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映画『ずっと独身でいるつもり?』ネタバレ感想/30代のリアル?

2021年制作(日本)
監督:ふくだももこ
原案:雨宮まみ
原作:おかざき真里
キャスト:田中みな実、市川実和子、松村沙友理、徳永えり、稲葉友、松澤匠、山口紗弥加、藤井隆、橋爪淳、筒井真理子、小柳津林太郎
配給:日活

ふくだももこ監督の『君が世界のはじまり』が好きで期待していたが何とも…。結婚観や20〜30世代の女性を取り巻く環境が変わりつつある今、この題材を女性監督が撮ることに期待しすぎたのかも。

雨宮まみの連載が2013年、おかざき真里のコミックが2015年であるとはいえ、結局今までのテンプレのキャラクターから抜け出せていないように感じた。特に松村沙友理演じる港区女子や、徳永えり演じる子育て世代の女性の置かれた状況やそこからの解放もどこかで見たテンプレのまま。多少、パパ活やSNSなど現代らしいアイテムが取り入れられてはいるが。

どこかで見たテンプレを批判するわけではないが、想定の域を出ない息苦しさではなく、令和らしい新たな女性のリアルさを求めていたのだ。

ラスト、田中みなみが「周りはいつまで独身でいるの?と結婚の予定は?とありがたいアドバイスをくれる、ありがとうございます。でも、うるせえよ。そんなの一番私が考えています」と言い放つシーンは確かに良かった。ああ、これを言いたかったのだな、とスッとする気持ちになる。

でもそれを言いたいがために分かりやすくクズ男(これも過去のテンプレでしかない)を持ってきたりと、絶妙にリアリティとズレたキャラクター性が目についてしまうのが残念。いつまでもためにためた怒りをぶつけるスカッとを人々は求めているのだろうか。

言ってやったぜ、とでも言いたげな演出(私がそう感じているだけかも)に、それもうナンセンスですよ、と私は言いたい。言いたいことを言いやすいような分かりやすい男女、世代間の対立構図はもういい。そういうことではない。

そう思うと、『あのこは貴族』の描き方は良かったかもしれない。それでも不十分さはあるが。

見出し画像(C)2021日活

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