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斜陽の邦で転がる日々は、あぶく。

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斜陽の邦で転がる日々は、あぶく。

記事一覧

「できそう」という感覚を奪うのは、今時とても罪深いことなのだろう

前回の投稿に続き。  若手育成において「できそう」という感覚を失わせてしまうことは、今時とても罪深いことなのだろうと思っている。なぜなら、できそうという感覚を奪…

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6か月前

それでも、いい子はやめられないようだ

 怒涛のイベントシーズンを終えて、ようやく落ち着いた生活に戻った。イベントの会期中、若手の子がダウンしてしまい、その様子を見てふと思ったことがあったので書き残し…

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7か月前

もう、青春なんてないだろう

 数年前、よく聞いていた曲がいくつかある。毎晩11時半くらいまで仕事して、湾岸沿いの職場から自宅まで帰るときに聞いていた曲。現場作業で、港湾エリアから深夜帰るとき…

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9か月前
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自分を取り戻すとは、いったい何を取り戻すというのか。

 ふと目に入った「自分を取り戻す」という広告文。一体、何を取り戻すというのだろうか。”やりたいこと”をして、今抱える問題から解放され、自分らしい生活を目指そう、…

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1年前
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出稼ぎ外国人は、責任が理解できなかった

 最近知人が、外国人の技能実習生を支援する事業をはじめた。聞くところによれば、アジア諸国から来日した実習生は、実習先の企業でいじめにあったり金銭トラブルを抱えた…

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1年前
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現代社会における「〇〇力」の表現は成長の視野を狭めているのではないか

 「〇〇力」という言葉を、よく目にするようになった。昔から使われている表現なので、全く新しい表現というわけではない。一方で、昨今の「〇〇力」表現にはどこか、不健…

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2年前
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解題「責任を学べる場所にいた方がいい」という話

 先日のこと。自分の元指導教官が学生に「アドバイスがあるとすれば、外に出れるタイミングで外に出たほうが良い」と言っていた。その学生に、後で個人的に「アドバイスが…

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2年前
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HSPと加害者になりたくない人達

 先月、Kindle Unlimitedでイルセ・サン著のHSP本が追加されていたのに気づき、ダウンロードして読んでみた。”敏感な人”(Highly Sensitive Person)について解説が書か…

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3年前
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クリエイティブ界隈の労働倫理と生産性について

先日、このようなツイートがTLに流れてきた。  昨年、クリエイティブ関係の仕事に参加した。徹夜も休日稼働もある現場だったが、その現場では誰も「徹夜しててでも良いも…

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3年前

千葉先生のエッセイを読んで

昨年のメモやツイート・ブログ・飲み会話を省みると「もちろん言い切れないんだけど」「すべてがすべて、そういうわけじゃないけど」と言う機会が増えたと思う。 例えば、…

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3年前
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「できそう」という感覚を奪うのは、今時とても罪深いことなのだろう

「できそう」という感覚を奪うのは、今時とても罪深いことなのだろう

前回の投稿に続き。

 若手育成において「できそう」という感覚を失わせてしまうことは、今時とても罪深いことなのだろうと思っている。なぜなら、できそうという感覚を奪うことは、当人の成長の機会や労働の動機を奪うことであり、さらに、労働の動機付けや成長の管理までもがチームマネジメントに求められるようになってしまったからだ。

 「できそう」という感覚や伸びしろ、遊びしろがあるからこそ、期待を抱きながら目

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それでも、いい子はやめられないようだ

それでも、いい子はやめられないようだ

 怒涛のイベントシーズンを終えて、ようやく落ち着いた生活に戻った。イベントの会期中、若手の子がダウンしてしまい、その様子を見てふと思ったことがあったので書き残しておく。

 最近入ったZ世代くらいの若手社員がいる。イベント要員として採用され、海外のチームと準備を進めていたが、業務が手に負えず会期中ずっと体調を崩し、全日欠勤してしまった。

 体調を崩しても、この子はいい子だった。会期中、関係者への

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もう、青春なんてないだろう

もう、青春なんてないだろう

 数年前、よく聞いていた曲がいくつかある。毎晩11時半くらいまで仕事して、湾岸沿いの職場から自宅まで帰るときに聞いていた曲。現場作業で、港湾エリアから深夜帰るときに聞いていた曲。仕事の効率や価値よりも、作業に打ち込むことを楽しんでいた数年前。それぞれ、聴けば当時を思い出して、その時の心情に思いを馳せることができた。

 ところが先日、iTunesのシャッフル再生でその曲が流れてきたとき、自分の身体

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自分を取り戻すとは、いったい何を取り戻すというのか。

自分を取り戻すとは、いったい何を取り戻すというのか。

 ふと目に入った「自分を取り戻す」という広告文。一体、何を取り戻すというのだろうか。”やりたいこと”をして、今抱える問題から解放され、自分らしい生活を目指そう、そのためにこちらの商品!という広告の設計意図は想像できるが、それはさておき。この「自分を取り戻す」というのは、耳障りの良さが全面に出ており、出オチ感がある。

 とはいいつつも振り返ると自分も確かに、昔の”自分を取り戻し”たような感覚を得た

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出稼ぎ外国人は、責任が理解できなかった

出稼ぎ外国人は、責任が理解できなかった

 最近知人が、外国人の技能実習生を支援する事業をはじめた。聞くところによれば、アジア諸国から来日した実習生は、実習先の企業でいじめにあったり金銭トラブルを抱えたりと、様々な問題を抱えるらしい。この話を思い出すような、外国人に関する出来事が最近自分の周りでも生じた。記憶に新しいうちに、自分が感じたことを書き残そう。

 要するに、迷惑な外国人の元同僚の話。彼は中央アジア出身で、日本の四年制大学を卒業

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現代社会における「〇〇力」の表現は成長の視野を狭めているのではないか

現代社会における「〇〇力」の表現は成長の視野を狭めているのではないか

 「〇〇力」という言葉を、よく目にするようになった。昔から使われている表現なので、全く新しい表現というわけではない。一方で、昨今の「〇〇力」表現にはどこか、不健全さや社会の余裕のなさが感じ取れる。そんな「力」の表現についての雑考を書き留めておく。

 「〇〇力」という表現は、受けてに対し「問題を解決する手段」という印象を与える。少なくとも、この記事の対象である「〇〇力」という表現は、問題を解決する

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解題「責任を学べる場所にいた方がいい」という話

解題「責任を学べる場所にいた方がいい」という話

 先日のこと。自分の元指導教官が学生に「アドバイスがあるとすれば、外に出れるタイミングで外に出たほうが良い」と言っていた。その学生に、後で個人的に「アドバイスがあるとすれば、責任を学べる場所にいたほうが良い」と伝えた。いずれも、学生のキャリア相談を受けた時の話である。

 実は、自分の発言は、当の学生の未熟さを指摘したものではなく、さらに本人のみに特別発言したわけではない。周りに居合わせた学生に対

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HSPと加害者になりたくない人達

HSPと加害者になりたくない人達

 先月、Kindle Unlimitedでイルセ・サン著のHSP本が追加されていたのに気づき、ダウンロードして読んでみた。”敏感な人”(Highly Sensitive Person)について解説が書かれており、半日もあれば読み切れる量だった。読後の感想と、最近の関心ごとについて書いておこうと思う。

 著書の内容をざっくり言えば、”すごい敏感な人”の解説。この「敏感」というのが多様で、物理的な刺

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クリエイティブ界隈の労働倫理と生産性について

クリエイティブ界隈の労働倫理と生産性について

先日、このようなツイートがTLに流れてきた。

 昨年、クリエイティブ関係の仕事に参加した。徹夜も休日稼働もある現場だったが、その現場では誰も「徹夜しててでも良いものつくります!」と明言していたわけではない。しかし、実際の言動がそう語っていたのは事実だった。そういう人々と一緒に働いた体験から、このツイートに書かれているようなカルチャーが存在することは、どこか納得できてしまう。

 このツイートでは

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千葉先生のエッセイを読んで

千葉先生のエッセイを読んで

昨年のメモやツイート・ブログ・飲み会話を省みると「もちろん言い切れないんだけど」「すべてがすべて、そういうわけじゃないけど」と言う機会が増えたと思う。

例えば、会社で大学生の傾向について聞かれた時。大学の後輩から、就活について聞かれた時。アカデミアと企業の違いについて会話する時。一つの傾向や解釈を伝えるときに「みんながみんな、そうとは言えないんですが」と添えて説明することが多かった。

一方で、

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