マガジンのカバー画像

好きな記事(詩)1

1,822
感じ入ったもの。 珠玉(主観)
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

石

石はえらい

ずっとそこに座ってる

雪を頭にのせて

冬の移ろいを見守ってる

深い谷のように静かで

誰のことも傷つけない

誰にも見られてない石

でも、そっと寄り添いたい石

静かな心で触れれば

静かに伝わる大地の鼓動

石はいつもあるがまま

森の雫

森の雫

樹木たちは雪を抱え

静かに立っている

冬の日は

森を優しく照らし

樹木の枝から

いくつもの雫が落ちる

耳を澄ませば

大地のあちこちから

雫の落ちる音が響く

泡のように

浮かんでは

消えてゆく雫の音たち

目を閉じてみれば

まるで星屑たちの煌めき

小さな銀河の流れ

冬の森もまた

生きている

その命を静かに感じてみる

時を映す
鮮やかな花弁

湖底に眠る
物言わぬ二枚貝

天空に煌めく
翔ける新星

夢幻の中に
探している

対の魂

〖作詞〗『 霞草 』

〖作詞〗『 霞草 』

『霞草』
作詞 : S0U

人気なあの子は 黄色のヒマワリ
美麗な彼女は 赤いバラ
自分を好きな 桃のユリ

一輪 その場に居るだけで
景色を変える 華々は
綺麗だけど どこか苦手で

小さく 素朴なカスミソウ
清なる無邪気な その花は
少し後ろに 下がってる
そんな健気な 後ろ姿
僕は何だか 愛おしい

心美し 彼女はサクラ
友達思いな あの子はミモザ
礼儀を忘れ

もっとみる
朗らかさ

朗らかさ

朗らかさは
天まで
突き抜ける
青さ

喜怒哀楽感じる
我が身が
愛しくて
愛しくて

「終わりは始まり~放つものが射抜く」

「終わりは始まり~放つものが射抜く」

終わりは始まり
終わりは始まり

御使いたちは運ぶ
天空のルートをたどって
インスピレーションの花束

次の始まりを待つものに

届ける

安らかさを求めすぎると毒になる
働きがすぎると石になる
螺旋を描いて
降りるものが歌う

急ぎすぎると凶器になる
遅すぎると塵(ちり)になる
残像を生んで
踊るものが語る

逆らいすぎると捕われになる
従いすぎると囚われになる
またばきを忘れて
放つものが射抜

もっとみる
「今日 あなたは あの人のために 愛の思いを 捧げられましたか」

「今日 あなたは あの人のために 愛の思いを 捧げられましたか」

今日
あなたは
あの子のために
愛の思いを
持ちましたか

今日
あなたは
あの人のために
愛の思いを
捧げられましたか

見返りを求めずに
結果を恐れずに

それができずに
苦しんでいませんか

かえって傷つかせてしまった失敗を
思い出してしまっていませんか

見返りを求めずに
結果を恐れずに

重たい空気がいっぱいの部屋のように

人生が止まっていませんか

そのままではダメなことがわかってい

もっとみる
ふぁすたぼぉ

ふぁすたぼぉ

気づけば冬休みのはじまり
朝早く目が覚めてしまったので
珈琲を求めて外へ出る

世界は朝と夜の交代作業に入っていた
西の地平線では山が緑色を取り戻し
ぼやけた鴇色が空の終着点を染めている

コンビニでは既に早起きの達人たちが
買い物カゴを持ってゆっくり動き回ったり
どこかに送る大きな荷物をレジに並べていた

店内を一周しながら珈琲のカップと
軽食を適当に選びレジへと持っていく
特段いつもと変わらぬ

もっとみる
本当にやりたいことは何か

本当にやりたいことは何か

心の中のリトルゴミグズに問いかけてみると、
やはり自分は
基準は分からないけれど、
良い詩を
良い芸術を
創って
この世を去りたいなあと思う
そしたら悔いなく死ねる気がする
諸行無常で
たくさんの不条理なこと
たくさんの悲しいことが
あるのが
世の常だけど
そんな中でも
この世界は素晴らしいものだって
思いたいし 讃えたい

あと10年くらい、毎日
拙い詩のようなものを書き続ければ
きっと何か世の

もっとみる
今この時

今この時

ひだまりに
今この時が
ゆらめいて

ひだまりに
今この時が
降り積もる

宇宙の心は
愛の手のひら

なんでも
受け入れてくれるけど

ある日

ぶるるっと
宇宙が
クシャミをするのなら

命は
ふるい落とされ

世界は
刷新される

今この時は
二度と戻らない

23日の森。

冬至から、たった二日ばかり過ぎた日の森は、妙に朗らかで親しげでした。

今日は、わたしの体が温かいのかな。朝の氣温は

もっとみる
先生 ~「カギロイの午後」より~

先生 ~「カギロイの午後」より~

最近
めっきり減ってしまった
先生と呼ばれる人たち

と言ってもこれは
肩書きの話ではない。

知識を与えてくれる先生  教師

病を癒やしてくれる先生  医師

心を育ててくれる先生   自然

一体何の先生なのか
さっぱり分からない先生  政治家

こういう類いの先生なら
今でもたくさんいるだろう

そう、良くも悪くも。

元来、
先生と呼ばれる人たちは
総じて物知りだ

しかし

どの先生に

もっとみる
冬の森

冬の森

見上げた杉

その瞬間に

杉の枝から

雪が落ちた

流れ落ちる

雪の音

そして見上げれば

やはり杉は杉

雪の手のひら

雪の手のひら

小さな雪の粒

空から舞い降りては

森に積もってゆく

でも私の手のひらに

落ちた雪は

静かに消えてゆく

どうして雪は消える

それは私が生きているから

命を感じた瞬間

手のひらを見つめて

大きな幸せ

大きな幸せ

大地に雪は積もるけど

川に落ちた雪は消えゆく

でも、川の中の石には

雪がどっしり積もってた

白い帽子みたい

わたあめみたい

マシュマロみたい

寒い風は吹くけれど

私の心は

ほっこり温かくなる

自然を見る楽しみ

ささやかな幸せは

本当は大きな幸せ