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国際結婚に学ぶ「愛」という名のイリュージョン(連載全40話)

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愛の奇跡~愛が壊れる時 国際結婚、恋愛ノンフィクション 前編 話1〜話18  愛の奇跡 後編 話19〜話40 元カノに夫を取られる まとめ 「愛」という名のイリュージョン
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#海外生活

#12 離婚から立ち直れない、私の中の“エンプティー”

#12 離婚から立ち直れない、私の中の“エンプティー”

4月、私は人生最も悲しいイベントの為、日本へ一時帰国した。離婚の最終整理をしに夫が住む東京に一週間滞在した。この時、夫もまた真剣に付き合っている彼女がいた。ほぼ同居をしているにもかかわらず、私が滞在する2週間、彼女は私達を二人きりにしてくれた。私は、「なんという理解ある彼女なんだろう」と感動した。

夫は私が帰ってきたのをとても喜んでくれ、毎晩私が作る料理を喜んでくれたり、彼も私に料理を作ってくれ

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#14 バレンタインデー:プロポーズの日

#14 バレンタインデー:プロポーズの日

恋人達が愛を語り合うバレンタインデーの日、私は自分が受け持つタウン雑誌の3月号の取材原稿をかき集め、朝からバタバタと忙しくしていた。

この週、日本のある有名野球選手がサンフランシスコジャイアンツに入団した事もあり、寝ない日もあるくらい忙しかった。恋人同士にとって大切なバレンタインデーの日、約束のレストランに着替えと化粧道具を持ち込みで汗だくで駆け込んだ。それでも30分も遅刻してしまった。

それ

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#15 愛が壊れる時

#15 愛が壊れる時

アメリカに帰って私達はケンカが激しくなった。婚約したら当然、その先にあるのは結婚。新しい二人の家を夢みるに私に対して、彼の綿密すぎて冒険できない、“小心者”の性格にイライラし始めた。数字を綿密に計算して100%自信が無ければ物事を進めないタイプだ。

私を「愛している」という彼の言葉とは裏腹に、具体的に何かを始めようとすると「進めない」「決定できない」で私の期待を裏切ってしまう。そんな私たちの低速

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国際結婚に学ぶ「愛」という名のイリュージョン(後半)

国際結婚に学ぶ「愛」という名のイリュージョン(後半)

元カノの逆襲ーー奈落の底に落ちる編【第19話】 キャリアか結婚生活、どっちを選ぶ?

「新婚生活は甘いもの」と誰もが想像するように、確かに甘かった、約半年くらいは… 顔を合わせてニヤニヤしたり、夜中に抱き合う事もあった。色々なハプニングを乗り越え結婚した嬉しさの余韻は確かにあった。でもまもなく私達は、結婚生活の危機に直面する事になる。皮肉にも略奪結婚からまた略奪されるというドラマのような結末が待っ

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#20 結婚で好きな仕事を手放したくないーー勝負に出る

#20 結婚で好きな仕事を手放したくないーー勝負に出る

迷った挙句、思い切って実験的なバケーションを取ることにした。夫と日本に2週間行く計画をたて、その間仕事もできるかどうか試したかった。親にも最近会ってないし、たまには帰省したい。日本で1日最低4時間は仕事をするつもりだった。

でも実際は、帰省したらしたで忙しく、おまけに夫の通訳や付き添いまでしなければならず、そんな時間は一ミリも無かった。親は私たちの為に披露宴のようなパーティーを企画してくれ、バス

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【21話】何でもしてくれるーーでも何もさせてくれない夫「それって幸せなの」?

【21話】何でもしてくれるーーでも何もさせてくれない夫「それって幸せなの」?

人から「新婚生活はどんな感じ」?と聞かれる事が多かった。私の答えは、「楽だよ。料理をしない、片付けもしない、掃除をしない、洗濯をしないの「しない」尽くしなんだ」。「だったら、全ての時間は自分のために使えるの? 羨ましい」と言われた。友達は子育てや主婦の仕事で相当忙しい毎日を送っていた。ーー確かにそう。全ての時間は仕事に費やす事ができる。

でもそれは私の意思ではない。言い換えれば、生活をコントロー

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【22話】人生の賭け:フリーランスになる

【22話】人生の賭け:フリーランスになる

従業員として最後の仕事となる Bタウン雑誌の最終号は特別丹念に作った。特別カラーページを作り全てSFグルメ特集にして、広告記事として作った。この号はページレイアウトも良く好評だった。なのに、もう次号はない。

5年半ひたすら働いてきた日々に幕が降りた。もう客からも電話がかかってこないと思うど、フヌケになった。リズムがいっぺんに変わって私の体も戸惑っている。何日か寝れない夜が続いた。かと言って、主婦

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【23話】豪華クルーズ三昧なのに盛り上がらないーーなぜ?

【23話】豪華クルーズ三昧なのに盛り上がらないーーなぜ?

「そうだ、新婚旅行に行こう!」夫は早速、大好きなクルーズ旅行のプランを立て始めていた。そういえば私たちは何年もバケーションを取ってなかったし週末も(私の都合で)遊んであげれなかったので、夫は上機嫌だ。フリーランスになった以上、夫との時間が取れるし、もう広告主のことを心配せずに思い切り遊べるんだ。これで夫婦関係が改善されると期待した。

私達は遅い新婚旅行に出かけた。美しい海を見渡しながらトロピカル

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【24話】元カノ、リベンジの足跡

【24話】元カノ、リベンジの足跡

結婚2年目、彼が突然、「ハンガリーに行こう」と言い出した。彼は私に出会う前は一年の半年をハンガリーで過ごしていたのだから、僕にとって第2の故郷のようなもの。「君もフリーなんだから長期滞在しよう」と満遍の笑顔で誘った。

ハンガリーと言えば、夫の元カノの国。結婚した安心からか、この2年元カノは話題にもならなかったし、私もすっかり彼女の存在は忘れていた。でもどうして今ハンガリー?そして長期間どこに滞在

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【25話】ハンガリーに短期滞在ーースローライフを楽しむ

【25話】ハンガリーに短期滞在ーースローライフを楽しむ

サンフランシスコからフランクフルトで乗り換え、未踏の地、ハンガリーの首都、ブタペストに到着した。ここは一見、ヨーロッパの典型的な景色が広がっているが、かつて社会主義国のロシアの支配下にあったため、他の東欧諸国と比較して(良い意味で)垢抜けない古びた街並みが魅力的。観光客も他のヨーロッパ諸国よりも少なく、のんびりとした雰囲気が漂っていた。また、EURO通貨に未加盟のため、物価も安いと感じた。

ドナ

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【26話】嘘の匂いーー元カノの結婚は偽装かもしれない

【26話】嘘の匂いーー元カノの結婚は偽装かもしれない

3ヶ月のハンガリー生活からアメリカに帰ってきた。またいつもの暮らしが戻るかに見えたが甘かった。彼がハンガリーの家のキーを元カノに返してくると言った。嫌な気がしたけどもちろん「ダメ」とは言えない。元カノはずっと私たちが住む家の近所に住んでいる。それ自体が気持ち悪い。

元カノが両親をアメリカに呼ぶ為に私たちに「ハウススワップ」(家交換)を提案し、お互いの目的を果たしたのは事実。「キーを返すだけ?まさ

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【27話】「悶々とした」結婚生活にターニングポイントが来る

【27話】「悶々とした」結婚生活にターニングポイントが来る

結婚3年目。私はフリーランスになったにも関わらず、相変わらずバークレーの同じ事務所を借りていた。自宅には夫が一日中居るし、狭い家の中で24時間顔を突き合わせたくないというのもあったが、夫から指図されず、この事務所で過ごす間が私の唯一の「自由時間」だった。 

この頃、「地球の歩き方」を始め、「まっぷる」、「ことりっぷ」、タビトモなど日本のガイドブックの現地担当として執筆していた。ガイドブックのクラ

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【28話】アメリカ人夫は煽り運転常習犯

【28話】アメリカ人夫は煽り運転常習犯

家を離れたい理由は他にもあった。あの旅行以来、夫とへの信頼が崩壊しつつあるからだ。
不信感が広がった原因のひとつは、ハンガリーに行く前、彼が(鍵をもらう為に)元カノと会う事を私に言わなかった事。そしてもうひとつ、決定的なのが車の事故だった。

彼の愛車はMazda のスポーツカー。運転が大好き。でも問題は煽りの常習犯だった事だ。夫は運転をすればたちまち人格が変わり、前を走るノロノロ車をいつも煽って

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