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【錆びて動かなかったこころの秒針… ③】

前回からの続き…。


好きなように縫う…
どうやって??

だけど
その心配は一瞬でどこかへいった。

とっても素敵な
小さな女の子のお母さんが
引き出しからビーズをだしてくれたからだ。


わたしは思わず叫んだ。
「めっちゃ綺麗!!」

これはやばい
やばいぐらいに綺麗だ。

興奮しながらこころの中でまたそう叫んだ。

まず
1つ1つのビーズがとってもキラキラしている

そして
なんともいえない不思議な魅力がある。


「わたしを手にしてみて」

一瞬そんな声が聴こえたような気がした。

そして
目の前に置かれた1つのビーズを手にしている
わたしがいた。


そして
真っ直ぐに純粋に輝きを放っていた。

それに答えるみたいに
わたしも真っ直ぐにそのビーズを見つめていた。



ビーズ刺繍を始める前の
たった1つのビーズだけど 
1つ1つにきちんと意思があるみたいに
堂々と輝きを放ち続けている。


彼女というのは
ちょっと違うかもしれないけれど

不思議なぐらい
たっぷりと魅力が詰まっていた。


そして
こんなにも引き込まれるとは思わなかった。

これはもう一目惚れに近い感覚だと思う。





どうやらわたしは
ほんとうに小さな世界だけで生きてきたらしい。

こんなにも素敵なビーズが
この世にあるなんて知らなかったからだ。

いま思えば
素敵な百貨店や素敵なショップなどに行けば
目にする機会もあったかもしれない。

だけど
わたしは、昔から人混みが苦手なこともあって
出歩くことがあまりない。


ほんとうに
この瞬間まで
キラキラと輝くそのビーズたちとは
無縁だったのだ。


はじめて 
小さな女の子の髪の毛に結ばれた
ビーズ刺繍を見た時も感動した。

だけど
わたしは、まだ形になっていない
1つ1つのビーズのほうが
そのときの何十倍も感動したのだった。



なんといえばいいのだろう…
もちろん
ビーズ刺繍された後の
形となったビーズたちの輝きはとっても素敵だ。


だけど 
わたしは、人に対してもそうだけど
表面的なものより
どうしても内側の部分を知りたくなる

そしてそれを見たくなる。


そして 
縫う前の原石みたいなビーズたちを手にした瞬間

1つ1つから 
色々な意思を感じとった。

その瞬間
内側の部分を見れた感じがして
とても嬉しかった。


例えどんなに小さな存在だったとしても

決して自分らしく輝くことを諦めない“こころ”。


わたしは 
そんな想いだったり
強さなども1つ1つのビーズから感じとっていた。


たかがビーズでしょと思うかもしれない。

だけど
わたしにとってのあの瞬間は
たかがビーズとは思えないぐらい
そんな素敵な瞬間だった。

つづく。

読んでくれてありがとう。“なみ”ᵕ̈*

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