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旅のこと
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出雲旅日記

出雲旅日記

ご縁あって3月末、出雲へ行ってきました。

「 朋有り、遠方より来たる、 亦楽しからずや(遠いところから、志を同じくする友人がわざわざ訪ねて来てくれるのは、なんと楽しいことだろう)」

目的は出雲の地で医師になるため勉強中の友人に会うこと、

2年以上離れ離れのパートナーが日本に入国できるよう出雲大社に願掛けすることでした。

一泊二日でしたが目的がシンプルだったため、久しぶりに心から愉しいと思え

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やわらかい島、淡路島

やわらかい島、淡路島

漁港でぼーっとしたいな、と思いつきで決めた淡路島旅。

行ってみると、日の光と、人の雰囲気がやわらかい島でした。

温泉が有名なだけに無料の足湯があったり、淡路島牛乳で作られたジェラートがおいしかったり、休暇と言いつつ書店でガサガサと次に読む本を漁っていたりする私のような人間を完全停止させ、呼吸をゆっくりさせる力を持っていました。

たまねぎ。牛乳。温泉。

名物を並べてみても、なんだか平和です。

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通りすぎていく旅人へ

通りすぎていく旅人へ

少し前のこと。

島根に住む友人から研修で関西に来るので、京都のおすすめスポットを教えて欲しいと連絡があった。

向こうは研修で忙しく、コロナ禍ということもあり気軽に会おうとはならなかった。

本好きな友人で、京都の一乗寺書店に行くことだけは心に決めているようだったので、本が読めるオススメのカフェと、ちょっとお節介かなと思ったものの最近読んで面白かった本の情報を送った。

数時間後、私オススメのカ

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旅する胃袋

旅する胃袋

あの日私は美しいピレネー山脈を眺めながら、

「ああうどんが食べたい。

昆布と鰹の出汁が効いたうどんが食べたい...」

と切望していた。

目の前にはアルプスの少女ハイジのロケ地に使われそうな美しい山と高原が広がり、頭上には青い空。隣では同じタイミングで休暇を取ってくれたパートナーが優しく微笑んでいた。

こんな絵に描いたような世界にいるというのに、なぜ私は今よりによってうどんが食べたいんだ.

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過去の旅日記・ポーランド編

過去の旅日記・ポーランド編

なかなか海外旅行できない昨今なので、旅行記を読んで想像を膨らませるのが楽しいかもしれません。
ふと思い出して自分の過去のブログを検索してみたところ、2014年(!)の旅日記が出てきたので、需要あるかわかりませんがこちらにリンク貼っておきます。

今の旅はどうしても快適さ重視になってきてるけれど、バックパッカーで一泊1000円とかのドミトリーに泊まって知らない人と部屋を共にしていたあの頃が一番純粋に

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Now you have a story.

Now you have a story.

何度か書いたけれど私はロンドンが大好きで、スペインに住んでいたときもよくロンドンに逃亡していた。

人が列に並ぶなどマナー面がバルセロナよりきっちりしているのと、話し声が静かである(叫ぶような大声で話していない)ことにホッとしたし、世界レベルの国際都市でビジネスの中心地であることから、バルセロナにはない独特のキビキビ感があり、多国籍の人に囲まれて「外国人」であることを意識しないでいられるのが本当に

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一時停止

一時停止

「ここは誰かと行きたい」という場所と、「ここは一人で行きたい」という場所があって、私にとってチェコという国は後者だった。

チェコ。

絵本やビールは有名だけど、あまり外に開かれていない神秘的な小国のイメージがあって、どうしても自分のペースでゆっくり回ってみたかった。

しかし実際に行ってみると皆流暢に英語を話すし、観光客慣れした様子で、なんだか拍子抜けしてしまった。

有名な世界遺産のからくり時

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あの空港の名前も知らないお姉さんにお礼を言いたい

あの空港の名前も知らないお姉さんにお礼を言いたい

2020年1月下旬、Beforeコロナということもあってもう1年以上前のことに感じるけれど、私はスペインから日本へ向かうところだった。

バルセロナから乗り継ぎ地点のスキポール空港までは順調な旅だった。ところがスキポール空港から関空行きの便で整備作業が発生し、2時間半も空港で待ちぼうけ状態になってしまった。

ちょうどお昼時だったため空腹だった私は何か買わなければ、、、と空港内をうろうろしていた。

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