セイウチ

読んでくれたら白目を剥いてご満悦。枯れ果てた高校生の駄文。

セイウチ

読んでくれたら白目を剥いてご満悦。枯れ果てた高校生の駄文。

最近の記事

みんな変わりたくて、変われない。

 流行に隅の埃程も興味がありません。なんて街中で拡声器片手に呟いてみろ。電源は入ってないつもりだったが、たちまち、一人の翁の如き者現れ、「そんなはずはなかろう。君は、自分は他人とは違うという特別感、気持ちいい異邦人、つまり、優越したいだけじゃ。人間皆、そこを通る、いや、今でもその中途にいるのだよ。だから、まあ、俗に言うところの中二病なのじゃ。可哀想に、お主もまた、恥だらけの生涯。」なんて調子の説教を垂れるに違いない。ウィズ、いやな味のする唾。まあ、実際それは、シンプソンズみた

    • 整ったセックス・アクト【村上春樹考】

       村上春樹の小説において、セックス・アクトの登場数は尋常ではない。(これは、褒め言葉として考えてほしいし、これから先に書くこともそうだ。)単に回数だけでみれば、その様、まるではっちゃけたアダルト・ビデオのようである。しかし、村上春樹の文学には、猥雑さ、行為のもつ野獣性がない。言うなれば、官能に欠ける。まるで、彼の文体のように、小綺麗で整って、まるでチーズ・ケーキのような形をしている。それは、純真無垢な神々を描いた絵の、女神の胸に似ている。あれで、愚かであり、愛すべき欲求を満た

      • マスクの紐が切れる

         この御時世故、マスクを着用すること、以前に増すこと仰山。常時窒息アイランドたる地球でこう歩いている日々である。まあ、その条件で暮らしているのは、一部の湾曲過ぎた唐変木を除いて皆同じだから、文句は言えない。Awichの『洗脳』をよく聴く最近。電車に乗ってると、鎮座DOPENESSの「人類皆運命共同体」の詞がよく似合う。  そんな風に、こう毎日それなりの全力で生きていると、マスクの紐が切れる。それで、切れた瞬間に、周囲が異国と化すような恐怖。そして、草履の鼻緒が切れる感じ。こ

        • 人生に殺された男【芥川龍之介考】

           パスカルの『パンス』の中には、「人間は、自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」とある。それを聞き付けた彼方の誰か曰く、「そんなことは、自明の話だ、実際私たち自身が人間であるのだから。これは、動物図鑑の説明とは違う。」これから論ずる(というのも大仰な物言いである。実際は、一人の阿保学生が、年中鼻を垂らし、糞尿を垂れ流しながら、指を咥えて机に少し向かって考えただけである。)のは日本の大正期を代表する文豪芥川龍之介についてである。  文豪と自殺とい

        みんな変わりたくて、変われない。

          【脳内勃起音頭 No.1】アンプを内蔵した鯉と老婆

           起床とともに、自身が何らかの異形へと変貌している、という話は虚構の上ではよく耳にする話だ。しかし、私ほど、このザムザ体験に対する希望を、四方八方の欲求に破裂させ、その心中、ドラムソロと大量に天空から降り注ぐザクロが地面に衝突してどんどんつぶれてゆく妄想の感じ、みたいな者は過去に存在しなかっただろう。兎に角、私は今日の個人的始まり以来、アンプを内蔵した鯉として生を消費していくこととなって、嬉か。だけど、I don't know the reason why.  しかし、所謂

          【脳内勃起音頭 No.1】アンプを内蔵した鯉と老婆

          雨に濡れてもいいじゃない

           傘をさす、というのが降雨に対する最もスタンダードな防御方法であることは言うまでもない。そんなこと、お前に唾飛ばしながら言われんでも知っとるわ、てなもんである。しかし、個人の見解としては、雨に濡れてもいいじゃない、というのが、幼き頃から存在して、私はこの考えの宣伝に努めてきた。それ故、私は、同級生などに、さぁ、ずぶ濡れで行こうぜ、などと言わんばかりに、自発的に水溜まりに飛び込むなどして、アピールを重ねること数多。だが、私のこのようような、彼らからするところの常識はずれ、外道、

          雨に濡れてもいいじゃない