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【おやすみ前に、お砂糖ひとさじ】ゆたかさと共に生きるということ

ゆたかさと聞いて思い浮かべるものは、なんでしょうか。
暖かな部屋や、笑い合える関係。
あるいは、カーテン越しに見える空の色が鮮やかな日に、陽の光を眺めながら過ごす時間のことかもしれません。
ゆたかさは穏やかなイメージが強くて、その根底にあるのは、きっと心の在り方なのではないかと思います。

ゆたかさの根底にある心の在り方は、自分自身を大切にできることと、他者に想像力を働かせられること、この2点に焦点が当たります。
どちらかだけではゆたかさは成立しないと、私は考えています。

自分自身を大切にすることって、人によってはそれは自己中なのではないかと思うこともあるかもしれません。
自分を大切にするということが、"他者よりも自分を一番に考える"ということに思えて汚らわしいように感じてしまう、そういう罪悪感が故に、自分を大切にできなくなってしまう。
でも、自分を大切にするって、本当に大切なことだと思うのです。
"他者よりも"じゃなくて、"他者と同じくらい"自分を大切にすること、そうすることで、その先の"他者のためのこと"をより穏やかな気持ちで心からできるようになるから。
自分のどうしても欲しがりなゾーンが1mの円だとすると、そこの部分だけはできる限り満たして、それから他者のために動いていけたら十分です。
1.5mの円を描いたら少し自己中かもしれなくても、1mを描くことは必要なことです。
あなた自身を大切にすることは、あなたが壊れないで居続けるために、とっても必要なことになります。

そうやって自分自身を大切にできた先で必要なことが、他者に想像力を働かせられることです。
「相手の気持ちになって考えなさい」と言われてきた人もすごく多いと思うのですが、この想像力はそれだけでは少し足りなくて、"自分は嫌じゃないけれど相手は嫌かもしれない"と考えられることが、ここでいう想像力になります。
私はピンク色のワンピースがかわいいと思っても隣にいる友達は黒のサロペットがかわいいと言う、そんな時、その相手への誕生日プレゼントには、自分がかわいいと思うものではなくて相手がかわいいと思うであろうものを想像して贈ると思います。
誰かに言葉をかけたり行動したりすることも、贈り物のひとつです。
相手に応じた想像力を持ち合わせることで、傷つけたくないものを傷つけないでいられ、他者との関係性をより大切に扱っていける状態でいられます。

自分自身を大切にする力が足りていないかどうかは、苛立ちや悲しさが湧き上がってきた時に見極めてみてください。
無理をして他者のためを優先し続けていると、そういう気持ちになる瞬間が顔を出すことがあるかと思います。
そこで自分は何を欲しがっているのか、目を向け耳を傾けて、自分を満たすためのことをひとつでもやってあげてください。
「あなたは存在するだけで価値がある」自己肯定感が低い状態でも、これだけは忘れずに心の片隅に置いてたまに取り出してみてください。
自分自身を満たすことは自分だけのためではなくて、満たされて穏やかな気持ちになることで他者に攻撃的にならない状態であるためにも、何よりも優先して考える必要があることです。

そして、それが満たされた先の他者への想像力は、知性と経験から培われます。
物事を知ることはなんでも役に立つし、自分自身が経験してきたことも、全てあなたの糧になります。
いい一日を過ごせたことも、悲しい思いをした夜のことも、面白くなかった映画も。
吸収してきた全てのことが、他者の受け取り方や背景への想像力を豊かにすることへと繋がっていきます。
「人生に無駄なことなんてない」と言われることの所以はこういうことなんじゃないかなと私は考えています。

自分を満たして、その上で無理なく他者へ想像力を働かせること。
自分も他人も満たすこと。
大切な誰かのためにもあなた自身を満たすことがゆたかさに繋がる、そのことを思い返しながら、皆が日々を穏やかに過ごしていける状態であることを願っています。

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