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#書籍
薄暗くて物悲しくてモヤモヤする10の物語 ~『10の奇妙な話』のレビュー
仕事が忙しすぎてぜんぜんブログを書く余裕(メンタル的にもフィジカル的にも)がなかったけど、私は元気です。
文芸書の装丁デザインは実用書よりかなり重要さて言わずもがなだが、本の装丁はめちゃくちゃ大事だ。
基本的に、まず本を手にとってもらうためには装丁で目を引かないと話にならない。
ビジネス実用書の場合、その意味では、少し楽な部分もあるかもしれない。
というのも、タイトルで思いっきり「読者のメリッ
平安時代のDQNはタチが悪い~『殴り合う貴族たち』のレビュー~
平安貴族……というと、『源氏物語』や百人一首など、色恋沙汰にうつつをぬかしながらのほほんと和歌でも詠んでいた人たちというイメージが強いと思うが、当然ながら彼等だって人間なので、怒りに身を任せて罵詈雑言を吐いたり暴力をふるったり殺人を犯したりする。
『源氏物語』という幻想
そもそもの話だが、『源氏物語』は紫式部の描いたフィクションであり、つまり、この作品は紫式部の「こんな世界だったら素敵よね」
企画には「そうきたか!」が必要
私は書籍の編集者なので、原稿に「赤入れ」をする。
「赤入れ」というのは、文章の間違いやよくない表現などを修正するために、赤ペンで書き込むことだ。いまはすべてパソコンのデータで作業しているので、最終的には、それをスキャンしてDTPデザイナーに送信し、無効のパソコンで修正してもらう。
で、最近、「赤入れってどうやって書けばいいんですか?」と尋ねられて、ふと思ったことがある。
校正記号はなん
袋とじは読者の驕慢を叩き潰す ~『生者と死者』のレビュー~
私たちは、本が普通に読めることに慣れすぎてしまったのではないか。
夜中に腹が減ればいつでもコンビニで食べ物が買えるのと同様に、金を出して本を手に入れれば、なんの苦労もなく次のページをめくれることを、さも読者として当然の権利と考え、驕りたかぶっているのではないだろうか。
そのような驕慢な読者の鼻先に突きつけられるのは、「袋とじ」という怪物である。
これは、本来製本の段階でノド(背表紙のほう)に