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中国映画『呪霊 八つの棺の呪い』ネタバレ感想/恐怖の試写会

2017年制作(中国)
原題:恐怖電影院2
英題:The Haunted Cinema2
監督:ルー・スーレイ
キャスト:イン・グオアル、ホアン・シンチェン、リウ・シアオチー

以前、『戦慄のリンク』でも触れたが、中国では幽霊の存在を認めてはいない。そのため、本作も悪霊が出てくるとはいえ、恐らく悪霊ではなく人的なものであろうという予想はできるが、どう整合性をつけるのかが気になるところである。

冒頭から意味ありげに道士が出てくる。道士は道教における修行した仙人のような存在である。仏教でいう僧に近いだろうか。映画の内容なのが現実の世界なのか…どうやら前者のようだが。

そして急に若者たちが集められ、試写会を行うという。呼び出したのは映画館を作った理事長の娘・ムーチン。理事長は病に伏し入院中である。

集められた7人の若者たちは、浮気をしている男性の恋人と浮気相手の女性が一緒に集まっていたり、匂いに敏感な男性がいたり…とキャラクター設定はあるようで弱く、それぞれの人間関係もよくわからない。何よりムーチンとどういう関係なのかわからない。

映画の途中でムーチンは抜け出し、ムーチンが戻ってきた時は皆縛られ、ムーチンは謎の人物の指示で皆の血液をとるという。何でも映画館は鬼門がある場所の上に立っており、8つの棺で封印されていたが開発の際に封印が解かれたという。

悪霊を鎮めることで、父も助かると、謎の人物に言われたムーチンは血液を集める。しかし、ムーチン自身も謎の人物に利用されていたのだ。誰が何のために?目的は?人々の目の前に現れる女の霊は悪霊なのか?

明らかに悪霊ではない変な仮面をつけた人物が映るので人間がこの事件を計画したことは分かるのだが、目的が謎である。そこに現れた犯人らしき人物が映写士である。

息子が開発工事に携わっていた際に悪霊に殺されたという。その復讐としてムーチンを殺そうとする。ムーチンは抵抗し、逃げたが追ってくるはずの映写士は飛び降りてしまう。

事件は解決したのか疑問だが、場面は移り変わり映画館のオープンイベントになる。そこには入院していたはずの理事長であるムーチンの父が元気そうにオープンの感謝を述べている。

イベントには試写会に参加したメンバーの姿も。悪霊に命を狙われたというのに、よく普通にイベントに来るな…と思うがそれはいいとして。

ムーチンは元気になった父から開発工事で何があったのか聞く。映写士の息子が死に、もう1人も海辺で腐敗した死体で発見されたという。そしてそこにはチョウもいたという。チョウは試写会にも参加し、映画館の運営にも携わっている人物である。

ムーチンはチョウに開発工事のことについて聞こうとするも、ブレスレットをプレゼントされて聞くのをやめる。分かりやすいフラグが立てられ、映画を見ている最中に劇場を後にするチョウ。どう見てもそうだが、真犯人はチョウだったのである。

チョウは、工事に関わった自分以外の2人が亡くなったことで悪霊の祟りを信じ込み、開発者の一族も危ないと思う。こんな回りくどい計画を立て、8人の生贄を使って悪霊を鎮めようとしたのは、ムーチンを救うためというのが厄介である。

一目見てムーチンに恋したチョウは、悪霊の祟りがムーチンに降りかかってはいけないと思ったようだ。では悪霊の祟りは本当にあったのか?というのが疑問になるが、悪霊の存在を認める訳にはいかないようで、おいおい…なオチがある。

海辺で腐敗した死体として見つかった人物が実は別の人物の死体を使って自分の死を偽装したというのである。そして、恋人を使って悪霊の役を演じさせた。全ては工事の際に棺から見つかった腕輪を売って金儲けしたかっただけという。

2つあるはずの腕輪の1つが見当たらず、チョウが持っていると思い、悪霊を使って祟りは本物だと思い込ませた。理事長が入院したのも祟りでも何でもなかったのである。

更には飛び降ちたはずの映写士も何とか一命を取り留めて一件落着という。ありえないほど強引な種明かしに、だとしてもそこまでする必要がよく分からず、疑問点は多いが、総じて嫌いではない。80分ちょっとという見やすさもあるかもしれないが…。

ちなみに原題の「恐怖電影院2」や、英題の「The Haunted Cinema2」が分かるように本作は2になっている。調べてみると1はあるようだが、日本で見ることは出来なさそう。ストーリーに関連性があるのかもについてもよくわからなかった。

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