LEGO社とLEGOブロックに学ぶ~Webライターがコモディティ化しないための方法
こんにちは、OgAzです。1月も半分が過ぎたことに驚愕を覚えますね。
年明け早々、大好きなブックオフの新春セールに行きました。Webライターを始めてからは、大きな予定がなければ週末は必ずどこかのブックオフに行っています。首都圏はブックオフがたくさんあっていいよね。もはや横浜近郊に関しては、ほぼすべてのブックオフをハシゴをして回ったと言っても過言ではありません。子どもたちは完全に飽きていて、私がブックオフに行くときはだいたい車で待つようになりました。すまんな。
そんな大好きなブックオフで、気になる本を見つけました。それがこれ、「レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方」。
300円くらいしか値引きされていなかったので全然安くはなかったのですが、冒頭をパラっと読んですぐに「これ欲しい」と思いました。私にしては非常に珍しい。内容も非常に面白く、結構分厚い本なんですがあっという間に読み終わりました。すっごい面白かった!
同じタイミング、Webライターのクライアント様とZOOMミーティングする機会があり、「この先本当に気を引き締めないと、ライティング業界もAIに仕事を取られる」というようなお話を聞きました。AIが人間と同じように働く社会は、もう目の前に来ているのです。
フリーランスや副業が一般化した現代、Webライター業界はまさに戦国時代に突入しています。数多くのライバルに加え、AIとも戦っていかなければならないのです。数多のWebライターの中にあってもコモディティ化せず、オンリーワンの存在になるためには、どうするべきか?LEGOの本やZOOMミーティングを通じて、いろいろなことを考えました。
今回は、そのへんのことをまとめてみようと思います。よろしくお付き合いください。
CM:LINEスタンプ販売中
ごめんなさい全然関係ないのですが、LINEスタンプを新しく作りました。
4回目にもなると、いろいろ慣れるものですね。初期に比べるとずいぶんスタンプっぽくなったんじゃないかしら。今度このへんのノウハウも記事にしようかなあ。
家族用なので売り上げは皆無なのですが、半年ほどたつとサブスクの方に移行して使い放題になるみたいなので、よろしければぜひに!
「レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方」を読んで
この本は、レゴブロックを擁するLEGO社が、いかに2回の経営危機を乗り越え過去最高益を達成したか、その軌跡を丁寧なインタビューで解き明かす「生きたケーススタディ」本です。子どもたちも大好きなレゴだって、あたりまえにトップメーカーになったわけじゃないという驚きがありました。言われてみれば当たり前なんだけどね。
大人も魅せられる「自由」な世界
現在のレゴのエグゼクティブ・チェアマン(会長)であるヨアン・ヴィー・クヌッドストープが披露する「鉄板」のプレゼンテーションがこちら。
突然ブロック遊びを言い渡された人々は戸惑い、しかしいざブロックを触り始めると、途端に夢中になる。60秒はあっという間です。そして人々は完成した作品を互いに見せ合い、会場は「ちょっとした品評会となり、にわかに活気づく」のです。クヌッドストープは自信満々にこう締めくくります。
このプレゼンテーションに、レゴのすべてが詰まっていると感じます。レゴのコンセプトは「Learning through play(遊びながら学ぶ)」。大人も子どもも、単純ながら複雑なその魅力、1つとして正解のない自由な世界に魅せられるのです。
レゴによって養われる創造的思考力
前述のアヒルの組み立て通称「アヒルチャレンジ」によって養われる「クリエイティブ・シンキング」の能力は6つ。
袋を開け、ブロックを取り出し、色や形を認識する力:空間認識(Spatial Ability)
形の異なるブロックを自分のイメージに沿って見立てる力:象徴的表象(Symbolic Representation)
イメージしたアヒルを実際にどのように組み立てるか計画し遂行する力:実行機能(Executive Function)
集中して最後まで意識を途切れさせずに作業する力:集中力(Concentration)
60秒以内という制限にプレッシャーを感じずに作業を完遂する力:自己抑制(Self Regulation)
完成したアヒルを周囲の人と共有し、客観的に説明する力:協調能力(Collaboration)
我が家の長男は、小1から小6までレゴ教室に通っていました。レゴの公式カリキュラムを使った教室で、思い返してみればさまざまな能力を学んでいました。とくに自分の発想や思いを言葉にして相手に伝えることは、レゴ教室を通じてできるようになったような気が。まあ授業料高かったからね・・・。
授業をひたすら聞いて覚えるだけの教育ではなく、実際に手を動かすことで、さまざまな能力が養われることを実感しています。
非常に興味深かったのは、「手を動かすことが思考のきっかけになる」という考え方でした。
転落からV字回復したレゴの戦略
レゴはもともと1916年デンマークで創業した木製玩具でした。LEGOの由来はデンマーク語の「Led God」(よく遊べ)から作った造語ですが、偶然にもラテン語で「私も組み立てる」という意味を持つことが後に分かったそうです。すごい偶然。
その後プラスティックの新技術によって現在の「クラッチ構造」が生まれました。クラッチ構造とは、「ブロックの裏側に3本のチューブをつけ、下にくるブロックの表面にあるポッチと3点を連結させるスタッド・アンド・チューブ連結と呼ぶ仕組み」(第2章「誰も、レゴであそばない」より抜粋)を指します。レゴを連結すると外れなくなる、あの独特の構造ですね。クラッチ構造は世界中で特許を獲得し、レゴの人気は爆発的に高まりました。
ところが1980年代から雲行きが怪しくなります。世界中の特許が切れ、似たような商品が世界中に溢れたからです。レゴがいかに高性能や安全性を打ち出しても、似たような見た目とはるかに安い値段のブロックには太刀打ちできませんでした。これがコモディティ化というやつですね。また、同時期に発売したファミリーコンピューターによって子どもの遊びを奪われ、レゴの経営は悪化の一途をたどりました。
経営危機に瀕したレゴは、外部から顧問を招聘したり、大規模なリストラをするなどの対策を行いましたが、事態は好転しませんでした。そこには、長きにわたりトップに君臨していた企業ならではの驕り―「どんなに新しい玩具が出ても、最後は飽きてレゴに戻ってくる」という思い込みがあったというのが興味深い。経営危機にもかかわらず社内には緊張感がなく、事業内容やサプライチェーンの見直しなども一切行わなかったのが、悪化に追い打ちをかけたのでした。
「あと数年でレゴは破綻する」という段階にまで陥ったレゴにおいて颯爽と登場したのが、冒頭のエグゼクティブ・チェアマンであるクヌッドストープでした。当時、レゴ入社歴わずか3年という若手でした(とはいえマッキンゼーに入社した経歴を持つので、全然普通の人ではない)。
クヌッドストープが打ち出したレゴ再起の道のりにおいて、打ち出したのは以下のような事柄でした。
・自分たちの強み=ブロック事業であることを再確認する
・ブロック開発以外の事業はすべて委託に変更する
・開発サイクルを短くする(品質を下げない仕組みを作る)
・子どもを惹きつけるのは「ストーリー」である
・レゴの価値=Building Experience(組み立て体験)である
近年マーケティング界隈でよく言われる「ストーリー」と「UX(ユーザーエクスペリエンス)」が入っているのが、さすがというべきか。見た目はよく似たような商品が乱立しても、「それでもレゴ」と言わせる仕組みを作ったというわけです。
こうしてレゴは、コロナ禍の激動の時代において最高益という実績を生み出しました。コロナ禍で自宅にいることを余儀なくされた子どもたちがレゴを使って遊び、またリモートワークで自宅時間が増えた大人もレゴに夢中になったからです。そういえば私も、コロナ禍に大人用レゴを買いました。久しぶりに触ったレゴはとても楽しかった。人気で売り切れ続出、価格が高騰していて、Amazonで予約して購入した記憶があります。
モノでなく「体験」を売る大切さ
結局のところ、レゴを経営危機から救ったのは、「ブロックそれ自体を売る」という従来の考え方から、「体験(UX)を売る」ことへとシフトしたことに尽きると思います。結論だけ見ると非常につまらないんですが、この結論に至るまでに長い年月と試行錯誤を繰り返し、何度も失敗して戦略を練り直している過程は非常に興味深いものがありました。大企業だからと胡坐をかかず、悩み苦しみ、生み出すからこそ、トップであり続けられる。その価値と大変さを知りました。
我が家にもレゴがたくさんあります。類似品があるのは知っているし、安いことも知っているけれど、それでもやっぱり「レゴを買いたい」と思います。これこそがレゴの提供するユーザー体験だったんですね。まんまと策略にハマっていたことを知り、少し悔しい気持ちになったのはここだけの話です。
Webライターがコモディティ化しないための方法
立ち返ってWebライターである私がコモディティ化しない―他のWebライターに埋もれないために、何をすべきかを考えてみました。でもって、結局のところ、いつもnoteでも言っているような内容に落ち着きました。
★「体験」という付加価値を付ける
単なる情報を淡々と書くのではなく、自分がこれまでに生きてきて感じたこと、体験したことや主張を織り交ぜた執筆をする。
★楽しみながら執筆する
知らないことを調べながら執筆するのは、知識が増えて楽しい。この楽しい気持ちを文章に載せれば、不思議と筆も進む。
★機械(AI)に真似できない文章を書く
AIにはお手本的な美しい文章が書けるかもしれないけれど、人間が書く独特の言い回しやフレーズは書けない。ビジネスの執筆にはあまり重視されてこなかった「人間らしさ」が、この先は特に重要なのではないか。
お手本にしたいnoterさんたち
noteには、機械には決して真似なんてできない、独特でオリジナルの素敵な文章を書く方がたくさんいます。AIに取って代わられない文章を書くためのお手本として、私は日々学びの連続です。「こんな言い回しをするんだ、へえ~」「そのワードいいな、今度使おう」などなど、実はこっそりテクニックをいただいていることも多々あったりします。TwitterやInstagramと違って、文章力で勝負するnoteが私はとても好きです。
ということで、どのnoterさんも素敵なんですが、せっかくなので私が常々「私もこういう文章を書いてみたい!」と憧れているnoterさんを4人ご紹介したいと思います。この魅力、届け世界へ!!(壮大)
◆メルシーベビーさま
「言葉を紡ぐ」という表現は、こういう文章を指すんだろうな。メルシーベビーさまの文章は、キレイに整った言葉の粒たちがぴょんぴょん飛び跳ねているような、そんなイメージ。「おすすめ」で初めて拝見して読んでから、ひそかにずっとファンです。素敵!いいなあ!私もこんな風に言葉を紡いでみたい。
◆コジマサトシ/トナリコネクトさま
はじめて「おすすめ」で記事を拝見したとき、「箱詰めのお菓子のように整然とした、美しい文章を書く方だなあ」とファンになりました。その後、私の記事を紹介していただく機会に恵まれ、小躍りして喜んだものです。うれしい。きっととても頭のいい方なんだろうな、インテリジェンスが文章ににじみ出ていて素敵なのです。
◆瑞野蒼人さま
水面が光る清流を悠々と泳ぐ魚のような。名前ではなく、文章がですよ。初めて拝見したとき、「名は体を表すってまさにこのことだな」と思いました。さわやかでしなやかで、透明度の高い文章が素敵です。この透明度はどうやったら出せるのかしら。私が真似てもこうはならないんだよな。無いものねだりだけど、本当に羨ましいです。
◆コニシ木ノ子さま
木がガサガサッて揺れて、影みたいのがシュッと横切って、「今のなに!?」ってなるような感じの文章(全然わからん)。いわゆる未知との遭遇的な。堅牢な部分がありながら、時々予想外のところに飛び跳ねる文章が好きです。ちなみにコニシ木ノ子さまの日記を「面白いよ」と夫に勧めたところ、薄ら笑いとともに「・・・類友ってあるよね」と意味深な言葉を残して去っていきました。なんかごめんなさい。
結び
レゴは2030年までに、素材をプラスティックに変わるものに置き換えることを目指しているんだそうです。SDGsの「作る責任、使う責任」ってやつですね。業績のいい大企業やお金持ちが最終的にSDGsに行きつくってのはセオリーだけど、環境への取り組み、そして自身へのパーパス(存在意義)を常に問い続けなければならない、上に立つものや企業の責任って本当に重いと感じました。みんな、できることをがんばろう。
レゴとの付き合いは、子どもたちが成長してもきっと続いていく。だからこそ私は、これまでのレゴと、これからの新しいレゴの姿を見守り続けていきます。インテリアとして、レゴを買いながらね。
とにもかくにもLEGOの本は久しぶりに面白いビジネス書でした。興味を持った方がいれば、ぜひお手に取ってみてくださいね。
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