びゃくさい

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心理学を重視した小説や記事を書いてます。 youtubeでも白犀(びゃくさい)で活動中。 E-mail : info@byakusai.com

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    これまで書いてきたきた物語の作品リストです。Youtubeでオーディオ小説として聞けるもの、noteで公開してるもの、これから公開する予定のもの、すべて含めてます。

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    10分以内で読める超短編小説。 移動時間や病院などの待ち時間など、ちょっとした時間に読める手軽な小説です。

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音のない叫び 【ミステリー小説】通読目安:2時間

第一章:火葬場跡にて -1- 「よし、着いたぞ」 光川隆一(みつかわ りゅういち)は、好奇心を抑えきれないといった顔で言った。 ローカルな心霊スポットを紹介する。 大学の同期生である、光川隆一(みつかわ りゅういち)とその友人、増田、木田、水野の四人は、そのコンセプトで動画を作り、動画配信サイトにアップするために、地元でしか知られていない心霊スポットにやってきていた。 「カメラの準備はできてるよな?」 黒縁メガネをかけた増田が言った。 もっともこの黒縁は伊達メガネ

    • 「今、ここ」に意識を。泣いてもいい、大事なのは行動と止めないことだ

      ■感情を否定せず、受け入れる 安倍晋三元首相の訃報で、思った以上に多くの人がショックを受けているようで、僕もその一人です。 今回の件に限らず、ショックな出来事が起こったとき、時間が止まったように感じたり、言いようのない喪失感を感じたり、何もやる気がしなくなってしまったりと、様々な症状が出ます。 そんなとき、人によっては、前を向かなきゃ、負けちゃダメだと、無理に頑張ろうとしてしまうことがあります。 たとえば、夫を亡くした妻が、子供のためにも頑張らなきゃと気を張ってしまう……

      • 安倍晋三元首相の訃報を受けて思うことと犯人の動機

        7/8、11:30頃、奈良で街頭演説をしていた安倍晋三元首相が撃たれ、17:03に亡くなった。 驚きとともにショックである。日本を良くするために尽力され、大手メディアの言いがかりにも屈せずに戦ってきた、素晴らしい政治家であったと思う。心よりご冥福をお祈りします。 犯人はなぜこんな蛮行に至ったのだろうか? 逮捕された犯人は、私が記事を書いている時点では、 「安倍元総理大臣に対して不満があり、殺そうと思って狙った」 「元総理の政治信条への恨みではない」 というようなこ

        • 陰謀論を敬遠する私たちは、本当に健全な思考をもっているといえるのだろうか

          ※ウクライナ情勢についても、陰謀論みたいなものが出ているようなので、陰謀論について書いてみました。 --------------------------------- 陰謀論といえば怪しいイメージだが、それを敬遠する私たちは、本当に健全な思考を持っているといえるのだろうか。 ■まえがき 2020年11月。 僕は、米大統領選挙の行方を見守っていました。 トランプさんの続投か、バイデンさんが勝つのか。他国のこととはいえ、選挙結果は日本の今後にも関わることだけに、どこか遠い国の出

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          期限一週間の願い事 第9話(最終話) 結末(全9話)【小説】

          第9話(最終話) 結末 最後の願いを叶えられる日の朝、斎賀は、ビジネスホテルで目を覚ました。 時刻は、午前7時。 ゆっくりと出勤の準備をして、8時過ぎには会社に着いた。 役員たちは、すでに仕事を始めているらしく、会議室には明かりが灯っている。一応、顔だけ出して挨拶したあと、社長室に向かった。 特に何か、やらなければならないことがあるわけじゃなかったが、ふと思い出した。自分が就任式で言った言葉……お飾りになったとはいえ、まだできることはある…… 斎賀は、案内役として秘書

          期限一週間の願い事 第9話(最終話) 結末(全9話)【小説】

          期限一週間の願い事 第8話 選択(全9話)【小説】

          第8話 選択 「内野社長、どちらに……?」 夜。 会社を出て行こうとする内野に、常務取締役の山中が言った。 昼間判明した問題に対処するために、役員が集まって話をしており、まだそれは終わっていない。にも関わらず、会社の外に出ようとしている内野を疑問に思ったらしい。口には出していないが、顔に出ている。 「大事な約束がある。  あとで戻る」   「会社の問題よりも大事な約束ですか?」 「そうだ。  心配するな。そのまま帰るような真似はしない。それに、問題を解決したいなら、俺

          期限一週間の願い事 第8話 選択(全9話)【小説】

          期限一週間の願い事 第7話 問われるもの(全9話)【小説】

          第7話 問われるもの 斎賀は、頭を抱えていた。 前社長の不祥事で失った、会社の信頼を取り戻すために奮闘している中、まったく予想もしなかった問題が発覚した。それは、簡単に言えば、会社の売上を粉飾していたというもので、どうやら厳しいノルマを達成するために、営業部門のマネージャーが、経理のマネージャーと話をつけて、他の誰も知らないまま、積み重ねられていた。 厳しいノルマを出していたのは前社長だから、これもまた、前社長が残した問題の一つということになるのだろうが、発覚したのが今

          期限一週間の願い事 第7話 問われるもの(全9話)【小説】

          期限一週間の願い事 第6話 ギャップ(全9話)【小説】

          第6話 ギャップ 斎賀は、何となくスッキリしなかった。 社長としての業務に追われていると、他のことを考える余裕もなくなるが、モヤモヤとしたものはずっと心の中に残っていた。昨日出会った女性と、あれ以降接触がないのはなぜなのだろうか。 (まさか、あれで終わりってことはないよな……? そういう仲になれるかどうかは自分次第っていっても、あれじゃあどうしようも……) 「あ、そろそろ会議か。  さっき終わったばかりなのに……」 斎賀は、眉間に手を当て、大きくため息をついた。 やる

          期限一週間の願い事 第6話 ギャップ(全9話)【小説】

          期限一週間の願い事 第5話 変わりゆく日常(全9話)【小説】

          第5話 変わりゆく日常 「社長、おはようございます」 仕立てたばかりのスーツを身に着け、ミリアルに行くと、入り口で三人の男が頭を下げてきた。 「あ、おはようございます……」 斎賀は、どう対応していいか分からず、ぎこちなく挨拶を返した。 そして、気づいた。 この三人は、ミリアルの副社長、専務、常務だ。 何回か見たことはあったが、話をするのは初めてだった。 「歩いていらっしゃるなんて……明日から車を行かせますので。社長はいらないとおっしゃるでしょうけど、せめてそれぐらい

          期限一週間の願い事 第5話 変わりゆく日常(全9話)【小説】

          期限一週間の願い事 第4話 もう一つの興味(全9話)【小説】

          第4話 もう一つの興味 BARファータスに着くと、斎賀は待ち合わせですと言って、テーブル席に座った。 店員は快く対応してくれ、少し嬉しくなった。昨日の服装で、一人できていたら、たぶん怪しい目で見られただろう。 このBARは少し料金が高めの店で、お客も全員、それなりに見える。 しかも、金があればいいというものでもなく、品性を求められるため、いわゆる成金が来るような店ではない。 (でも、俺も成金か……急に金を手にしたんだもんな……)   そう思うと、少し落ち着かない気持ちに

          期限一週間の願い事 第4話 もう一つの興味(全9話)【小説】

          期限一週間の願い事 第3話 変化(全9話)【小説】

          第3話 変化 3億円を手に入れた翌日。 斎賀は朝7時に目を覚ますと、髭を剃って、髪をセットし、出かける準備を整えた。 朝がこんなに清々しいのは久しぶりで、昨日までとは別の世界にいるのではないかとさえ思えてくる。 外出用の服装に着替えると、斎賀は家を出て、銀行に向かった。ATMで一日に引き出せる額は100万円。1回に引き出せる額は50万なので、別々のATMで、2回に分けて100万円を引き出した。 財布の中に100万円が入っていることなど、これまでの人生ではなかった。 思っ

          期限一週間の願い事 第3話 変化(全9話)【小説】

          期限一週間の願い事 第2話 ある紳士(全9話)【小説】

          第2話 ある紳士 自分の気分が暗いときは、同じ景色でも違って見える。 斎賀慎は、夜の街を歩きながら、何とも言えない居心地の悪さを感じた。自分だけモノクロの存在のようで、周囲から存在を認識されていないのではないかとさえ思えてくる。 (やっぱり来るんじゃなかった……) ドンッ! 「あ……すみません……」 俯き気味になっていたせいか、前から歩いてきた人にぶつかった。 「大丈夫かね?」 「……?」 ぶつかった相手は、そう言った。 大丈夫? 大丈夫とはどういうことだろう

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          期限一週間の願い事 第1話 二人の男(全9話)【小説】

          第1話 二人の男 斎賀慎(さいが まこと)は、疲れ切っていた。 会社を辞めて二ヶ月。 今のところ、貯金で生活できているが、まだ次の仕事は決まっていない。 探す気力もなく、朝起きて食事をして寝るだけの日々で、疲れが溜まる要素はないのだが、疲れ切っていて、動く気がしない。 「……」 部屋にある棚の上に置かれた観葉植物は、一部は俯き、一部は茶色になっている。なんだか、鏡に映った自分を見ているような気分になり、また落ち込む。 部屋に埃が溜まってきても、掃除する気がしない自分

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          鬼滅の刃はなぜ人を魅了するのか?(ネタバレあり)

          <見出し一覧> ◉王道ながら、心を揺さぶるストーリー ◉主人公の目的の明確化と共感 ◉ストーリー展開は早い? 物語のテンポとリズム ◉疲れさせず飽きさせず ストーリーのコントラスト ◉もう一話だけ……ストーリーに組み込まれた知識のギャップ ◉物語でも人間関係は複雑 対立というスパイス ◉キャラは人形ではない 葛藤が生み出す重厚感 ◉内的問題との向き合い方が、キャラの方向性を決める ◉今に至る歴史を編み込まれたキャラ設定 ◉鬼にも理由がある ◉唯一の例外 ラスボス 鬼舞辻無惨

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          一杯のコーヒーに秘められたもの カフェ・エモ・エスプレッソ~バックストーリー~

          -1- 転落 日本でコーヒーが一般に飲まれるようになってから、約150年。 今や、コーヒーは私達の生活になくてはならないものになり、様々チェーン店がしのぎを削っている。 だが、うまいコーヒーを飲みたいなら、有名なチェーン店を選ばなくてもいい。 JRの関内駅の北口から、歩いて約5分。 伊勢佐木モールの裏道に、本格的なエスプレッソが飲める店がある。 店の名は、cafe emo espresso(カフェ・エモ・エスプレッソ)。 バイク乗りとコーヒー好きが集まる、こぢんまり

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          赤い部屋【白犀執筆作品/小説/ホラー/ミステリー】

          -1- 「はぁ…… はぁ……」 日下部愛莉(くさかべ えり)は、ビルとビルの間の、抜け道のような場所に入り込むと、壁に手をついて座り込んだ。 辺りは暗く、周囲には人もいない。 いや、正確には、人がいないところに誘導されたのかもしれない。 (とにかく、ここでやり過ごして……  ……!!) 街の音が、はるか遠くに聞こえて、代わりに、あの男のものと思われる足音が近づいてくる。 (どうしよう……  なんで…… 私が何かした?)   必死に考えるが、思い当たることなど一つも

          赤い部屋【白犀執筆作品/小説/ホラー/ミステリー】