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【聴覚からの共感覚】シューベルト「魔王」と私

先日、音楽配信をしていた時にクラシックの話になり、その中で「魔王」を思い出し、かけてみた。

小学校の頃にならったこの曲は、魔王の幻覚をみて子供が怖がり最終的に冷たくなり死んでしまう、、という、子供の頃にならうにはあまりにもショッキングな楽曲だ。

楽曲自体は素晴らしいし、オーケストラでの迫力は凄まじい。

しかしこれを私は人生で一度しか聴いたことがなかったことに、その先日の音声配信の時に気付いたのだ。

あまりにもショッキングな情景が浮かび、怖くて聞けないトラウマソング。

そう、本でいうところの夏目漱石のこころと同じトラウマで聴けなくなっていた曲だった。

夏目漱石の「こころ」がトラウマで小説を読めなくなった話は前にこの記事にも書いた。

まだディスレクシアの要因もあると気付かなかった頃だ。

クラシックを聴いていたLIVEのログを聴いてみると、魔王の音声を色々と流しながら、

「こういうピアノだけのじゃない、オーケストラのやつだった」
「こんな声?もう少し男性の歌声だと思う」
「この人が最後まで歌う?こんな高くなかったような」

などと言いながら、小学校の頃にたった一度だけ聴いた「魔王」を探していた。

何度も言うが、「魔王」を聴いたのは授業でのたった一度。

それ以来は聴いていないはずなのに、オーケストラだったとか、声が男性だったとか、私は音声を探しながらかなり詳細に覚えていた。

結局、全く同じ音というのは見つけられなかった。それほど、鮮明にその1回を私の聴覚は受け取って、記憶していたようなのだ。

魔王の楽曲を聴いて、浮かぶ情景はこうだ。


空の色は薄気味悪いくすんだ水色、月はない。
夕暮れとも、朝焼けとも違う、見たこともないような空に、

大きな黒いお城。

ハロウィンのイラストなどでみるような、シルエットのように黒いお城で、とにかく真っ黒くて、良く見えないが少し遠く離れたところに建っている。

そこが魔王の城なのか子供の家なのか、
またはただのビジュアライゼーションなのかはよくわからないが

この、薄黒い水色と強い黒のコントラストが気持ち悪い。

門があるような大きな城なのに城までの道は
整備のされていない伸び切った草木が茂っている。

私の視点はそこから動かない。

音楽に合わせ雷が鳴る。
音楽に合わせ薄黒い水色がどんどんと暗くなる。

そしてそこに濃い青、青、青。
薄気味悪い、血しぶきのような青たちが飛び散る。


こんな情景が、シューベルトの魔王にはこびりついている。

私はこれをぬぐえないまま、小学生にしてはショッキングな映像が流れ二度と見たくないと思い、それ以来魔王をまともに聴いたことはなかった。

実際に聴いてみて「聴けない」とは思わなかったが、ところどころに「怖い」という感情が湧き出てきて、そのたびに起こる血しぶきのような青が浮かんだ。

あの青がとにかく気味が悪いのだ。

だけどちゃんと聴いてみたらやはりとても素晴らしい曲だった。シューベルトの曲は他にも音楽で習ったと思うが、鮮烈に思い出せるのはこれだけだ。

私は共感覚では主に視覚的な要素が強いのだと自覚しているが、聴覚から来る共感覚の反応も相当なのかもしれない。

ちなみに、この魔王の絵に限りなく近いのはこの絵。

前に一度、共感覚についての映像制作をしたいという高校生の子達から共感覚の話を聞きたいということで話した中に、このシューベルトの魔王の話が出た。

その時に私の中で驚いたのが、

学校の授業でシューベルトの魔王の絵を描いて、というシーンを作りたく、みんなが「魔王」の絵を描く中で共感覚を持つ子供だけが共感覚アートを描く

という設定だった。

「魔王」を聴いて、魔王の絵を描く?

良く考えれば当たり前かもしれないが、私には思いつかないことだった。そういわれてみれば、私は魔王という音楽から、魔王を見たことは無い。

共感覚は脳内での反応であるため、時に想像力と混合することがあるが、これこそがイマジネーションと共感覚の反応の大きな違いかもしれない。


体調不良のため、しばらく過去記事の加筆修正記事を出していきます。

山口葵


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