海里(Kaili)

自由を求めてカリフォルニア州に移住して25年。「私らしく生きる」を人生のモットーに、大…

海里(Kaili)

自由を求めてカリフォルニア州に移住して25年。「私らしく生きる」を人生のモットーに、大好きな街、サンフランシスコから自由なライフスタイル、美味しいフード、恋愛ノンフィクションまで40代からの「女性の生き方」を発信しています。

マガジン

  • 国際結婚に学ぶ「愛」という名のイリュージョン(連載全40話)

    愛の奇跡~愛が壊れる時 国際結婚、恋愛ノンフィクション 前編 話1〜話18  愛の奇跡 後編 話19〜話40 元カノに夫を取られる まとめ 「愛」という名のイリュージョン

  • ホワイトナイトーーロシアの旅(#1〜6)

    2008年に尋ねたロシアの旅:サンクトペテルブルグ、モスクワ、ノルウェーの国境までを旅するユニークな日記

最近の記事

【31話】夫に支配されていた「生活圏」から脱出する

そんな時通訳アテンドとしての長期出張は私にとって好都合だった。フリーランスになって始めての大きな収入となり、夫に支配されていた箱から自由な気持ちが蘇ってきた。「経済的自立」は私にとって最も必要なものだった。 私の仕事は「タービントップ」と呼ばれる、パワープラント(発電所)の要のタービンを取り付ける日本からの監督でエンジニアの付き添いだ。日本の大企業から派遣されるエンジニア達はほとんど英語が皆無で、アメリカで生活を送るのに通訳サポートが必要だった。だからと言って、私は工業的な

    • セックスレス、会話レス、家庭内暴力、その先は?

      「安定した仕事」を持ってなかった私は不覚にも深いジレンマに堕ちていた。パッションを持って仕事をしていたのに、仕事を辞めて彼との結婚生活の安定を選んだのだ。今更前のポジションには戻れない。  夫がOCDと分かってから「一緒にいてはいけない」という気持ちが強くなった。でも答えはいつも「独り立ちできない」という否定で終わっていた。「お金がなければ独立した生活は出来ないし、夫に支配されるだけ。どこへも行けないと思い込んでいた。 行き場のない気持ちを自分で宥めた。「もっと不幸な人は

      • 【29話】「OCD」(強迫性障害)ーー夫の仮面が剥がれていく

        あの事故から、私の心はどんどん夫から離れていった。夫婦生活を立て直そうとしても、次から次へと打ちのめされるような暴力的な「言葉」だったり「行為」があった。 かといって毎日が暗いわけではない。週末は彼が大好きなワイナリーに行ったり、高級レストランや週末はお決まりのカフェで朝ごはんを食べたり、ウォーキングをしたり、生活上は普通に見える。ただこれは週一回だけのこと。行き先はいつも彼が決めるし、旅行の計画も全て彼が決めて従うだけで良いので、楽と言えば楽だった。一方で、私が「したい事

        • 【28話】アメリカ人夫は煽り運転常習犯

          家を離れたい理由は他にもあった。あの旅行以来、夫とへの信頼が崩壊しつつあるからだ。 不信感が広がった原因のひとつは、ハンガリーに行く前、彼が(鍵をもらう為に)元カノと会う事を私に言わなかった事。そしてもうひとつ、決定的なのが車の事故だった。 彼の愛車はMazda のスポーツカー。運転が大好き。でも問題は煽りの常習犯だった事だ。夫は運転をすればたちまち人格が変わり、前を走るノロノロ車をいつも煽っていた。「ただ追い越せば良い」と私は思うのだが、彼はご丁寧にもそのノロノロを追い抜

        【31話】夫に支配されていた「生活圏」から脱出する

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        • 国際結婚に学ぶ「愛」という名のイリュージョン(連載全40話)
          31本
        • ホワイトナイトーーロシアの旅(#1〜6)
          3本

        記事

          【27話】「悶々とした」結婚生活にターニングポイントが来る

          結婚3年目。私はフリーランスになったにも関わらず、相変わらずバークレーの同じ事務所を借りていた。自宅には夫が一日中居るし、狭い家の中で24時間顔を突き合わせたくないというのもあったが、夫から指図されず、この事務所で過ごす間が私の唯一の「自由時間」だった。  この頃、「地球の歩き方」を始め、「まっぷる」、「ことりっぷ」、タビトモなど日本のガイドブックの現地担当として執筆していた。ガイドブックのクライアントは徐々に増えていき、たまに日本からの取材班をコーディネートする事もあった

          【27話】「悶々とした」結婚生活にターニングポイントが来る

          【26話】嘘の匂いーー元カノの結婚は偽装かもしれない

          3ヶ月のハンガリー生活からアメリカに帰ってきた。またいつもの暮らしが戻るかに見えたが甘かった。彼がハンガリーの家のキーを元カノに返してくると言った。嫌な気がしたけどもちろん「ダメ」とは言えない。元カノはずっと私たちが住む家の近所に住んでいる。それ自体が気持ち悪い。 元カノが両親をアメリカに呼ぶ為に私たちに「ハウススワップ」(家交換)を提案し、お互いの目的を果たしたのは事実。「キーを返すだけ?まさか食事とか一緒にしないよね?」と聞いた。「もちろんしないよ。相手は結婚してるんだ

          【26話】嘘の匂いーー元カノの結婚は偽装かもしれない

          【25話】ハンガリーに短期滞在ーースローライフを楽しむ

          サンフランシスコからフランクフルトで乗り換え、未踏の地、ハンガリーの首都、ブタペストに到着した。ここは一見、ヨーロッパの典型的な景色が広がっているが、かつて社会主義国のロシアの支配下にあったため、他の東欧諸国と比較して(良い意味で)垢抜けない古びた街並みが魅力的。観光客も他のヨーロッパ諸国よりも少なく、のんびりとした雰囲気が漂っていた。また、EURO通貨に未加盟のため、物価も安いと感じた。 ドナウ川のほとりには、歴史の重みを感じさせる城や美しい建物が立ち並び、その建築物が川

          【25話】ハンガリーに短期滞在ーースローライフを楽しむ

          【24話】元カノ、リベンジの足跡

          結婚2年目、彼が突然、「ハンガリーに行こう」と言い出した。彼は私に出会う前は一年の半年をハンガリーで過ごしていたのだから、僕にとって第2の故郷のようなもの。「君もフリーなんだから長期滞在しよう」と満遍の笑顔で誘った。 ハンガリーと言えば、夫の元カノの国。結婚した安心からか、この2年元カノは話題にもならなかったし、私もすっかり彼女の存在は忘れていた。でもどうして今ハンガリー?そして長期間どこに滞在するの?  私が質問する間もなく、全て計画がなされていた。ーーハウススワップ。

          【24話】元カノ、リベンジの足跡

          【23話】豪華クルーズ三昧なのに盛り上がらないーーなぜ?

          「そうだ、新婚旅行に行こう!」夫は早速、大好きなクルーズ旅行のプランを立て始めていた。そういえば私たちは何年もバケーションを取ってなかったし週末も(私の都合で)遊んであげれなかったので、夫は上機嫌だ。フリーランスになった以上、夫との時間が取れるし、もう広告主のことを心配せずに思い切り遊べるんだ。これで夫婦関係が改善されると期待した。 私達は遅い新婚旅行に出かけた。美しい海を見渡しながらトロピカルな島々へ。毎夜おしゃれをしてディナーをしたりエンターテイメントに浸ったり、これこ

          【23話】豪華クルーズ三昧なのに盛り上がらないーーなぜ?

          【22話】人生の賭け:フリーランスになる

          従業員として最後の仕事となる Bタウン雑誌の最終号は特別丹念に作った。特別カラーページを作り全てSFグルメ特集にして、広告記事として作った。この号はページレイアウトも良く好評だった。なのに、もう次号はない。 5年半ひたすら働いてきた日々に幕が降りた。もう客からも電話がかかってこないと思うど、フヌケになった。リズムがいっぺんに変わって私の体も戸惑っている。何日か寝れない夜が続いた。かと言って、主婦をやっているわけでも、子育てをしてるわけでもない。無力感が漂う。「私ってなんの為

          【22話】人生の賭け:フリーランスになる

          「幸せでも不幸でもない」”ぬるま湯”結婚生活から脱出ーー本当の「自分」を取り戻した

          国際結婚に憧れ、やっと手に入れた夢の「結婚」。でも思い込んでいた「愛」はイリュージョンだった。 「この人と居ても幸せじゃない」と感じ始めてからすでに3年が経過していた。「1人になって苦労するよりマシ」と無理に自分に言い聞かせてた。今の生活を続ける方が便利ーーただそれだけ。 でも本当の私の気持ちは? 自問自答が始まった。不幸じゃないけど幸せでもない。仕事も私生活もパッとしない。収入も少ない。いつもこれで良いの?と思う時、NOなのに、依然「決断」する勇気がない。ぬるま湯状態だ

          「幸せでも不幸でもない」”ぬるま湯”結婚生活から脱出ーー本当の「自分」を取り戻した

          パワハラで退職 → 米国移住 「私らしい働き方」を実践

          時は昭和バブル期、某大手会社で働いていた私は、ある日上司と喧嘩をし 退職をする事になってしまいました。でも、その出来事が、私の人生に大きな変化をもたらすことになるとは、その時は思いもしませんでした。 当時の日本では、パワハラやセクハラが日常茶飯事で、そうした問題を取り巻く雰囲気に、当時働く人々、特に女性は耐えるしかありませんでした。なんでも会社の”方針”に従い、いつも上司の顔色を伺いピエロの顔で過ごす日々でした。 あの日、(あまり意味のない)夕礼での事件が、すべてを変える

          パワハラで退職 → 米国移住 「私らしい働き方」を実践

          【21話】何でもしてくれるーーでも何もさせてくれない夫「それって幸せなの」?

          人から「新婚生活はどんな感じ」?と聞かれる事が多かった。私の答えは、「楽だよ。料理をしない、片付けもしない、掃除をしない、洗濯をしないの「しない」尽くしなんだ」。「だったら、全ての時間は自分のために使えるの? 羨ましい」と言われた。友達は子育てや主婦の仕事で相当忙しい毎日を送っていた。ーー確かにそう。全ての時間は仕事に費やす事ができる。 でもそれは私の意思ではない。言い換えれば、生活をコントロールされていた。例えばキッチンの使い方を見張っていたり、洗い物を後で点検し、やり直

          【21話】何でもしてくれるーーでも何もさせてくれない夫「それって幸せなの」?

          #20 結婚で好きな仕事を手放したくないーー勝負に出る

          迷った挙句、思い切って実験的なバケーションを取ることにした。夫と日本に2週間行く計画をたて、その間仕事もできるかどうか試したかった。親にも最近会ってないし、たまには帰省したい。日本で1日最低4時間は仕事をするつもりだった。 でも実際は、帰省したらしたで忙しく、おまけに夫の通訳や付き添いまでしなければならず、そんな時間は一ミリも無かった。親は私たちの為に披露宴のようなパーティーを企画してくれ、バスまでチャーターして、親戚達を集め、着物まで着せてくれた。それまで親しくしてなかっ

          #20 結婚で好きな仕事を手放したくないーー勝負に出る

          国際結婚に学ぶ「愛」という名のイリュージョン(後半)

          元カノの逆襲ーー奈落の底に落ちる編【第19話】 キャリアか結婚生活、どっちを選ぶ? 「新婚生活は甘いもの」と誰もが想像するように、確かに甘かった、約半年くらいは… 顔を合わせてニヤニヤしたり、夜中に抱き合う事もあった。色々なハプニングを乗り越え結婚した嬉しさの余韻は確かにあった。でもまもなく私達は、結婚生活の危機に直面する事になる。皮肉にも略奪結婚からまた略奪されるというドラマのような結末が待っていた。 結婚する4年前、結婚を前提に私が彼の家に引っ越しをしてきてから少しず

          国際結婚に学ぶ「愛」という名のイリュージョン(後半)

          サンクトペテルブルグ〜ヴィバーグ(フィンランド国境)までの恐怖のライド!!

          ロシア旅行記  夫とロシア人の友達、ポリーナを尋ね、サンクトペテルブルグに滞在していました。その日、ポリーナの兄が住むフィンランド国境近くの街、ヴィバーグに行く計画を立ててくれていました。夕方、待ち合わせのポリーナのオフィスに到着。素敵な車が待機し、おしゃれな従業員が運転席に。私はうっとり気分で車に乗り込んだところ、とんでもない恐怖ライドへとバトンが受け継がれる事になります。その恐怖ライドからーーロシア人のおもてなしの恐怖までの体験記です。 DAY3 5月16日(金)晴れ:

          サンクトペテルブルグ〜ヴィバーグ(フィンランド国境)までの恐怖のライド!!