アルチ

考えぬ人

アルチ

考えぬ人

マガジン

  • アルチノテ~アルチノカナタ~

    私は思う

  • アルチノテ~アルカワヤナギ~

    或川柳

  • アルチノテ~アルシノハカバ~

    短文

記事一覧

正しい文章の書き方

この場で文章を綴るようになってから、膨大なる月日が流れてしまった。私が憤りを覚えるのは、悲しいかな、文章の、その正しさを知らぬままに筆をとる者たちの存在である。…

アルチ
5日前
19

川柳~「月綺麗 あなたのことは 大嫌い」~

「人として 失格だよ」と 格上げる 蜘蛛の糸 其の結末も 神の意図 日の光 借りずも燃える 自の怒り よき友の 裏切りすらも 宝玉よ 食らう死も 生きてる方に 味方する …

アルチ
9日前
6

お前のため

緑 生い茂る公園の 僕だけが座る そのベンチ 白い部分の その裏の 汚れた ある血は どんな味? ねえ その前はなんだった? ねえ その後はなんになる? もしも僕だと…

アルチ
12日前
2

緑の領域

公園で虫がないている 緑に囲まれた公園のベンチ。僕は正直にいうと虫が苦手だ。何年も触れていない。 腕にとまっていた蚊をたたくと赤く滲んだ。手を洗うために立とうと…

アルチ
13日前
6

とりあえずnote

とりあえずビール そこから始まった私の独り呑みは、ジン、テキーラ、ウォッカ、焼酎らを炭酸で薄めることにより、嗜好品としての相性を深めることに成功していた。うまい…

アルチ
2週間前
13

【ポエム】溢れる思い

溢れる思いをぶら下げて 私はそこでぶちまける 焦りを覚えた待ち人は その先客へと思いを放つ 「いつまでもなにやってんだよ!」 鏡の男に伝えたい 溢れる思いにフタ…

アルチ
3週間前
5

犯人はタケダ

食べ物の恨みって怖いよね 自然が織りなす絶景を一望しながら私はまたがっていたホウキから「とうっ」飛び降りて体操選手のように「ほっ」華麗なる着地を決めた。数分後の…

アルチ
3週間前
8

完璧な文章

完璧と完成は相容れない 完璧へと到達するための、さらなる改良、さらなる向上、その可能性のすべてを放棄して、この世界線に最終的な形態を与えられてしまう事。人はそれ…

アルチ
1か月前
10

重みよあれ

短いナイフは切れ味 勝負 軽やかに俺は振り回す 「いっ!?っぎゃ~~~~っ!」 勢い余って逆の手 切ったー!!

アルチ
1か月前
3

自分探しの旅に出よう

思い立ち 玄関開けると そこにいた あたりまえに入ってきた 何日たってもここにいる やっぱり我が家が一番である 「どっかいけよ! 双子と思われるだろ!!」 「お前…

アルチ
1か月前
5

ストレート

真っ直ぐな文章っていいよね!憧れちゃうよね!!小賢しい事ぬきで、伝えたい事をちゃんと伝えようとしてるよね。ぶっこめるだけぶっこもうとして、途中でバランスわりーか…

アルチ
1か月前
3

孤独の対義語

確かにうなされ目覚めたけれど、夢の中まで思い出せない。乾いた喉を潤して、ベッドに身体を横にする。できることなら、もう少し……できることなら、もう一度…… 眠れな…

アルチ
1か月前
5

今その気分

根差した思いに火をつけて 是か非かの問いに意をつけて そこに天地の差はあろう 髪一重の気苦労であろう さらなる志向の道を行き はばかる思考の未知と着き 投げろよ…

アルチ
1か月前
4

風に吹かれて我々は……

火照る身体はそのままに 無理矢理 俺は抱き締めた 首振る お前の弱さなら 強さにかえて 声 宇宙人

アルチ
1か月前
3

アバウト ア ガール

その昔、旅人に憧れを抱く、その者に、旅と旅行の違いを長々と説法された記憶がある。その内容は、ほとんど思い出せないのに、やたらと押し付けがましかった事だけは、なぜ…

アルチ
1か月前
2

川柳~能書きを 圧縮しては 五・七・五~

布石なら 我が虚像をも 無敵かな 内心は 閉じ込められた 怪人か 多数決 負け越しすねる ケルベロス 忙しい 時間に行くと 目が怖い 守るなら 盾に鎧に 寡黙かな めぐる…

アルチ
1か月前
7

正しい文章の書き方

この場で文章を綴るようになってから、膨大なる月日が流れてしまった。私が憤りを覚えるのは、悲しいかな、文章の、その正しさを知らぬままに筆をとる者たちの存在である。今回は、その正しさを知る私が模範となり、皆へと正しい文章の書き方を伝授しようかと思う。胸の高鳴りは巣立ちのごとく、大空への飛翔をうながすべく、そのことわりを今ここに鮮明に書き記すとともに、その背に翼をさずけるとする。

まず正しさとはなにか

もっとみる

川柳~「月綺麗 あなたのことは 大嫌い」~

「人として 失格だよ」と 格上げる

蜘蛛の糸 其の結末も 神の意図

日の光 借りずも燃える 自の怒り

よき友の 裏切りすらも 宝玉よ

食らう死も 生きてる方に 味方する

人使い 「言葉」使えず 動かない

「実は成らぬ」 熟れて実の中 駄々漏れる

破レ飛ビ 雨モ風ニモ 負ケル傘
#夏目漱石 #太宰治 #芥川龍之介 #森鴎外 #川端康成 #谷崎潤一郎 #宮沢賢治 #名言

お前のため

緑 生い茂る公園の

僕だけが座る そのベンチ

白い部分の その裏の

汚れた ある血は どんな味?

ねえ その前はなんだった?

ねえ その後はなんになる?

もしも僕だと情けるならば

「お前のためだと この場で殺せ」

緑の領域

公園で虫がないている

緑に囲まれた公園のベンチ。僕は正直にいうと虫が苦手だ。何年も触れていない。

腕にとまっていた蚊をたたくと赤く滲んだ。手を洗うために立とうとすると、目のまえのトイレから出てきた青年が、空にむかって、なにかを放った。

僕になにかを投げつけてきたのかと思っておどろいた。立ち去った青年は、あとの状況を知らない。ベンチとトイレのあいだに、なにかが落ちてきた。

セミだった。経過か

もっとみる

とりあえずnote

とりあえずビール

そこから始まった私の独り呑みは、ジン、テキーラ、ウォッカ、焼酎らを炭酸で薄めることにより、嗜好品としての相性を深めることに成功していた。うまい。お茶は好むが酒では割らぬ、グラスワインは赤から白へ、ホッピーセットは白から黒へ、最後は熱燗二合でシメて、店出て歩けば千鳥足。

自宅に到着してシャワーを浴びはじめた時を境に、剣豪に切れ味の鋭い太刀でスパッと断ち斬られたかのごとく、次なる

もっとみる

【ポエム】溢れる思い

溢れる思いをぶら下げて

私はそこでぶちまける

焦りを覚えた待ち人は

その先客へと思いを放つ

「いつまでもなにやってんだよ!」

鏡の男に伝えたい

溢れる思いにフタをする

それはきっとウンコだよ
#ポエム

犯人はタケダ

食べ物の恨みって怖いよね

自然が織りなす絶景を一望しながら私はまたがっていたホウキから「とうっ」飛び降りて体操選手のように「ほっ」華麗なる着地を決めた。数分後の待ち合わせ時間に現れた依頼人と合流し、巨大な門を通り過ぎると、よく手入れのいき届いた庭園にそびえ立つ屋敷は亡霊の住み処のごとき異様な雰囲気を漂わせていた。高い木々が生い茂り日光の直射を遮る閉塞的な領域で、私は歩きながらただならぬ不気味な視

もっとみる

完璧な文章

完璧と完成は相容れない

完璧へと到達するための、さらなる改良、さらなる向上、その可能性のすべてを放棄して、この世界線に最終的な形態を与えられてしまう事。人はそれを完成と呼ぶ。それは妥協の産物でしかない。ゆえに、それらで形成された、この世界が完璧でないことは必然といえよう。無論、何事にも例外は存在する。

さっきポテチを食べながら、なんとなく、ぼ~っとしていると、ふと思いついたのだ。完璧な文章を。

もっとみる

重みよあれ

短いナイフは切れ味 勝負

軽やかに俺は振り回す

「いっ!?っぎゃ~~~~っ!」

勢い余って逆の手 切ったー!!

自分探しの旅に出よう

思い立ち 玄関開けると そこにいた

あたりまえに入ってきた

何日たってもここにいる

やっぱり我が家が一番である

「どっかいけよ!

双子と思われるだろ!!」

「お前がどっかいけよ!」

「ああ?どっちがどっちだったっけ?」

「どっちもどっちだろ」

「こんなことなら
見つけなきゃよかった」

「こんなことなら
探さなきゃよかった」

「簡単に見つかってんじゃねえよ」

「どっちもどっち

もっとみる

ストレート

真っ直ぐな文章っていいよね!憧れちゃうよね!!小賢しい事ぬきで、伝えたい事をちゃんと伝えようとしてるよね。ぶっこめるだけぶっこもうとして、途中でバランスわりーからちゅって、あっちは移動、そっちは捨てて、いつのまにやら、これが書きたくて始めてんす、みたいなセンテンスまでもが、消えてんす。魔球か?たまには勝負じゃ~ちゅってふりかぶるけど、途中でビビって、やっぱり、はさんでひねって、曲げて落としたくなっ

もっとみる

孤独の対義語

確かにうなされ目覚めたけれど、夢の中まで思い出せない。乾いた喉を潤して、ベッドに身体を横にする。できることなら、もう少し……できることなら、もう一度……

眠れない深夜に『妄想』が我が脳内に訪れる。今夜の題材はありそうでないものの存在らしい。例えば孤独の対義語などは調べても、その存在が確認できない。ひとりぼっちで寂しい様子を表す、その言葉の対義語に、我が妄想は興味を示す。断片的にだが、寂しくない様

もっとみる

今その気分

根差した思いに火をつけて

是か非かの問いに意をつけて

そこに天地の差はあろう

髪一重の気苦労であろう

さらなる志向の道を行き

はばかる思考の未知と着き

投げろよ自分 まだ待て自分

採との差異まで 今この気分

風に吹かれて我々は……

火照る身体はそのままに

無理矢理 俺は抱き締めた

首振る お前の弱さなら

強さにかえて 声 宇宙人

アバウト ア ガール

その昔、旅人に憧れを抱く、その者に、旅と旅行の違いを長々と説法された記憶がある。その内容は、ほとんど思い出せないのに、やたらと押し付けがましかった事だけは、なぜか木柱につけられたキズのように私の脳裏に鮮明に刻まれている。「やっぱり焚き火とかしながら、ひたりたい感じなん?」その質問に、なぜか、その者が機嫌を損ねてしまった事は、謎のひとつとして今もなお、暗い迷宮をさまよい続けている。「ふざけてるの?」

もっとみる

川柳~能書きを 圧縮しては 五・七・五~

布石なら 我が虚像をも 無敵かな

内心は 閉じ込められた 怪人か

多数決 負け越しすねる ケルベロス

忙しい 時間に行くと 目が怖い

守るなら 盾に鎧に 寡黙かな

めぐる四季 シキニヨウシキ めくる私記

怪獣の 街の破壊は 非効率

三手先 読んで読まれた 十手先

多数決 ヤマタノオロチ ヨブとヨブ

道化の詩 素顔さらせば 道化の死

きつそうだ 人の易きも 実像は