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✨錆びて動かなかったこころの秒針✨

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【錆びて動かなかったこころの秒針…完】

【錆びて動かなかったこころの秒針…完】

前回からの続き…。

針を手にすると
次から次にデザインが浮かんでくる。

わたしはそれを1つ1つ
形にしていった。

そして
順調にいっていたと思われる
メルカリでの販売だったが

ついに
問題が発生した。

最初
少しでも販売価格を抑えたい…
そんな気持ちがわたしの心にはあった。

だから
メルカリ便を使わず
普通郵便の定形外で発送をしていた。

そして
商品が売れたので
いつものように郵便局

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【錆びて動かなかったこころの秒針…⑨】

【錆びて動かなかったこころの秒針…⑨】

前回からの続き…。

メルカリでの
イヤリング販売を始めてからも
さざれ石の存在をずっと忘れることはなかった。

常に頭の中では
ぐるぐるとデザインを考えていた。

まず…
さざれ石を使ったアクセサリーを
販売している人がいないか?
アプリ内で検索をしてみた。

デザインを真似するつもりは全くないが
少しでも予防をしたかった。

その当時
わたしが調べたかぎり
さざれ石をフリンジにした人は
見当た

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【錆びて動かなかったこころの秒針…⑧】

【錆びて動かなかったこころの秒針…⑧】

前回からの続き…。

さぁ…
箱にどんどん溜まっていくヘアゴムたち…

これをどうしたらいいのか…

そして
これもご縁なんだろうなと思う。

義理の妹からの一言
「メルカリで販売したらいいんだよ。」

いやいや…
メルカリなんて…
無理無理…
ハードルが高すぎる…
たくさんの言い訳をした。

だけど
「はい、今からアプリを入れるよ」

彼女と一緒にアプリをインストールした。

昔から
なぜか困っ

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【錆びて動かなかったこころの秒針…⑦】

【錆びて動かなかったこころの秒針…⑦】

前回からの続き…。

はて…
さて…

さざれ石を買ったはいいがどうしよう…
頭の中でぐるぐると考え続けていた。

そして
とりあえず寝かせることにした。

そして
ビーズ針を手に入れたので

まずは
百均のビーズを買ってきて
練習をすることにした。

どれぐらいのヘアゴムを
作り続けただろうか…

これでもかというぐらい作ったと思う。

そして
もちろん上手ではないので

その残念な仕上がりのヘ

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【錆びて動かなかっただこころの秒針…⑥】

【錆びて動かなかっただこころの秒針…⑥】

前回からの続き…。

素敵な女の子のお母さんが
材料を一緒に買いにいく?と
誘ってくれていた事を思い出した。

そして
その日の朝になった。

下の子供を
幼稚園に送り出してからの出発。

相変わらず素敵なお母さんの横顔を見ながら
材料が売っているお店へと車を走らせた。

何処にでもあるような
ショッピングモールの中に
そのお店はあるのだが

ビーズのお店だけは
空気感が少しだけ違っていた。

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【錆びて動かなかったこころの秒針… ⑤】

【錆びて動かなかったこころの秒針… ⑤】

前回からの続き…

“できなくても仕方ないか”

そうやって
自分を誤魔化すわたしがいた。

逃げたい…
だけど、嫌だ…。

ずっと頭の中で格闘している。

最初から上手にできないとわかっていた。
だけど、どうしても完璧を求めてしまう。

この性格…
ほんとうに厄介だ。

気持ちの整理をするのが
ほんとうに大変だからだ。

わたしは
何を誤魔化そうとしているのだろう…

そして
あっという間に帰る

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【錆びて動かなかったこころの秒針…④】

【錆びて動かなかったこころの秒針…④】

前回からの続き…。

さあ
ようやく針を持ち
縫い付ける瞬間になった。

あのビーズも使いたい
このビーズも使いたい
気持ちばかりがどんどん焦っていった。

例えるなら
子供の運動会で
久しぶりに走る親の気持ちに近い。

子供に良いところを見せたい
だけど、いざ走るとなると
気持ちばかりが焦って足が全然回っていない
そんな感じだった。

ちなみに
今回作ろうとしているのは
フェルトに小さな茶色のカ

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【錆びて動かなかったこころの秒針… ③】

【錆びて動かなかったこころの秒針… ③】

前回からの続き…。

好きなように縫う…
どうやって??

だけど
その心配は一瞬でどこかへいった。

とっても素敵な
小さな女の子のお母さんが
引き出しからビーズをだしてくれたからだ。

わたしは思わず叫んだ。
「めっちゃ綺麗!!」

これはやばい
やばいぐらいに綺麗だ。

興奮しながらこころの中でまたそう叫んだ。

まず
1つ1つのビーズがとってもキラキラしている

そして
なんともいえな

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【錆びて動かなかったこころの秒針… ② 】

【錆びて動かなかったこころの秒針… ② 】

前回からの続き…。

やっと待ちに待った日
朝からソワソワしながら身支度をした。

こんなにもワクワクすることなんて
小さい頃に
初めてピアノの音色を聞いた以来だった。

あまり裕福でない環境で育ったわたしにとって
ピアノの音色を聞くことも
大きなピアノを間近で見ることも
その時が初めてだった。

その時以来のワクワク感が
この瞬間
また新しいワクワク感としてフラッシュバックした。

私にとっては

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【錆びて動かなかったこころの秒針… ① 】

【錆びて動かなかったこころの秒針… ① 】

私の目の前に
後ろ姿の小さな女の子がいる。

うわぁ…
すっごく綺麗…

ゴム?
ピン?何だろう?

わたしは
こころの中でそうつぶやいた。

女の子の髪の毛は
太陽の光に当たり
とってもキラキラと輝いていた。

少し遠くからでも
ハッキリと分かるぐらい
綺麗な輝きを放っていた。

わたしは
そのきれいな輝きに
一瞬で釘付けになった。

昔から
わたしは頭で考えるより
先に口が動いてしまうタイプで

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