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なんでもない。

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記したつもりが消えていくもの。
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#人生

純正じゃない思い。

純正じゃない思い。

 最近、"母に似て来た"と自分でも思うようになった。
以前ほど思い出さなくなっているのにも関わらず、日々、鏡に映る顔を見る度に"母"を感じる。
幼少期には、もうこの世から消えてしまったから、その記憶のほとんどはアルバムの中に在る。自分の子供と向き合う時、ふとスマホに視線を落とす時、
わたしは母親の姿をそこに見つける。

 母は美大の学生だった。21歳でわたしが生まれた。わたしが絵が好きなのは遺伝な

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スキップ。

スキップ。

 娘の塾通いも、波に乗って来た。早いもので、学年末だからね、まだ入り口、人生の試練だから走り抜けろ。

 勉強は手段だから。この世を深く知る為には、知識が必要。あくまでも手段に過ぎない。

 「100%の人生を求めるのが難しいとしても、テストで100点は取れてしまうのよねえ〜」と、悪戯に目線で笑い合う。

 時代がどのように変化しようとも、どのような状況だろうと、起こる事をなるべく面白がり、スキッ

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甘いに浸る。

甘いに浸る。

 もうアイスドリンクって季節じゃないかも?と思いながら、日差しが心地良い午後。家事の合間に冷蔵庫を探る。以前に友人が「疲れた〜って時にこそ飲んでね」と、くれたフォションのアイスチョコレートドリンクを、豆乳を切らしてしまったので、あまり飲まない牛乳で氷まで入れて味わった。ここのアップルティーは好みでストックしてある。(そう、紅茶のイメージが強い)

甘いんだけど、甘過ぎることなく、ちょっとほろ

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エフェクト。

エフェクト。

 「貴女も どうか お元気で」エフェクトしながら、脳内に流れる。

 たとえ血の繋がりがある関係でも、「時間」というものの前では無力だと、それを実感した。

 もう息子と私の「時間」が重なることは、二度と無い。

 喜びと哀しみの複雑に混ざってる涙の、色と味を知る。

 はたち過ぎたばかりでの結婚で、約10年後の離婚までに残ったものは何もない。厳密に言えば、失われたものの方が多いのだろう。息子を含

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切り続ける。

切り続ける。

自分の中にある【スイッチ】を切り続ける。

そうだ。
立場は違うが、二階堂奥歯も書いていた。

幼稚園から、小学校に入学する日。複数の学校関係者の好奇の目に、わたしは晒されていた。

何故か?
幼稚園で受けた知能テストの後日、職員室に、父親と呼び出された。
「結果があり得ない」と言う事で、応接室の重厚なソファに座らされて、再度テストを受けさせられたからだ。
父親は、退室させられて、6才の子供に

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流す。

流す。

すっかり昼風呂が定着しつつある日々。
スマホを持ち込んで、音楽を聴きながら、書くというのが定番に。

家の中でも、リフレッシュは出来るもので、脱衣室のみ点灯し、浴室内は少し薄暗いままで。
バスタブに浸かる、ひたすら浸かる。

それで、映画「サウナのあるところ」なんかを思い出してます。

サウナの本場・北欧フィンランドが舞台。

もう、裸の付き合い。風呂、サウナは、「生きること」「人生そのもの」

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そのさき。

そのさき。

(苦手な方は読まないでください。昨夜の満月の揺らぎです。死について綴っています)

現在も実在するサイトを何度も読みに行く。

未だに。

読書家で、優秀な編集者だった彼女は、25才で世を去った。
最期の別れを、自ら記して…。

昨今のニュースを観ていて、不思議に思うことがある。「死について」また「memento・mori」だ。当然だけど、人間はいつか必ず死ぬ。自分が、たぶん想像するのとは異なる形

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