一帯から漂うものすごい熱と煙。 何も見えない。直感的に近寄る…

電気犬
3年前
10

僕が変えられるもの|SFショートショート

「こんなの残酷すぎる...!」 僕は拳を机に叩き付けた。 「何のためにここまで...」 今までの事が走馬灯のように頭を駆け巡ってきた。 ーーー 子どもの頃の自分。 内…

電気犬
3年前
10

勇敢な猿|SFショートショート

薄暗い地下通路。 聞こえるのは俺たちが歩く足音だけだ。 「マッキー、大丈夫だ。もうここまで来れば」 「ありがとうユキハル。僕なんかの為にこんな事になっちゃって...…

電気犬
3年前
14

三人で撮った写真|SFショートショート

彼、彼の親友、彼女。 彼らは仲良し三人組。 いつも一緒にいた。 いつの日からか、彼は彼女に恋愛感情を抱くようになった。 彼は思い立ったらすぐ行動する男。 彼女に告…

電気犬
3年前
25

電気犬は飼い主の夢を見るか?|SFショートショート

駅前の広場で犬が一匹座っている。 彼の名前は『パチ』。 よくいる『電気犬』だ。 彼は飼い主が帰ってくるのを毎日こうして待っている。 パチは待っている間、電力消費…

電気犬
3年前
14

冷たいストーブ|SFショートショート

我が家は寒い。 なぜなら冷たいストーブがあるからだ。 冷たいストーブとは、言葉通り冷たい風が出てくるストーブのことだ。 なんでそんな物を置いているのか、と思うか…

電気犬
3年前
15

桜の星|SFショートショート

今年も、この星の『桜』を見れて良かった。 最後にこの目で...。 「バッファロー、体の具合はどうだい?」 「ありがとう、ジェニー。  今日はすこぶる調子が良いよ。こ…

電気犬
3年前
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人類最後の救世主|SFショートショート

人類最後の救世主|SFショートショート

「ついに、完成した・・・」

「やりましたね!教授!」

ついに・・・

人間が『死』から解放される時が来た。

私達の研究チームは、人間の脳と量子コンピューターをつなぎ、人間の『記憶』『人格』の全てをコンピューターへ転送する事を可能にした。

転送された者はコンピューターの中に形成されたVR(バーチャルリアリティ:仮想現実)世界の中で生活し、永遠に生きる事ができるようになる。

全ての人から『怪

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シミの住人|SFショートショート

シミの住人|SFショートショート

ある人間の食べ物の液が一滴、その者の服に落下した。
それが世界の始まりだった。

その液体は服の布に染み込み、繊維の一本一本にまで浸透していく。
そこにある時、細菌が一つ、外界から飛来してきた。
細菌にとってその栄養価の高い液体の中がとても居心地が良く、その中に留まる事とした。
その場の栄養を使い、細菌は順調に個体数を増やしていった。何も考える力はなく、個体を増やす事のみに専念していく。

そうし

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リバースエンジニアリング|SFショートショート

リバースエンジニアリング|SFショートショート

森の方で大きな衝撃音が鳴り響いた。

私はそれに気付き、その場所へすぐに向かった。

酷い・・・。

辺り一帯から漂うものすごい熱と煙。

何も見えない。直感的に近寄るのは危険だと感じる。

隕石でも墜落したのだろうか?

風が強くなり煙が晴れる瞬間があった。

おぼろげながらもそこにあった物体の輪郭が浮かび上がってくる。

「これは・・・!」

そこにあったものは "ピラミッド" のような形をし

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僕が変えられるもの|SFショートショート

僕が変えられるもの|SFショートショート

「こんなの残酷すぎる...!」

僕は拳を机に叩き付けた。

「何のためにここまで...」

今までの事が走馬灯のように頭を駆け巡ってきた。

ーーー

子どもの頃の自分。

内気で友達も居なかった。

既に人生に絶望していた。

そんな時 あの子が現れた。

あの子の笑顔は太陽みたいだった。

あの子を見ているだけで幸せだった。

あの子の側に居られたら 他に何もいらなかった。

そして...

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勇敢な猿|SFショートショート

勇敢な猿|SFショートショート

薄暗い地下通路。
聞こえるのは俺たちが歩く足音だけだ。

「マッキー、大丈夫だ。もうここまで来れば」

「ありがとうユキハル。僕なんかの為にこんな事になっちゃって...」

「いいんだよ。何もかも、あいつらのせい。
 俺たちをここまで騙しやがって...」

俺はとある研究所の研究員。
下っ端も下っ端だ。
しかしこの国の未来を左右する研究に携われて、ここまで誇りを持って研究をしてきた。

そしてこい

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三人で撮った写真|SFショートショート

三人で撮った写真|SFショートショート

彼、彼の親友、彼女。

彼らは仲良し三人組。
いつも一緒にいた。

いつの日からか、彼は彼女に恋愛感情を抱くようになった。

彼は思い立ったらすぐ行動する男。
彼女に告白をした。

彼女ははじめ、戸惑いを感じながらも彼を受け入れた。

彼の親友は二人を心から祝福する。

二人が付き合い始めてしばらくした後、彼は子どもの頃からの夢であった『宇宙飛行士』になった。

恋人である彼女と彼の親友に支えられ

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電気犬は飼い主の夢を見るか?|SFショートショート

電気犬は飼い主の夢を見るか?|SFショートショート

駅前の広場で犬が一匹座っている。

彼の名前は『パチ』。

よくいる『電気犬』だ。

彼は飼い主が帰ってくるのを毎日こうして待っている。

パチは待っている間、電力消費を抑えるため『待機モード』になり一切動かなくなる。

今日も、いつもと同じ時間に飼い主が帰ってきた。

パチは『活動モード』に切り替わり、立ち上がる。

飼い主を見上げ、得意げな顔をしながらシッポを振る。

「今日もいい子にしてたか

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冷たいストーブ|SFショートショート

冷たいストーブ|SFショートショート

我が家は寒い。
なぜなら冷たいストーブがあるからだ。

冷たいストーブとは、言葉通り冷たい風が出てくるストーブのことだ。

なんでそんな物を置いているのか、と思うかもしれない。

実はこのストーブ、貧困層向けに開発された商品で、「熱を送る機能」がある。

仕組みはこうだ。
 ①冷たいストーブを起動すると、そのストーブが置いてある部屋の熱が奪われる
 ②奪われた熱は、メーカーが用意した工場のような所

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桜の星|SFショートショート

桜の星|SFショートショート

今年も、この星の『桜』を見れて良かった。

最後にこの目で...。

「バッファロー、体の具合はどうだい?」

「ありがとう、ジェニー。
 今日はすこぶる調子が良いよ。この体で地球に来れるのは最後だからな...。しっかり目に焼き付けておかないと」

「...大丈夫さ。
 今の『ブレインストール技術』はすごく進んでるから、映像だって肉眼で見るより鮮明だ。
 それに...体の動きだって『換装体』を使用

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