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映画を見て何か言っています。(20代・マスコミ編集)

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執筆記事まとめ(2024.01〜随時更新)

2024年執筆記事まとめ(順次更新) 1月カラオケ行こ! みなに幸あれ 神さま待って!お花が咲くから 2月熱のあとに 同感 時が交差する初恋 ソウルメイト 3月きまぐ…

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2か月前
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映画『ガザの美容室』ネタバレ感想/私たちの日常が彼女たちの非日常

連日、ガザ地区について報道されている。ガザ地区は、以前からイスラエル軍に包囲され、数年おきにイスラエル軍から攻撃を受けていた。世界にいる難民の5人に1人がパレスチ…

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3日前
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映画『SECRET NAME』ネタバレ感想/生きるための選択と偽れないもの

「私が洗濯女の娘であっても、愛してくれますか?」 洗濯女の娘として生まれ、父親が誰かも知らないネリー。彼女が今までの人生で得た教訓は、“救いの手に噛みつかない”…

A子
5日前

2024年内に読みたい本

もっと読書に時間を費やしたいと思いつつもなかなか集中力が保てず、気づけば積読ばかり増えていく。自分用のメモとして、積読本や読みたい本をリストアップしておく。でき…

A子
6日前
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日活ロマンポルノ『エロスの誘惑』ネタバレ感想/それっぽいファムファタール

藤田敏八監督といえば、秋吉久美子を主演作にむかえた『赤ちょうちん』『妹』『バージンブルース』や梶芽衣子の『修羅雪姫』と一般映画は好きなものがちらほら。 しかし、…

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8日前
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映画『ずっと独身でいるつもり?』ネタバレ感想/30代のリアル?

ふくだももこ監督の『君が世界のはじまり』が好きで期待していたが何とも…。結婚観や20〜30世代の女性を取り巻く環境が変わりつつある今、この題材を女性監督が撮ることに…

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12日前
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映画『手』ネタバレ感想/おじさんが好き…でも痛烈

日活ロマン・ポルノ60周年を記念して、「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」として、新たな日活ロマン・ポルノが制作された。その1つが『手』である。 監督は、『ち…

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2週間前

韓国映画『オマージュ』ネタバレ感想/先代に捧ぐ女性監督の物語

本作を知るきっかけとなったのは、『韓国女性映画 わたしたちの物語』(河出書房新社・夏目深雪編)であった。韓国の女性監督を取り巻く状況についての記述があり、本作を…

A子
2週間前
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絶対に終電を逃さない女『シティガール未満』読書感想

前回🔽 時折私は、ビビッとくる本を求めて本屋をぷらぷら彷徨う。そして財布を開きため息をつく。また今度…と欲しいものリストに入れて本屋を立ち去る。そして思い出した…

A子
2週間前
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MY課題映画感想/2024.04

今月の課題映画 大和(カリフォルニア) 大和市の空気感はよく知らないのだが、アイデンティティの揺らぎ、行き場のない苛立ち、息苦しさは伝わってきた。しかし、それ以…

A子
2週間前
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韓国映画『成功したオタク』ネタバレ感想/ドキュメンタリー映画

ある日“推し”が犯罪者になった。実際のK-popスターのファンであった監督が、同じような体験をしたファンにインタビューをしていくドキュメンタリー。 背景を知るために…

A子
2週間前
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中国映画『呪霊 八つの棺の呪い』ネタバレ感想/恐怖の試写会

以前、『戦慄のリンク』でも触れたが、中国では幽霊の存在を認めてはいない。そのため、本作も悪霊が出てくるとはいえ、恐らく悪霊ではなく人的なものであろうという予想は…

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3週間前
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韓国映画『デシベル』ネタバレ感想/復讐と生き残ってしまった苦悩

『THE WITCH 魔女 増殖』で登場シーンは少なかったものの、存在感のある役を演じたイ・ジョンソク。他の出演作も見たいと思っていたところに公開されたが、なかなか予定が…

A子
3週間前
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『国葬』ネタバレ感想/ドキュメンタリー映画

1953年、スターリンが死去し、国葬が行われた。その時のアーカイブ映像がリトアニアから発掘された。そのアーカイブ映像を再構築したのが、本作である。本作の内容に触れる…

A子
3週間前
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チョン・ソヨン『#発言する女性として生きるということ』読書感想

前回🔽 チョン・ソヨン『#発言する女性として生きるということ』を読み終え、チェッコリで行われたチョン・ソヨンのトークイベントをオンラインで視聴した。読みながらぐ…

A子
3週間前
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映画『赤の涙』ネタバレ感想/軍事政権化の学生運動を描く

スペイン、ウルグアイ合作。1975年の軍事政権下を舞台に、学生運動に身を投じ、拷問の末投獄された女性の生涯を描く。中南米の歴史に明るくないので、こんなことがあったの…

A子
4週間前
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執筆記事まとめ(2024.01〜随時更新)

執筆記事まとめ(2024.01〜随時更新)

2024年執筆記事まとめ(順次更新)

1月カラオケ行こ!

みなに幸あれ

神さま待って!お花が咲くから

2月熱のあとに

同感 時が交差する初恋

ソウルメイト

3月きまぐれ

ビニールハウス

12日の殺人

4月大阪カジノ

成功したオタク

貴公子

異人たち

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命

5月青春18×2 君へと続く道

映画『ガザの美容室』ネタバレ感想/私たちの日常が彼女たちの非日常

映画『ガザの美容室』ネタバレ感想/私たちの日常が彼女たちの非日常

連日、ガザ地区について報道されている。ガザ地区は、以前からイスラエル軍に包囲され、数年おきにイスラエル軍から攻撃を受けていた。世界にいる難民の5人に1人がパレスチナ難民と言われるほど深刻な問題となっていた。

そんながガザ地区を実質支配しているのがハマスである。イスラム原理主義の武装集団である。映画『ガザの美容室』の劇中で、「敬虔な信者だからってハマスを支持しているわけではない」というセリフがある

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映画『SECRET NAME』ネタバレ感想/生きるための選択と偽れないもの

映画『SECRET NAME』ネタバレ感想/生きるための選択と偽れないもの

「私が洗濯女の娘であっても、愛してくれますか?」

洗濯女の娘として生まれ、父親が誰かも知らないネリー。彼女が今までの人生で得た教訓は、“救いの手に噛みつかない”ことであった。冒頭、雇い主にセクハラを受け拒否するも、その姿を見た妻が激怒、使用人をクビになる。

路上で体を売っている女に、「戻ってきたのか」と聞かれ、「違う」と否定するも、声をかけてきた男性相手に体を売る。生活のためなら突っぱねるより

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2024年内に読みたい本

2024年内に読みたい本

もっと読書に時間を費やしたいと思いつつもなかなか集中力が保てず、気づけば積読ばかり増えていく。自分用のメモとして、積読本や読みたい本をリストアップしておく。できれば2024年内に読みたいという、これは目標ではなく願望。読み終えたら随時チェックを入れていく予定(は未定)。

●積読本フリーダム 香港人の自由はいかにして奪われたか、それをどう取り戻すか

著:羅冠聡、方禮倫
訳:中原 邦彦

ティンダ

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日活ロマンポルノ『エロスの誘惑』ネタバレ感想/それっぽいファムファタール

日活ロマンポルノ『エロスの誘惑』ネタバレ感想/それっぽいファムファタール

藤田敏八監督といえば、秋吉久美子を主演作にむかえた『赤ちょうちん』『妹』『バージンブルース』や梶芽衣子の『修羅雪姫』と一般映画は好きなものがちらほら。

しかし、桃井かおり出演の日活ロマンポルノ『エロスは甘き香り』がなかなかカオスで中途半端な映画だっただけに日活ロマンポルノは…という印象があったが、本作もまた然り。

東京デルタ区にある倉庫群の一角、三好ゴム第一倉庫。ここでは、夜学に通う典型的なエ

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映画『ずっと独身でいるつもり?』ネタバレ感想/30代のリアル?

映画『ずっと独身でいるつもり?』ネタバレ感想/30代のリアル?

ふくだももこ監督の『君が世界のはじまり』が好きで期待していたが何とも…。結婚観や20〜30世代の女性を取り巻く環境が変わりつつある今、この題材を女性監督が撮ることに期待しすぎたのかも。

雨宮まみの連載が2013年、おかざき真里のコミックが2015年であるとはいえ、結局今までのテンプレのキャラクターから抜け出せていないように感じた。特に松村沙友理演じる港区女子や、徳永えり演じる子育て世代の女性の置

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映画『手』ネタバレ感想/おじさんが好き…でも痛烈

映画『手』ネタバレ感想/おじさんが好き…でも痛烈

日活ロマン・ポルノ60周年を記念して、「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」として、新たな日活ロマン・ポルノが制作された。その1つが『手』である。

監督は、『ちょっと思い出しただけ』の松井大吾監督。さわ子役は、『彼女はひとり』『本気のしるし 劇場版』の福永朱梨。森役は、『猿楽町で会いましょう』の金子大地。日活ロマンポルノというより、恋愛映画という印象だが、私のような20~30代

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韓国映画『オマージュ』ネタバレ感想/先代に捧ぐ女性監督の物語

韓国映画『オマージュ』ネタバレ感想/先代に捧ぐ女性監督の物語

本作を知るきっかけとなったのは、『韓国女性映画 わたしたちの物語』(河出書房新社・夏目深雪編)であった。韓国の女性監督を取り巻く状況についての記述があり、本作を監督したシン・スウォン監督についても取り上げられていた。

シン・スウォン監督は、韓国初の女性映画監督パク・ナモクと2人目のホン・ウノンについてのドキュメンタリーを手がけた。その際に2人の監督と親交があったという女性編集者と出会い、この映画

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絶対に終電を逃さない女『シティガール未満』読書感想

絶対に終電を逃さない女『シティガール未満』読書感想

前回🔽

時折私は、ビビッとくる本を求めて本屋をぷらぷら彷徨う。そして財布を開きため息をつく。また今度…と欲しいものリストに入れて本屋を立ち去る。そして思い出した時に、そうだ買ってしまおうとポチる。ネットでポチるのではなく、本屋で買えば良かったなと思いつつ。

本作もそんなビビッときた本の一つ。著者名もタイトルもいい。私は意図的に終電を逃すこともあるし、ボケボケして意図せずに終電を逃すこともある

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MY課題映画感想/2024.04

MY課題映画感想/2024.04

今月の課題映画

大和(カリフォルニア)

大和市の空気感はよく知らないのだが、アイデンティティの揺らぎ、行き場のない苛立ち、息苦しさは伝わってきた。しかし、それ以上にクサさを感じてしまい、模倣から本物へと踏み出すクライマックスも共感性羞恥で見てられなかった。

(★★☆☆☆)

衝動

若者の息苦しさ、澱んだ社会の縮図をベースにしつつもエモーショナルな演出がひたすら寒い。倉悠貴さんと見上愛さんが

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韓国映画『成功したオタク』ネタバレ感想/ドキュメンタリー映画

韓国映画『成功したオタク』ネタバレ感想/ドキュメンタリー映画

ある日“推し”が犯罪者になった。実際のK-popスターのファンであった監督が、同じような体験をしたファンにインタビューをしていくドキュメンタリー。

背景を知るために、発端となった事件について触れていく。事件は2018年にソウルの江南区にあったクラブ「バーニング・サン」で、セクハラを受けた女性を助けようとした男性が暴行を受けたことから始まり、多数のスターが性的暴行や売春斡旋、違法薬物取引などに関与

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中国映画『呪霊 八つの棺の呪い』ネタバレ感想/恐怖の試写会

中国映画『呪霊 八つの棺の呪い』ネタバレ感想/恐怖の試写会

以前、『戦慄のリンク』でも触れたが、中国では幽霊の存在を認めてはいない。そのため、本作も悪霊が出てくるとはいえ、恐らく悪霊ではなく人的なものであろうという予想はできるが、どう整合性をつけるのかが気になるところである。

冒頭から意味ありげに道士が出てくる。道士は道教における修行した仙人のような存在である。仏教でいう僧に近いだろうか。映画の内容なのが現実の世界なのか…どうやら前者のようだが。

そし

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韓国映画『デシベル』ネタバレ感想/復讐と生き残ってしまった苦悩

韓国映画『デシベル』ネタバレ感想/復讐と生き残ってしまった苦悩

『THE WITCH 魔女 増殖』で登場シーンは少なかったものの、存在感のある役を演じたイ・ジョンソク。他の出演作も見たいと思っていたところに公開されたが、なかなか予定が合わず配信レンタルにてやっと見ることができた。

イメージチェンジのためか分からないが、若手俳優が悪役や狂気的な役を演じることが多いなと思う。

イ・ジョンソクが影のあるテロリストを演じ、孤軍奮闘する元海軍副艦長を演じるのは、『江

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『国葬』ネタバレ感想/ドキュメンタリー映画

『国葬』ネタバレ感想/ドキュメンタリー映画

1953年、スターリンが死去し、国葬が行われた。その時のアーカイブ映像がリトアニアから発掘された。そのアーカイブ映像を再構築したのが、本作である。本作の内容に触れる前に、スターリンについてみていこう。

グルジアに生まれ、民族的にはグルジア人であったスターリンは、マルクス主義に傾倒し、革命を起こし、崩壊した帝政ロシアの後にソビエト政権を主導したレーニンのもとで参謀として活躍した。

1924年のレ

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チョン・ソヨン『#発言する女性として生きるということ』読書感想

チョン・ソヨン『#発言する女性として生きるということ』読書感想

前回🔽

チョン・ソヨン『#発言する女性として生きるということ』を読み終え、チェッコリで行われたチョン・ソヨンのトークイベントをオンラインで視聴した。読みながらぐるぐると考えたことを一つ一つ整理しつつまとめていこうと思う。

何気なく書店でこのタイトルが目に入り、ふと手に取った。本当はイム・ソルアの『最善の人生』を探していたのだが…。(その本は置いてなかった)

手にとってぱらりと中に目を通し、

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映画『赤の涙』ネタバレ感想/軍事政権化の学生運動を描く

映画『赤の涙』ネタバレ感想/軍事政権化の学生運動を描く

スペイン、ウルグアイ合作。1975年の軍事政権下を舞台に、学生運動に身を投じ、拷問の末投獄された女性の生涯を描く。中南米の歴史に明るくないので、こんなことがあったのかと非常に興味深い映画であった。

中南米といえば、1950年代のキューバ革命は聞いたことがあるかもしれない。チェ・ゲバラ、フィデロ・カストロを中心とした武装解放闘争である。

勿論キューバ革命の影響は他の国にも波及した。しかし、そのよ

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