A子

編集者兼ライター。主に映画のこと。

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    毎月10本課題映画を選び、感想をまとめたもの。

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  • ラブコメ?Not for me?

    ラブコメ、キラキラ映画は苦手だが…Not for meなのか?の検証しつつ。レビュー記事まとめ。

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執筆記事まとめ(2024.01〜随時更新)

2024年執筆記事まとめ(順次更新) ⏩執筆記事一覧 1月カラオケ行こ! みなに幸あれ 神さま待って!お花が咲くから 2月熱のあとに

    • MY課題映画感想/2024.10

      武道実務官 『ミッドナイト・ランナー』に続き、警察官とは違う立場から市民を守ろうと奮闘する、分かりやすいエンタメだが、正直見ていて疲れた。ヒロイズムここまで苦手だったかな。アクションは盛り上がるものの、性犯罪がテーマにあったからかな…よくわからないが、げんなりした。 いや、待て待て。そもそも私『ミッドナイト・ランナー』もそんなにハマれてなかったわ。マッチョな体育会系のヒロイズムがそもそもそんなのれないんだった。『ディヴァイン・フューリー』は好き。師弟関係の方が入ってきやす

      • 年間ベスト10〜2023〜

        ①aftersun/アフターサン 自分がその年になってみてわかる、あの時の大人にも、親にもなりきれていない不安げな父の背中。大好きで、求めている言葉が欲しくて。でも嫌われたくなくて1人でぽつんといじける寂しさ。わかって欲しかったけれど、それ以上に分かってあげたかった。 ②シャドウプレイ完全版 ③兎たちの暴走 あなたのためなら何だってする。 父の再婚相手とうまくいっていないシュイ・チンの元に、生まれて間もない頃出て行った実母チュー・ティンが戻ってくる。 自分のために

        • 韓国映画『戦と乱』ネタバレ感想/時代劇ブロマンス

          『お嬢さん』(2017)、『別れる決心』(2023)のパク・チャヌクが脚本を手がけ、監督は『ミッドナイトFM』(2012)のキム・サンマン。主従関係から敵対関係になっていく2人をカン・ドンウォン、パク・ジョンミンが演じた。 実を言うと、私が韓国映画にハマったきっかけはカン・ドンウォンなのである。2024年は『憑依』に続き、『戦と乱』と新作が続けて見ることができて嬉しい。 そして、パク・ジョンミンである。若手の中では群を抜いて演技も演じる役柄も好きな役者だ。若手と思ってみて

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          年間ベスト10〜2019〜

          殿堂入りソローキンの見た桜 日露戦争下、愛媛県松山市にあった捕虜収容所を舞台にロシア兵と看護婦の純愛。美しい松山の自然と日露それぞれよ良さが上手く組み合わさった美しい物語。そして今なお日露を結ぶ架け橋という意味でも忘れてはいけない映画でもある。 兎にも角にも2人の美しい純愛が良いのだが、条約改正に躍起になる日本軍とロシア革命を前に不穏なロシアの様子が描けていた点、素朴な日本の良さが感じられる点等々非常に好感。 年間ベスト①サスペリア 丁寧に構築されたとんでもない変態映

          年間ベスト10〜2019〜

          年間ベスト10〜2020〜

          年間ベスト①コロンバス 無機質な建物も君の吸い寄せられような瞳に吸い寄せられて、息づいて見えてくる。人々の営みが建物を息づかせ、君と共に見るから違って見える。心の中にあったわだかまりが少しずつ溶けていき前に進んでいく。心地よい余韻に包まれる美しい映画。 ②オリ・マキの人生で最も幸せな日 何も求めてないのにどうして失望するの。勝手に期待した人が失望してもあなたのせいじゃない。オリ・マキの人生は彼のもので、期待に応える必要なんてない。自分の居場所に気づき貫くことは難しい。だ

          年間ベスト10〜2020〜

          年間ベスト10〜2021〜

          年間ベスト①春江水暖 しゅんこうすいだん 年老いた母、4人の兄弟、その子…都市開発に置いていかれた小さな川沿いの街。時代と共に変わりゆくもの、変わらないもの。日常の小さな渦も長い人生の中で流れ、移ろいゆく。四季の移ろいを山水画のように切り取る美しさ。鑑賞後の余韻を上手く言葉にできない。 家族や伝統、そういうしがらみをどこかで面倒だと思っていた。新しい時代を生きているのにそんなことに雁字搦めにされたくないと。長い歴史の流れの中に生きている、私も壮大な流れの中にいることを忘

          年間ベスト10〜2021〜

          年間ベスト10〜2022〜

          年間ベスト①さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について 君は何かを失ってでも得ようとする人、僕は同じようには生きられない。変わりゆく時代の中、行き先を求め足掻いた。ふとした会話にハッとさせられ時代に翻弄されるファビアンの姿をどこかで見たような不思議な感覚。 恐らく、私自身がまさに今色々な選択肢を迫られていると感じていて。本当に今のままでいい?と悩み、全てを投げ出して彷徨いたい気持ちと、待ってくれない渦の中で言葉にできない焦りを感じている。焦らなくていいなんて言葉

          年間ベスト10〜2022〜

          仏映画『あのこと』を見て/フェミニズムにまつわるあれこれ

          映画『あのこと』をみて、改めて色々フェミニズムやそれにまつわる最近色々なムーブについて、映画を中心に考える。(2022年の覚書) 分かりやすさの弊害 近年印象的であったフェミニズム映画として、『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)がある。確かに、興味深い視点ではあるが、その結末はナンセンスである。 親友を救えなかった後悔から、派手な格好をして酔ったふりをし、そんな彼女を家に連れ帰ってあわよくば性行為しようとする男に制裁を加えている。 これは単なる私刑で、復讐の

          仏映画『あのこと』を見て/フェミニズムにまつわるあれこれ

          中国映画『シャドウプレイ【完全版】』ネタバレ感想/激動の時代を駆け抜ける

          公開が決まっていたのに延期となり、どうなったのだろう…と思っていた。当局の検閲の問題があったようだ。2019年の第20回東京フィルメックスでは、完全版ではなく、中国で公開されたバージョンでの上映であった。今回上映されたのは、4~5分ほど長い完全版となる。 映画は2013年、都市開発に反対する住民の暴動から始まる。暴動を抑えるために警察が出動し、その後開発の責任者・タンが姿を現し、暴動が鎮まった後、不審死を遂げる。 事件を担当することになった若き刑事・ヤンは、亡くなった男と

          中国映画『シャドウプレイ【完全版】』ネタバレ感想/激動の時代を駆け抜ける

          韓国映画『ランサム 非公式作戦』ネタバレ感想/ハ・ジョンウ×チュ・ジフンの掛け合いの良さ

          ハ・ジョンウ×チュ・ジフンと言えば、まず思い浮かぶのは『神と共に』シリーズではないだろうか。『神と共に』でみせた2人のアクションも、キャラクターの相性の良さはとても良かったが、本作でもその相性の良さは顕在である。 監督を務めたのは、『最後まで行く』等のキム・ソンフン。ハ・ジョンウとは、『トンネル 闇に鎖された男』で共演している。 本作は、実際の出来事をベースにしつつも、エンタメに振り切ったポリティカルアクションになっている。2024年に公開された『ソウルの春』ほど重苦しい

          韓国映画『ランサム 非公式作戦』ネタバレ感想/ハ・ジョンウ×チュ・ジフンの掛け合いの良さ

          韓国映画『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』ネタバレ感想/パク・ソダムが女性ドライバーを演じる

          『パラサイト 半地下の家族』などのパク・ソダムが凄腕の運び屋を演じる。思えば、運び屋(もしくは逃し屋)を主人公にした韓国映画と聞かれ、パッと思い浮かぶものがない。ライアン・ゴズリングの『ドライヴ』や、ライアン・オニールの『ザ・ドライバー』など、ハリウッド映画であればいくつも浮かぶ。しかし、その中で女性の運び屋を描いた映画…となると、これまた思い浮かばない。(私が知らないだけかもしれないが)その点において、本作は非常に興味深い映画なのである。 とはいえ、韓国映画におけるカーチ

          韓国映画『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』ネタバレ感想/パク・ソダムが女性ドライバーを演じる

          仏映画『助産師たちの夜が明ける』ネタバレ感想/助産師も人間だ

          最初は、ドキュメンタリーだと思っていたが、途中で劇映画だと気づき、驚いた。 俳優と助産師が共に参加するワークショップを経て撮影されたという本作。ドキュメンタリーのようなリアルタッチで描かれているだけでなく、出産シーンの中には実際の映像も使われている。 私自身、出産の経験はなく、立ち会ったこともない。当然、しっかりとした知識がある訳でもない。少し触れたことといえば、以前勤めていた会社で子育てや妊婦のための雑誌の制作に携わっていたくらい。 正直言うと、小川糸さんの小説『つる

          仏映画『助産師たちの夜が明ける』ネタバレ感想/助産師も人間だ

          MY課題映画感想/2024.09

          声/姿なき犯罪者 キム・ムヨルが見たくて。妻が振り込み詐欺に遭い、復讐のため1人中国まで乗り込む元刑事。1人で潜入してそんなトントン行く?というところはあるが、組織犯罪の恐ろしさを描きつつ、程よくまとまったエンタメ作。それと、きちんと労働せずお金を得ると人はダメになるのかも。 (★★★☆☆) ホリデー 有銭無罪/無銭有罪 生中継され強烈なインパクトを残したという「チ・ガンホン脱走事件」を元に映画化。ソウル五輪直後、自分たちとは桁違いの金額を横領しても数年の刑であった

          MY課題映画感想/2024.09

          韓国映画『ホリデー 有銭無罪 無銭有罪』ネタバレ感想/政経癒着への悲痛な叫び

          『ホリデー 有銭無罪 無銭有罪』を知ったきっかけは、崔盛旭氏の著書『韓国映画から見る、激動の韓国近現代史歴史のダイナミズム、その光と影』であった。『アシュラ』と関連して紹介されていた。(以下の記事参照) 本作は、韓国で実際に起きた「チ・ガンホン人質事件」元にした映画である。1988年10月8日、護送中の車からチ・ガンホンと数人の仲間ら脱走する。最終的にチ・ガンホンを含めた4人が人質を囲い立てこもる。 逃走用の車を用意するように要求し、様子を見に行った1人が捕まり、残りの2

          韓国映画『ホリデー 有銭無罪 無銭有罪』ネタバレ感想/政経癒着への悲痛な叫び

          韓国映画『ソウルの春』ネタバレ感想/ファクションの危うさ

          『パラサイト 半地下の家族』を超え、2023年の韓国の観客動員数1位となる大ヒットを記録した映画『ソウルの春』。 本作は、史実を元にしたフィクションであり、このような映画をファクションとも言う。ファクションは、歴史的事実(fact)とフィクション(fiction)と織り交ぜて描いた作品のこと。 韓国映画において、2010年代から民主化運動を中心としたファクション映画の傑作が製作され、ヒットを記録している。『タクシー運転手 約束は海を越えて』がその代表作といえよう。 この

          韓国映画『ソウルの春』ネタバレ感想/ファクションの危うさ