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私の心です。
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#子ども

君たちが豊かであることを

君たちが豊かであることを

仕事やらなんやらで早起きの日が続いていたので、何もない日曜の朝も気持ちよく目が覚めた。

忙しさにかまけて雑然とした部屋。いいや、日曜があるからと放っておいた。ついに25℃まで下がった気温、ふいに吹く風が冷たい。昨日の半袖は秋の日差しの真ん中で揺れる。このコーヒーを飲み終えたら掃除機かけよう。

好きでやっていることの最中に苦手な作業があったり、できればやりたくなかったけれど手を進めれば意外とスム

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夏、私たちの結び目

夏、私たちの結び目

普段から一緒にご飯を食べているたくさんの子どもたちと、夏の思い出を作ってきた。遊んで動いて喋ってひたすらに濃い時間、無尽蔵の体力を持つ子どもと違って私たちはへとへと。それでも余りあるほど楽しかったね。振り返ったときにやりとしてしまうような記憶になっていたらいいな。

家に帰って荷解きをし、アイスコーヒーで一息。気がついたら眠ってしまっていた。さらに深いところまで落ちていく前になんとか起き出し、ご褒

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そう思える私が嬉しくて

そう思える私が嬉しくて

いいお天気だから、君と一緒にいたいと思った。
冷え込んだ数日を思い出せなくなるほどに柔らかな温度で、上着に袖を通さず、電車を待っている。こんな日の幸せを、いちばんに君に伝えたいと思ったよ。



子どもたちに「わたしの好きなものはなんでしょうクイズ」を出された。好きなお菓子はなんでしょう、好きな番組はなんでしょう、好きな色はなんでしょう。チョコ?グミ?ポテチかなあ。ちがーう!せいかーい。いっぱい

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ほどけた心のそばにいる

ほどけた心のそばにいる

「私のことばと想いがきちんと届く」
そう安心できる相手がいることは、なんて嬉しいものだろう。

好きな映画の話をしたときに興味を持ってくれること。お気に入りのお菓子をおすすめしたら一緒に買いに行ってくれること。自分の世界を広げたいからと私の趣味に乗っかってくれること。譲れない想いや軸を互いに伝え合えること、そしてそこに共鳴できること。苦手や弱さや恥をそのまま見せられること。

「ことばと想いが届く

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ぜんぶぜんぶ包んであげたいよ

ぜんぶぜんぶ包んであげたいよ

膝に座ってきて降りない子、してもしてもだっこをせがむ子、一緒にいてと手を引く子。何度でも、そんな子たちによく出会う。下は3歳、上は20歳。

何か他にやることがあったり、身体的に厳しいと感じたりしたときには、私はそれを普通に断る。「だっこ今しないよ」「これしてる間はできないよ」一緒の時間を過ごすからこそ、きちんと受け止めてあげられる余裕がない時には無理をしないようにしている。

この子たちの不思議

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「愛し方」に権利などない

知人と、そのお子さんたちと一緒にいた日のこと。

一緒に用事をこなしたあと、お世話になっている方々のところへ少しだけ顔を出すことになった。夕方に差し掛かった時間帯で、子どもたちは少々お疲れ気味。私と知人はそれぞれひとりを腕にかかえて、その人たちのところへ向かった。

「お世話になっている」とはいえ間接的なつながりしかなく、私たちにとってはその場のほとんどが初対面だった。皆さん明るい人ばかり。にこに

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だいじょうぶ、をあげるよ

だいじょうぶ、をあげるよ

年末の足音がする。確実に聞こえてきている。もういくつ寝ると、と言うには少し早い。それでも間違いなく今年は終わろうとしている。

このままでは冷静に新年を迎えられない…と、昨年末の私は思っていた。末も末、残すところ2020年は片手指分の日数しかない、というときのこと。折り合いをつけてなんとか向き合っていたある事柄を、近しい人が土足で踏み抜いていくような出来事があった。忘れられない。ひとり布団の中で声

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いま私にできること

いま私にできること

私の胸の裡、頭の中、心の器。
そのほとんどが、社会と、そこに翻弄される子どもたちのことで埋め尽くされている。

心を投じすぎるとしんどくなるのはわかっていた。仕事ですら感情移入しすぎるタイプなのでなおさら。距離をどのようにとって、どう向き合っていくかは考えているつもりだった。

いろいろなケースに出会って、胸が毎日揺さぶられる。歯痒くてもどかしい。悲しい。でも一体化するような苦しさは感じていない。

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このあたたかさを、なんと呼ぶ

このあたたかさを、なんと呼ぶ

子どもと山ほど過ごすうちに、子どものそばにいるのが当たり前の人たちと過ごすうちに、特定の固執を抜きにした「ひろーい愛」みたいなものの中を漂うようになった気がする。

家族、恋人、先生と生徒、友だち、同僚、そういう枠組みで固定されていない空間。一緒にいるみんなのことを、どんな肩書きで呼べばいいかわからない。せいぜい"仲間"だと思うけれど、嵌め込みたくない気持ちが先に来る。名前をつけたら寂しくなる。

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余白を愛していきていく

余白を愛していきていく

木に咲く花を撮る習慣がある。土から生える可愛らしい花も愛おしいけれど、木は命そのものっぽいから好きなのだと思う。良い写真が撮れるわけでもないけれど、ときめくとすぐにiPhoneのカメラを起動してしまう。

陽の光を浴びて歩くとき、ぬるい向かい風に包まれる時、駅近くの階段を登るとき、私は日々を慈しんでいることを実感する。
先日「忙しそうな人をやっている」ということを書いたが、それもこれも、余白を愛し

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