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#小説
アラジン珈琲店 第一集<X版>
アラジン珈琲店 第一集<X版>
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①《アラジン珈琲店》
アラジン。茜色が西の空を染める頃から、濃紺が空一面に広がり始める時刻にかけて、いつの間にやら街角に忽然と姿を現す珈琲店。
とっぷりと日も暮れた。夜空に星々が白に黄色、オレンジに赤と踊り始めるころ、カラランコカランと扉を開ける音が響いた
【アラビアンナイト物語珈琲店】千一夜プラットフォーム2⃣マスターとシェイクスピア
2⃣マスターとシェイクスピア
「あの列車に乗る人はそもそもとても重くて、乗客定員数は5人。どうしてか3月頃になると列を作って並ぶことがあるもんです。まぁ5月6月の梅雨どきも乗客が多いですかなぁ。太陽が隠れがちな季節は、自然気がふさぎがちになるものです。頭上から太陽が燦燦と辺りを照らす南国の人は概して陽気といいますし、冬のロンドンの陰鬱さは有名なところですが、天候は土地の人々の気質として現れるだけで
アラジン珈琲店【X版】④《クリエイティブな脳の特性》
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これは、7月に他界された俳優さんがモデルとなった現代幸福論小説です。人の生死も扱った作品ですので、よろしければ①も合わせてお読みいただき楽しんでいただければと思います^^
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アラジン珈琲店【X版】⑤《人の成功vs失敗。耳を傾けるべきはどっち?》
⑤《成功vs失敗。耳を傾けるべきはどっち?》
「35000回?」
驚きを見せる翔子に芽衣は、平然と話した。
「その倍の7万回、それ以上判断をしていると言う方もいらっしゃいますわ。」
「7万回?それ以上。それって脳の回転の速さによるのかしら?おばあさんおじさんと、20代の人の差かしらね?一日にそんなに何某かの判断をしているなんて、自覚、まるでないわ。」
「あら、80代を超えても20代なみの認知機能を
アリババ珈琲店【X版】⑨《そっちは悲劇》
⑨
Xと翔子は顔を見合わせた。二人とも微妙な空気感を漂わせた。お手上げ状態であり、かつ好奇心もあるといった具合だ。マスターは珈琲の香りがするため息をついてから続けた。
「はぁ、なぜ、人は自らの問題にもっぱら外側に解を求めるんでしょうなぁ。なんでもかんでも外側に責任を求める輩は成長のない馬鹿者とほおっておくにしても成長意欲があり、自らを省みる力のある人でさえも外側を向く。ヒントを求めるのは、賢明な
アラジン珈琲店【X版】⑩《米国の暴動からさらに加速すること》
⑩マスターは珈琲を入れ始めた。すると途端2枚目の姿を現す。黙っていれば文句なしのダンディーなマスターだ。まるで無の境地にいるかのように静かに珈琲を入れる姿は、見るものに整った気持ちを与えさえした。あたりに珈琲の香りが立ち込めたとき、マスターは口をきいた。
「目下われわれはCOVID-19を退治できているわけではないですし、春になり温かくなって感染拡大が抑えられてもインフルエンザのように我々は付き