セイウチ

読んでくれたら白目を剥いてご満悦。枯れ果てた高校生の駄文。

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記事一覧

みんな変わりたくて、変われない。

 流行に隅の埃程も興味がありません。なんて街中で拡声器片手に呟いてみろ。電源は入ってないつもりだったが、たちまち、一人の翁の如き者現れ、「そんなはずはなかろう。…

セイウチ
3年前
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整ったセックス・アクト【村上春樹考】

 村上春樹の小説において、セックス・アクトの登場数は尋常ではない。(これは、褒め言葉として考えてほしいし、これから先に書くこともそうだ。)単に回数だけでみれば、そ…

セイウチ
3年前
1

マスクの紐が切れる

 この御時世故、マスクを着用すること、以前に増すこと仰山。常時窒息アイランドたる地球でこう歩いている日々である。まあ、その条件で暮らしているのは、一部の湾曲過ぎ…

セイウチ
3年前
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人生に殺された男【芥川龍之介考】

 パスカルの『パンス』の中には、「人間は、自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」とある。それを聞き付けた彼方の誰か曰く、「そんなこ…

セイウチ
3年前
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【脳内勃起音頭 No.1】アンプを内蔵した鯉と老婆

 起床とともに、自身が何らかの異形へと変貌している、という話は虚構の上ではよく耳にする話だ。しかし、私ほど、このザムザ体験に対する希望を、四方八方の欲求に破裂さ…

セイウチ
3年前
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雨に濡れてもいいじゃない

 傘をさす、というのが降雨に対する最もスタンダードな防御方法であることは言うまでもない。そんなこと、お前に唾飛ばしながら言われんでも知っとるわ、てなもんである。…

セイウチ
3年前
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みんな変わりたくて、変われない。

みんな変わりたくて、変われない。

 流行に隅の埃程も興味がありません。なんて街中で拡声器片手に呟いてみろ。電源は入ってないつもりだったが、たちまち、一人の翁の如き者現れ、「そんなはずはなかろう。君は、自分は他人とは違うという特別感、気持ちいい異邦人、つまり、優越したいだけじゃ。人間皆、そこを通る、いや、今でもその中途にいるのだよ。だから、まあ、俗に言うところの中二病なのじゃ。可哀想に、お主もまた、恥だらけの生涯。」なんて調子の説教

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整ったセックス・アクト【村上春樹考】

整ったセックス・アクト【村上春樹考】

 村上春樹の小説において、セックス・アクトの登場数は尋常ではない。(これは、褒め言葉として考えてほしいし、これから先に書くこともそうだ。)単に回数だけでみれば、その様、まるではっちゃけたアダルト・ビデオのようである。しかし、村上春樹の文学には、猥雑さ、行為のもつ野獣性がない。言うなれば、官能に欠ける。まるで、彼の文体のように、小綺麗で整って、まるでチーズ・ケーキのような形をしている。それは、純真無

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マスクの紐が切れる

マスクの紐が切れる

 この御時世故、マスクを着用すること、以前に増すこと仰山。常時窒息アイランドたる地球でこう歩いている日々である。まあ、その条件で暮らしているのは、一部の湾曲過ぎた唐変木を除いて皆同じだから、文句は言えない。Awichの『洗脳』をよく聴く最近。電車に乗ってると、鎮座DOPENESSの「人類皆運命共同体」の詞がよく似合う。

 そんな風に、こう毎日それなりの全力で生きていると、マスクの紐が切れる。それ

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人生に殺された男【芥川龍之介考】

人生に殺された男【芥川龍之介考】

 パスカルの『パンス』の中には、「人間は、自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」とある。それを聞き付けた彼方の誰か曰く、「そんなことは、自明の話だ、実際私たち自身が人間であるのだから。これは、動物図鑑の説明とは違う。」これから論ずる(というのも大仰な物言いである。実際は、一人の阿保学生が、年中鼻を垂らし、糞尿を垂れ流しながら、指を咥えて机に少し向かって考えただけである

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【脳内勃起音頭 No.1】アンプを内蔵した鯉と老婆

【脳内勃起音頭 No.1】アンプを内蔵した鯉と老婆

 起床とともに、自身が何らかの異形へと変貌している、という話は虚構の上ではよく耳にする話だ。しかし、私ほど、このザムザ体験に対する希望を、四方八方の欲求に破裂させ、その心中、ドラムソロと大量に天空から降り注ぐザクロが地面に衝突してどんどんつぶれてゆく妄想の感じ、みたいな者は過去に存在しなかっただろう。兎に角、私は今日の個人的始まり以来、アンプを内蔵した鯉として生を消費していくこととなって、嬉か。だ

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雨に濡れてもいいじゃない

雨に濡れてもいいじゃない

 傘をさす、というのが降雨に対する最もスタンダードな防御方法であることは言うまでもない。そんなこと、お前に唾飛ばしながら言われんでも知っとるわ、てなもんである。しかし、個人の見解としては、雨に濡れてもいいじゃない、というのが、幼き頃から存在して、私はこの考えの宣伝に努めてきた。それ故、私は、同級生などに、さぁ、ずぶ濡れで行こうぜ、などと言わんばかりに、自発的に水溜まりに飛び込むなどして、アピールを

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