とりあえずnote



とりあえずビール


そこから始まった私の独り呑みは、ジン、テキーラ、ウォッカ、焼酎らを炭酸で薄めることにより、嗜好品としての相性を深めることに成功していた。うまい。お茶は好むが酒では割らぬ、グラスワインは赤から白へ、ホッピーセットは白から黒へ、最後は熱燗二合でシメて、店出て歩けば千鳥足。

自宅に到着してシャワーを浴びはじめた時を境に、剣豪に切れ味の鋭い太刀でスパッと断ち斬られたかのごとく、次なる記憶が存在しない。目覚めて気づけばベッドの上で、とある8月、休日の午後、つまりは今日である。つまらぬものを斬ってくれるな。当然に体調は優れていない。

昨日、いろいろ、お買い物をする予定だったが、お買い物をしないまま帰宅してしまった。お酒の前に、お買い物をすればよかったのだが、お買い物をすることなく、お酒を優先してしまった。お酒の後に、お買い物をしようと思っていたが、その余力があるかないかに関わらず、お買い物をしなければならないことを、すっかり忘れてしまっていて、お買い物をしないまま帰宅してしまった。ゆえに、私はまだ、お買い物をしていない。お買い物をしなくては。私は思う。このままじゃいけない。

目覚めてまもなく、noteをひらき、大いなるトラウマにより封印していた、今年初であるアクセス状況なるパンドラの箱に手をかけてしまった。どれくらいの人が読んでくれてるのかなぁ~?ドッキドキである。………………え?………………少なっ!……………え、え?…………………やっぱ少なっ!!…………え、あ、え?…………………え~と、見まちがいじゃないよねぇ?これ?……ゼロの数、何コか見おとしてないよねぇ?………………ちょ、ちょっとぉ~オドかさないでよもぉ~、男子~!…………なんでいっつも、ああなのかしら、まったく………………見まちがうゼロなんか最初からねえし………………なるほどね。うん、なるほど。わかってたよ、うんうん、わかってた。スキの数とかで薄々、感づいてはいた。

…………はぁぁぁあ?……………うっ…………うぅ~っ…………う、うぅぅぅうぉぉぉおおおーーーっっっ!!やってられるかーボケェェェッ!!!俺は怒ったぞーーーっっっ!いや!涙がこぼれ落ちそうだ!!むせび泣……オッ……オエェッ!きっとそれだ!!絶対そうだ!!!目の前にちゃぶ台あったら八コはひっくり返しちょるわっ!!泣いていいですか?ねえ?ホントに泣いちゃうよっ!大人なのに泣いちゃうよっ!いいの?ホントにそれでいいの?ねえ?

俺はスネた!もう書かねえ!俺はもう金輪際『お』とか『な』とかのチョンすら書かねえっ!『Q』のヘニョ~ンなんかもってのほかだ!『ま行』なんかに手ぇ出しちまったら手首いわすわコノヤロー!『漢字』なんか論外だコンチクショー!…………あ?ナニ見てんだぁコラァ!やんのかテメー!!やんねーよぉぉぉっっっ!!!イテテテテテテッ!心が、心が痛い!…………テメーよくもやってくれたなぁっ!!なにもしてねえよぉぉぉっっっ!!!もう絶対書かねえ!!決ーめたっ!俺はもう、そ~決~めた~んだ~っ!

それほどの熱量は最初からないので、やっぱりだらだらと続けてゆく次第である。もともと自己満足の延長だしね。なんか魔法とか使えるし……。しかし、残念は残念である。夢ならば覚めて欲しいと願うばかりである。かの中国の思想家であるソウシュウは、蝶々になり、ひらひらと舞う夢から覚めた時、自分が蝶々の夢を見ていたのか、蝶々が夢を見ている町長なのか、よくわからなくなったとか、じゃないとか、いつまで再開発をやるおつもりなんですか?っちゅって。その後、超腸の調子がわりぃからっちゅって、トイレに駆け込んだとか、じゃないとか。

最近noteを始めました、みたいな方々の中に沢山の読者にアクセスしてもらえてる人が何人もいて、確かに読みたいと思わせる魅力的な文章ではあるのだが、だとしてもよ、いくらなんでもよ、みんな集まるの早くね?読者多くね?とても不思議な気持ちでいっぱいである。

よそさまのことなんて全然気にしてませんけどなにか?みたいなそぶりをオモテではみせつつも、読者の増やし方みたいな内容の禁断の書物を片手に、キョロキョロしながら廊下とか階段とかに人がおらんか何回も確かめたあと、そろ~っと部屋の窓際の隅っこにいってカーテンにくるまって身を潜めて、息をころしながら、こっそりと本をひらいて読んでみると「地道に」とか「コツコツと」などといった文言に多く、いきついてしまうのである。こっちゃあ、秒で追い抜かれとるっちゅーに。マッハよマッハ、振り返ったら、もう遠すぎて見えんかったからね。関西人ではないけど、これはさすがに「どないやねん」である。これが噂に聞く他流の一派が使いこなすといわれている伝説の秘技、マーケチングスキルとかいうあれか?知らんけど。

……否、実力である。読みたいと思わせる魅力的な文章である。天井を見つめながらも自問自答は繰り返される。このままの方向性やスタイルで果たして続けていいのかと。起き上がって冷蔵庫を開けてみると、飲み物はなにも入っていなかった。食べ物もなかった。思いつきで書いちょるだけやから方向性とかスタイルとか、そんなもんは最初からなかった。あと使いかけのドレッシングはこんなにいらんやろ。入らん隙間にムリヤリ入れようとすんな。いろいろ中身を補充しなくては。なのに、私はまだ、お買い物をしていない。お買い物をしなくては。私は思う。このままじゃいけない。

喉の渇きに耐え抜きながらも次なる挙動を考える。最強の表現の自由を駆使して読者をゼロへと到達させる破滅の遊戯でも興じてみるか。継続して読んでくださっている数少ない物好きな方々には多大なる感謝を。私の枝葉をも根幹に見せかけたペテン師のごとき言葉に、いったいなにを感じ、なにを思い、今宵はどんなパジャマで、どんな夢を求めるのだろうか?されど私は知っている。余計なお世話であることを。

押しつぶされそうなほどの重力にあらがいながらも、私は固い意志に血をたぎらせ、己を奮い立たせている。脈打つ様も剥き出しな、あらわな姿に刮目せよ。大いなる次章への、大いなる扉を開くのは、お~いなるお茶へのもだえるほどの濃い渇望にほかならない。私はここで立っている。血よ駆け巡れ。時は訪れた。そして、私はまだ、お買い物をしていない。お買い物をしなくては。私は思う。このままじゃいけない。


とりあえずパンツ















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