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【錆びて動かなかったこころの秒針… ⑤】

前回からの続き…


“できなくても仕方ないか”

そうやって
自分を誤魔化すわたしがいた。


逃げたい…
だけど、嫌だ…。

ずっと頭の中で格闘している。


最初から上手にできないとわかっていた。
だけど、どうしても完璧を求めてしまう。



この性格…
ほんとうに厄介だ。

気持ちの整理をするのが
ほんとうに大変だからだ。


わたしは
何を誤魔化そうとしているのだろう…


そして
あっという間に帰る時間になった。

わたしは
仕上がった処女作を手にして
家に帰ることにした。

だけど
帰ってからもぐるぐると考え続けた。



上手にできなくても仕方ないか…
そう思いながらも
なんだかしっくりとこない。


しっくりとこないのは
自分の本心じゃないと
薄々気づいているからだろうか…

わたしの本心…
素直な気持ちは
いったいなんだろう…



帰ってから
テーブルに置いていたビーズ刺繍に
改めて目を向けることにした。

相変わらず
キラキラと輝いていた。



だけど
やっぱりガタガタとしている…

わたしの心とは裏腹に
ビーズ刺繍は
そんなことなんて全く気にしない…

最初から変わらず
自信満々に輝き続けていた。

そして
その姿を見てわたしは覚悟を決めた。


下手なら上手になるしかない
今日よりも明日
少しずつ腕を磨いていこう。


そして
出来なくても仕方がないか…ではなく
出来ないなら上手になればいい。

最初から
そうやって素直に言えればよかった。


だけど
自信喪失していたわたしは
ほんとうの気持ちを誤魔化したのだ。

きっと
上手にならなかった時の為の
保険をかけていたんだと思う。


そんな保険をかけたところで
モヤモヤ感はなくならないと
無意識に知っているのに…。


そして
素敵な女の子なお母さんが
材料を一緒に買いにいく?と
誘ってくれた事を思い出した。


返事はもちろんオッケー

今日はもう寝ることにした。


つづく…。


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