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ジョルジュ・スーラ / メトロポリタン美術館
通りすぎていく旅人へ
少し前のこと。
島根に住む友人から研修で関西に来るので、京都のおすすめスポットを教えて欲しいと連絡があった。
向こうは研修で忙しく、コロナ禍ということもあり気軽に会おうとはならなかった。
本好きな友人で、京都の一乗寺書店に行くことだけは心に決めているようだったので、本が読めるオススメのカフェと、ちょっとお節介かなと思ったものの最近読んで面白かった本の情報を送った。
数時間後、私オススメのカフェで私オススメの本を読み終えた友人から、「穏やかな時間をありがとうございました」と連絡があった。
他人の旅をプロデュースしてしまったようで気恥ずかしかったけれど、その瞬間のその人に必要な情報を与えられたことが嬉しく、実際には会わなかったからこそ純度の高い交流ができた気がした。
実は昔、会ったこともない母の友人の娘さんのために、毎年本を選んで送るということをしていた。
今でいう絵本ソムリエのようなことをナチュラルに行っていたのだと思う。ある日お礼の手紙が送られてきて、「今の自分にぴったりの内容だった」というような言葉が書かれていて嬉しかった。
だいぶ偏っていて変な本だったのだけど、たぶんもともと気が合う子だったのだろう。
会わないからこそ、内容が全てになって、誤魔化しが効かないからこそ、本物で、嬉しいと魂から嬉しくなる。
面白いなあと思う。
これからも人生で出会い通り過ぎていく様々な人たちをいい時間で包んで、背中を押して送り出すようなことがやりたいなあと思う。
だいぶ抽象的だけれど、最近考えていたことです。
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