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短歌

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2023年8月の記事一覧

短歌:出張と娘

短歌:出張と娘

出張より戻ると吾子は夜泣きして
「昼は普通でした」と保育士

先週は産後初めての出張でした。

帰宅すると、次女(4歳)は珍しく夜泣き。
朝も「おかーさん、おかーさん」と言って離れません。

その話を保育士にすると、出張中の昼間はいつもと変わらず普通だったとのこと。

娘なりにがんばっていたのかな。

保育士が気づかないだけで、些細な変化はあったのかもしれません。
でも、保育士は親に気を遣って「普

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短歌:トラックボールの埃

短歌:トラックボールの埃

6ヶ月気づかれぬまま蓄えた
トラックボールと心の埃

仕事でトラックボールが突然反応しなくなりました。

ご存知の方も多いとは思いますが、
トラックボールとは、マウスの一種です。
PCのカーソルを動かすときに、
マウス本体を動かす代わりに、ボールを指で動かします。

私が使っているものはこちら。

反応しなかった原因は、
ボール内部に溜まった埃。

ボールを取り出してみると、
埃がごそっと出てきま

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短歌:子どもと蝉

短歌:子どもと蝉

熊蝉の死に蟻々は群がって
しゃがんでのぞく子に蝉時雨

短歌に季語は無関係とはいえ、
今のタイミングで「蝉時雨」は違うかな〜なんて思いました。

が、私の地域では相変わらずの蝉時雨なので使ってしまいました。

近所で熊蝉の死骸を発見しました。
蟻が群がっていて、自然のサイクルを感じます。

それをじっと見ている我が子は、
何か感じるものがあった様子。

木の上で鳴いている蝉も、あと数日で死骸になっ

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短歌:夫婦の死後

短歌:夫婦の死後

「オルフェウスと違って僕は振り向かない」
「あなた迎えに来ないわ」
「そだね」

テレビでオルフェウスとエウリュディケの話が放送されていました(ギリシャ神話)

妻エウリュディケの死を受け入れられない夫オルフェウスは、
死後の世界に妻を迎えに行きます。

そして、死後の世界から抜け出すまで、
夫が振り返らなければ、
妻は元の世界に戻れることになります。

しかし、結局夫は振り返ってしまい、
妻は帰

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短歌:赤ちゃん絵本

短歌:赤ちゃん絵本

焼くはずの赤ちゃん絵本を子が取って
くまさん達に読み聞かせする

娘たちが読んでいた赤ちゃん絵本を
そろそろ処分しようかと思っていました。

長女(10歳)が赤ちゃんの頃から読み聞かせていたものもあり、
何回も補修したりしてボロボロです。

ところが、次女(4歳)が絵本を手に取って、
くまのぬいぐるみ達に読み聞かせを始めました。

次女の下には子どもがいないので、
もう読み聞かせの相手はいないと

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短歌:姉妹の人生ゲーム

短歌:姉妹の人生ゲーム

夏休み人生ゲームを取り囲み
姉は苛立ち妹は泣き

毎日暑くて公園にも行けないので、
娘たちと自宅で「人生ゲーム」をすることにしました。
私が子どもの頃からあるボードゲームです。

判断要素はほとんどなく、
ルーレットの運で勝敗が決まります。

負けず嫌いの2人は本気モード。

うまく行かない展開に
長女(10歳)は苛立ち、
次女(4歳)は泣き出す始末。

それぞれの性格が垣間見えます。

人生うま

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短歌:ふるさとのセミ

短歌:ふるさとのセミ

ふるさとのミンミンゼミを後にして
クマゼミを聞く日々は再び

先日、子どもたちを連れて帰省してきました。

実家はミンミンゼミが多い地域で、
ミンミンを聞くと帰ってきたなと実感します。

他方、今住んでいるところはクマゼミが多い地域です。
実家から自宅に戻り、ほぼクマゼミしか聞こえない環境に身を置くと、
日常が再開するのだなと思いました。

実家でパワーを充電してきましたので、
また忙しい毎日を乗

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短歌:公園の忘れ物

短歌:公園の忘れ物

鉄棒に掛けられたままの黒キャップ
横目に園のお迎えにゆく

先週から、公園の鉄棒にNIKEの黒いキャップが掛けられています。
誰かが忘れたようです。

比較的新しく、今シーズンに買ってもらったのかもしれません。

最近は、その帽子を横目に見つつ、娘の保育園迎えに行きます。

お迎え後、娘は家族と楽しく夜を過ごしますが、

キャップはひとりで公園に残ったまま、 
風雨に晒されたままです。
そのうち処

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短歌:娘と珈琲店主

短歌:娘と珈琲店主

「いいにおい」娘の大きな声を聞き
煙から現る珈琲店主

私はコーヒーが大好きで、
行きつけの自家焙煎珈琲豆屋さんがあります。
お店には珈琲の良い香りと、煙や珈琲粉が立ち込めています。

店主のおじいさんは1人で切り盛りしているので、
忙しそうにしていると声をかけるタイミングに迷うことも。

でも、珈琲の香りが好きな次女(4歳)が店頭で
「いいにおい!」と叫んだら、
店主が煙の中からにっこりと現れま

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短歌:祖母の戦争体験

短歌:祖母の戦争体験

畔道で機銃掃射を受けた祖母は
操縦士の青い目を見た

疎開中祖母が狙撃を受けた畔
ストリートビューの「ヘ」の字を進む

他界した祖母は、戦争中に疎開していたそうです。

田んぼの畔道を歩いていたところ、低空飛行の戦闘機から機銃掃射を受けたとのこと。操縦士の目の色が青というところまで見えたそうです。

祖母は咄嗟に稲の中に転がり込んで、九死に一生を得ました。
この時に祖母が死んでいたら、母は生まれず

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