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セックスレス、会話レス、家庭内暴力、その先は?

「安定した仕事」を持ってなかった私は不覚にも深いジレンマに堕ちていた。パッションを持って仕事をしていたのに、仕事を辞めて彼との結婚生活の安定を選んだのだ。今更前のポジションには戻れない。 

夫がOCDと分かってから「一緒にいてはいけない」という気持ちが強くなった。でも答えはいつも「独り立ちできない」という否定で終わっていた。「お金がなければ独立した生活は出来ないし、夫に支配されるだけ。どこへも行けないと思い込んでいた。

行き場のない気持ちを自分で宥めた。「もっと不幸な人はたくさんいる。私はちゃんと生活はできているのだし、身体的な暴力を振われているわけではない」と自分に言い聞かせ、思いとどまるしかなかった。

実はこのOCDの夫を持つ人は少なく無い。実は後から知った事だが、私の周りにも似た境遇の知人が沢山居たが、やはり私のように「アビューズ」(暴力的に人を蔑む)をされている事に気がついていない人がほとんどだった。彼から「怒られる」のは、習慣になっていた。

たとえば、ちょっとのミスで何かを落としたり、キッチンの使い方や、何か物を無断で移動させたりすると必ず私の人間性を否定するような怒られ方をしていた。それに慣れて気づかなくなる人も多いらしい。

私は元々ネアカ人間で、人にコントロールされるなんて思ってもいなかった。でも日常生活で繰り返されるとにより、それをいつの間にか「普通」に受け入れている私が居た。

最初は2人の生活は始まったばかりだし、良い時もあり喧嘩もする、どこにでもいるカップルだと思い込んでいが、ようやく大きな問題という事に気がついた。

それまでを振り返り納得する出来事ががたくさんある。ひとつは彼の車の運転。どんな人にも妥協できない「自分だけの道路」が彼の中にはいつもあった。それは煽り運転となったり、2人の時は私に運転させる事は一度もなかった。

引っ越しをしてまもなくの頃、台所をスッキリさせようと、カウンターにあったリッカーボトルキャビネットにをしまった時の事。「これはここにあるべきで一ミリたりとも動かすな!」と怒涛された。

キッチンを私が使うと、かならず後から点検が入りダメ出しをしたり、並び替えたりした。だったら全部彼にやらせた方が良いと思いキッチンに入る回数が減った。その習慣はそれからもずっと続いた。

夫がまさかのFワードを使い始めたのもこの頃。他人に対しては時々あっても、家庭でもFワードを使うことは考えられなかった。でも一度使うとあとは惰性になっていくのだろうか。私にだけは使わないで欲しかった。

彼と一緒に居ても寂しいと感じる時間が増えてきた。同時に彼と触れ合う時間はこの頃にはほとんど無かった。セックスも「I love you」という言葉さえ…。

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