びゃくさい

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心理学を重視した小説や記事を書いてます。 youtubeでも白犀(びゃくさい)で活動中。 E-mail : info@byakusai.com

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記事一覧

固定された記事

音のない叫び 【ミステリー小説】通読目安:2時間

第一章:火葬場跡にて -1- 「よし、着いたぞ」 光川隆一(みつかわ りゅういち)は、好奇心を抑えきれないといった顔で言った。 ローカルな心霊スポットを紹介する。 大…

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「今、ここ」に意識を。泣いてもいい、大事なのは行動と止めないことだ

■感情を否定せず、受け入れる 安倍晋三元首相の訃報で、思った以上に多くの人がショックを受けているようで、僕もその一人です。 今回の件に限らず、ショックな出来事が…

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安倍晋三元首相の訃報を受けて思うことと犯人の動機

7/8、11:30頃、奈良で街頭演説をしていた安倍晋三元首相が撃たれ、17:03に亡くなった。 驚きとともにショックである。日本を良くするために尽力され、大手メディアの言い…

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陰謀論を敬遠する私たちは、本当に健全な思考をもっているといえるのだろうか

※ウクライナ情勢についても、陰謀論みたいなものが出ているようなので、陰謀論について書いてみました。 --------------------------------- 陰謀論といえば怪しいイメー…

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期限一週間の願い事 第9話(最終話) 結末(全9話)【小説】

第9話(最終話) 結末 最後の願いを叶えられる日の朝、斎賀は、ビジネスホテルで目を覚ました。 時刻は、午前7時。 ゆっくりと出勤の準備をして、8時過ぎには会社に着…

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期限一週間の願い事 第8話 選択(全9話)【小説】

第8話 選択 「内野社長、どちらに……?」 夜。 会社を出て行こうとする内野に、常務取締役の山中が言った。 昼間判明した問題に対処するために、役員が集まって話をし…

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期限一週間の願い事 第7話 問われるもの(全9話)【小説】

第7話 問われるもの 斎賀は、頭を抱えていた。 前社長の不祥事で失った、会社の信頼を取り戻すために奮闘している中、まったく予想もしなかった問題が発覚した。それは…

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期限一週間の願い事 第6話 ギャップ(全9話)【小説】

第6話 ギャップ 斎賀は、何となくスッキリしなかった。 社長としての業務に追われていると、他のことを考える余裕もなくなるが、モヤモヤとしたものはずっと心の中に残…

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期限一週間の願い事 第5話 変わりゆく日常(全9話)【小説】

第5話 変わりゆく日常 「社長、おはようございます」 仕立てたばかりのスーツを身に着け、ミリアルに行くと、入り口で三人の男が頭を下げてきた。 「あ、おはようござ…

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期限一週間の願い事 第4話 もう一つの興味(全9話)【小説】

第4話 もう一つの興味 BARファータスに着くと、斎賀は待ち合わせですと言って、テーブル席に座った。 店員は快く対応してくれ、少し嬉しくなった。昨日の服装で、一人で…

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期限一週間の願い事 第3話 変化(全9話)【小説】

第3話 変化 3億円を手に入れた翌日。 斎賀は朝7時に目を覚ますと、髭を剃って、髪をセットし、出かける準備を整えた。 朝がこんなに清々しいのは久しぶりで、昨日ま…

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期限一週間の願い事 第2話 ある紳士(全9話)【小説】

第2話 ある紳士 自分の気分が暗いときは、同じ景色でも違って見える。 斎賀慎は、夜の街を歩きながら、何とも言えない居心地の悪さを感じた。自分だけモノクロの存在の…

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期限一週間の願い事 第1話 二人の男(全9話)【小説】

第1話 二人の男 斎賀慎(さいが まこと)は、疲れ切っていた。 会社を辞めて二ヶ月。 今のところ、貯金で生活できているが、まだ次の仕事は決まっていない。 探す気力…

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鬼滅の刃はなぜ人を魅了するのか?(ネタバレあり)

<見出し一覧> ◉王道ながら、心を揺さぶるストーリー ◉主人公の目的の明確化と共感 ◉ストーリー展開は早い? 物語のテンポとリズム ◉疲れさせず飽きさせず ストーリ…

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一杯のコーヒーに秘められたもの カフェ・エモ・エスプレッソ~バックストーリー~

-1- 転落 日本でコーヒーが一般に飲まれるようになってから、約150年。 今や、コーヒーは私達の生活になくてはならないものになり、様々チェーン店がしのぎを削っている…

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赤い部屋【白犀執筆作品/小説/ホラー/ミステリー】

-1- 「はぁ…… はぁ……」 日下部愛莉(くさかべ えり)は、ビルとビルの間の、抜け道のような場所に入り込むと、壁に手をついて座り込んだ。 辺りは暗く、周囲には…

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音のない叫び 【ミステリー小説】通読目安:2時間

音のない叫び 【ミステリー小説】通読目安:2時間

第一章:火葬場跡にて

-1-

「よし、着いたぞ」

光川隆一(みつかわ りゅういち)は、好奇心を抑えきれないといった顔で言った。

ローカルな心霊スポットを紹介する。
大学の同期生である、光川隆一(みつかわ りゅういち)とその友人、増田、木田、水野の四人は、そのコンセプトで動画を作り、動画配信サイトにアップするために、地元でしか知られていない心霊スポットにやってきていた。

「カメラの準備はで

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「今、ここ」に意識を。泣いてもいい、大事なのは行動と止めないことだ

■感情を否定せず、受け入れる
安倍晋三元首相の訃報で、思った以上に多くの人がショックを受けているようで、僕もその一人です。

今回の件に限らず、ショックな出来事が起こったとき、時間が止まったように感じたり、言いようのない喪失感を感じたり、何もやる気がしなくなってしまったりと、様々な症状が出ます。

そんなとき、人によっては、前を向かなきゃ、負けちゃダメだと、無理に頑張ろうとしてしまうことがあります

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安倍晋三元首相の訃報を受けて思うことと犯人の動機

7/8、11:30頃、奈良で街頭演説をしていた安倍晋三元首相が撃たれ、17:03に亡くなった。

驚きとともにショックである。日本を良くするために尽力され、大手メディアの言いがかりにも屈せずに戦ってきた、素晴らしい政治家であったと思う。心よりご冥福をお祈りします。

犯人はなぜこんな蛮行に至ったのだろうか?

逮捕された犯人は、私が記事を書いている時点では、

「安倍元総理大臣に対して不満があり、

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陰謀論を敬遠する私たちは、本当に健全な思考をもっているといえるのだろうか

陰謀論を敬遠する私たちは、本当に健全な思考をもっているといえるのだろうか

※ウクライナ情勢についても、陰謀論みたいなものが出ているようなので、陰謀論について書いてみました。
---------------------------------
陰謀論といえば怪しいイメージだが、それを敬遠する私たちは、本当に健全な思考を持っているといえるのだろうか。

■まえがき
2020年11月。
僕は、米大統領選挙の行方を見守っていました。
トランプさんの続投か、バイデンさんが勝つのか

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期限一週間の願い事 第9話(最終話) 結末(全9話)【小説】

期限一週間の願い事 第9話(最終話) 結末(全9話)【小説】

第9話(最終話) 結末

最後の願いを叶えられる日の朝、斎賀は、ビジネスホテルで目を覚ました。
時刻は、午前7時。
ゆっくりと出勤の準備をして、8時過ぎには会社に着いた。

役員たちは、すでに仕事を始めているらしく、会議室には明かりが灯っている。一応、顔だけ出して挨拶したあと、社長室に向かった。

特に何か、やらなければならないことがあるわけじゃなかったが、ふと思い出した。自分が就任式で言った言葉

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期限一週間の願い事 第8話 選択(全9話)【小説】

期限一週間の願い事 第8話 選択(全9話)【小説】

第8話 選択

「内野社長、どちらに……?」

夜。
会社を出て行こうとする内野に、常務取締役の山中が言った。
昼間判明した問題に対処するために、役員が集まって話をしており、まだそれは終わっていない。にも関わらず、会社の外に出ようとしている内野を疑問に思ったらしい。口には出していないが、顔に出ている。

「大事な約束がある。
 あとで戻る」
 
「会社の問題よりも大事な約束ですか?」

「そうだ。

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期限一週間の願い事 第7話 問われるもの(全9話)【小説】

期限一週間の願い事 第7話 問われるもの(全9話)【小説】

第7話 問われるもの

斎賀は、頭を抱えていた。

前社長の不祥事で失った、会社の信頼を取り戻すために奮闘している中、まったく予想もしなかった問題が発覚した。それは、簡単に言えば、会社の売上を粉飾していたというもので、どうやら厳しいノルマを達成するために、営業部門のマネージャーが、経理のマネージャーと話をつけて、他の誰も知らないまま、積み重ねられていた。

厳しいノルマを出していたのは前社長だから

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期限一週間の願い事 第6話 ギャップ(全9話)【小説】

期限一週間の願い事 第6話 ギャップ(全9話)【小説】

第6話 ギャップ

斎賀は、何となくスッキリしなかった。
社長としての業務に追われていると、他のことを考える余裕もなくなるが、モヤモヤとしたものはずっと心の中に残っていた。昨日出会った女性と、あれ以降接触がないのはなぜなのだろうか。

(まさか、あれで終わりってことはないよな……? そういう仲になれるかどうかは自分次第っていっても、あれじゃあどうしようも……)

「あ、そろそろ会議か。
 さっき終

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期限一週間の願い事 第5話 変わりゆく日常(全9話)【小説】

期限一週間の願い事 第5話 変わりゆく日常(全9話)【小説】

第5話 変わりゆく日常

「社長、おはようございます」

仕立てたばかりのスーツを身に着け、ミリアルに行くと、入り口で三人の男が頭を下げてきた。

「あ、おはようございます……」

斎賀は、どう対応していいか分からず、ぎこちなく挨拶を返した。
そして、気づいた。
この三人は、ミリアルの副社長、専務、常務だ。
何回か見たことはあったが、話をするのは初めてだった。

「歩いていらっしゃるなんて……明日

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期限一週間の願い事 第4話 もう一つの興味(全9話)【小説】

期限一週間の願い事 第4話 もう一つの興味(全9話)【小説】

第4話 もう一つの興味

BARファータスに着くと、斎賀は待ち合わせですと言って、テーブル席に座った。
店員は快く対応してくれ、少し嬉しくなった。昨日の服装で、一人できていたら、たぶん怪しい目で見られただろう。

このBARは少し料金が高めの店で、お客も全員、それなりに見える。
しかも、金があればいいというものでもなく、品性を求められるため、いわゆる成金が来るような店ではない。

(でも、俺も成金

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期限一週間の願い事 第3話 変化(全9話)【小説】

期限一週間の願い事 第3話 変化(全9話)【小説】

第3話 変化

3億円を手に入れた翌日。
斎賀は朝7時に目を覚ますと、髭を剃って、髪をセットし、出かける準備を整えた。

朝がこんなに清々しいのは久しぶりで、昨日までとは別の世界にいるのではないかとさえ思えてくる。
外出用の服装に着替えると、斎賀は家を出て、銀行に向かった。ATMで一日に引き出せる額は100万円。1回に引き出せる額は50万なので、別々のATMで、2回に分けて100万円を引き出した。

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期限一週間の願い事 第2話 ある紳士(全9話)【小説】

期限一週間の願い事 第2話 ある紳士(全9話)【小説】

第2話 ある紳士

自分の気分が暗いときは、同じ景色でも違って見える。
斎賀慎は、夜の街を歩きながら、何とも言えない居心地の悪さを感じた。自分だけモノクロの存在のようで、周囲から存在を認識されていないのではないかとさえ思えてくる。

(やっぱり来るんじゃなかった……)

ドンッ!

「あ……すみません……」

俯き気味になっていたせいか、前から歩いてきた人にぶつかった。

「大丈夫かね?」

「…

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期限一週間の願い事 第1話 二人の男(全9話)【小説】

期限一週間の願い事 第1話 二人の男(全9話)【小説】

第1話 二人の男

斎賀慎(さいが まこと)は、疲れ切っていた。

会社を辞めて二ヶ月。
今のところ、貯金で生活できているが、まだ次の仕事は決まっていない。
探す気力もなく、朝起きて食事をして寝るだけの日々で、疲れが溜まる要素はないのだが、疲れ切っていて、動く気がしない。

「……」

部屋にある棚の上に置かれた観葉植物は、一部は俯き、一部は茶色になっている。なんだか、鏡に映った自分を見ているよう

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鬼滅の刃はなぜ人を魅了するのか?(ネタバレあり)

鬼滅の刃はなぜ人を魅了するのか?(ネタバレあり)

<見出し一覧>
◉王道ながら、心を揺さぶるストーリー
◉主人公の目的の明確化と共感
◉ストーリー展開は早い? 物語のテンポとリズム
◉疲れさせず飽きさせず ストーリーのコントラスト
◉もう一話だけ……ストーリーに組み込まれた知識のギャップ
◉物語でも人間関係は複雑 対立というスパイス
◉キャラは人形ではない 葛藤が生み出す重厚感
◉内的問題との向き合い方が、キャラの方向性を決める
◉今に至る歴史を

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一杯のコーヒーに秘められたもの カフェ・エモ・エスプレッソ~バックストーリー~

一杯のコーヒーに秘められたもの カフェ・エモ・エスプレッソ~バックストーリー~

-1- 転落

日本でコーヒーが一般に飲まれるようになってから、約150年。
今や、コーヒーは私達の生活になくてはならないものになり、様々チェーン店がしのぎを削っている。

だが、うまいコーヒーを飲みたいなら、有名なチェーン店を選ばなくてもいい。

JRの関内駅の北口から、歩いて約5分。
伊勢佐木モールの裏道に、本格的なエスプレッソが飲める店がある。

店の名は、cafe emo espresso

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赤い部屋【白犀執筆作品/小説/ホラー/ミステリー】

赤い部屋【白犀執筆作品/小説/ホラー/ミステリー】

-1-

「はぁ…… はぁ……」

日下部愛莉(くさかべ えり)は、ビルとビルの間の、抜け道のような場所に入り込むと、壁に手をついて座り込んだ。

辺りは暗く、周囲には人もいない。
いや、正確には、人がいないところに誘導されたのかもしれない。

(とにかく、ここでやり過ごして……
 ……!!)

街の音が、はるか遠くに聞こえて、代わりに、あの男のものと思われる足音が近づいてくる。

(どうしよう…

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