世に倦む日日

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記事一覧

第3極のチャレンジが必要だ - 韓国やドイツの政治のように

立憲民主党の代表選の政策論議を聞いて分かったのは、自民党との対立軸を構成していた重要政策の柱を、全面的に撤回したり後退させたりしていて、自民党との政策の違いをな…

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解雇規制緩和を目玉政策で訴えた小泉進次郎の愚 - 祖法に固執する菅義偉の狂気

9/12、自民党総裁選が告示され、NHKで党本部での立会演説会が中継され、夜に報ステで討論会が行われた。生放送のスタジオに9人の候補者が並んだ。自民党総裁選の電波ジ…

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小泉進次郎一択でマスコミが宣伝に狂奔する自民党総裁選 - 自民党と政策の差がない図を強調する立憲民主党代表選

岸田文雄が先月 8/14 に首相退任の発表をした後、そこから約4週間、マスコミでは延々と自民党総裁選レースの報道が続いている。NHKの7時のニュースとNW9は皆勤賞で…

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中国軍機による初の領空侵犯 -「技術的ミス」だと強調した小谷哲男の解説

8月26日午前、中国軍のY9情報収集機が長崎県男女群島沖に飛来、日本の領空に侵入し、初めて領空侵犯が確認された。空自の戦闘機がスクランブル発進し、無線で警告を行…

世に倦む日日
2週間前
53

「台湾有事など起きない」と言う田岡俊次と内田樹 - 9条左派を眠らす権威の安心理論

台湾有事について、左派・護憲派の内部であまりに危機感が薄い問題を前回指摘した。左派・護憲派に、中国との戦争が間もなく始まるという認識がない。それは右派と自民党政権…

世に倦む日日
1か月前
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終戦の日の全国戦没者追悼式 - 平和憲法の国家式典、台湾有事後に廃止の運命か

終戦の日の式典で天皇がこう言っている。 毎度のルーティン・トークを退屈に聞き流していたが、今年は少し真面目に文言に接する気分になった。現上皇が読み上げていたとき…

世に倦む日日
1か月前
53

内田真一の真夏の本能寺 - 円キャリートレード解消の恐怖が株暴落の真相だった

東証が 8/5 に史上最大の下落幅4451円安をつけた翌々日、8/7 に日銀副総裁の内田真一が「金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」と発言、植田和男がコミ…

世に倦む日日
1か月前
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8月5日 令和のバブル崩壊 - 東証史上最高値から3週間で史上最大幅の暴落

8/5、東証が史上最大となる4451円安の暴落となった。令和のバブル崩壊の歴史的瞬間と言える。一昨日(8/5)はこの話題で朝からネットが騒然とし、興奮してXでポストを…

世に倦む日日
1か月前
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五輪憲章違反のパリ五輪開会式演出 -  体制に媚びて生き残るフランスの悲哀

7/27、パリ五輪が開幕した。開会式の演出をめぐって議論が起き、余波がしばらく続く状況となっている。問題となったのは、(1) 演出ショー後半の青い裸体のディオニソスが登…

世に倦む日日
1か月前
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誰が何のためにトランプを銃撃したのか - 暗殺未遂事件の不可解と政治的動機

日本時間の 7/14、トランプがペンシルベニア州で演説中に銃撃される事件が起きた。容疑者は20歳の若者トーマス・マシュー・クルックスで、銃撃直後にシークレットサービス…

世に倦む日日
1か月前
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今野忍と朝日新聞による蓮舫ハラスメント - 朝日新聞綱領・記者行動基準・新聞倫理綱領の違反

7/7 に東京都知事選の結果が出て2週間近く経ったが、3位落選した蓮舫に対して右翼からバッシングの嵐が執拗に続いている。その苛烈な誹謗中傷に便乗して、掉さすように、…

世に倦む日日
2か月前
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英国とフランスの議会選挙で左派が勝利 - 経済苦に喘ぐ無産民衆の選択と潮流

7/4 に行われた英国の総選挙で労働党が大勝し、14年ぶりの政権交代を実現した。また、その3日後の 7/7 に行われたフランス国民議会選挙の2回目投票で、事前の予想を覆…

世に倦む日日
2か月前
64

蓮舫陣営が自滅した東京都知事選 - 緊張感と戦略思考の欠如、マスコミによる石丸伸二宣伝の奸計

7/7、 東京都知事選の投開票があり、小池百合子が圧勝、石丸伸二が次点、蓮舫が惨敗という結果に終わった。悄然とさせられるが、蓮舫陣営の敗因分析を中心に論評したい。蓮…

世に倦む日日
2か月前
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中国の科学技術力 - 嘗て日本の子どもたちが夢見た未来空間へ日進月歩

先月、遠藤誉が「Nature の研究ランキング『トップ10』を中国がほぼ独占」と題した記事を書いた。Nature 誌を発行する英国の出版社が、科学技術研究における各国の大学・研…

世に倦む日日
2か月前
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夏目漱石『こころ』を読む - 日本の純文学の"北極星"的な不滅の古典

朝日新聞が発表した「この1000年『日本の文学者』読者人気投票」を見ると、夏目漱石が第1位になっている。手前味噌な臭いもするが、妥当な結果だろう。その漱石の作品…

世に倦む日日
2か月前
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フローにしか生きられない現代人 - 「墓じまい」を考える前段として

先月 、アメリカの調査機関が「世界中のWebコンテンツが日々消失中、10年間で4分の1が消えた」という報告を出していた。それによると、2013年に存在したWeb…

世に倦む日日
3か月前
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第3極のチャレンジが必要だ  -  韓国やドイツの政治のように

第3極のチャレンジが必要だ - 韓国やドイツの政治のように

立憲民主党の代表選の政策論議を聞いて分かったのは、自民党との対立軸を構成していた重要政策の柱を、全面的に撤回したり後退させたりしていて、自民党との政策の違いをなくしている事実だ。(1) 安保法制、(2) 消費税、(3) 原発、特にこの3本柱は、17年の枝野新党以前から、この党が自民党との立場の相違と優位性を強調し、国民に支持を訴えてきた根本的な争点だった。(1)´ 集団的自衛権行使を認めた安保法制

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解雇規制緩和を目玉政策で訴えた小泉進次郎の愚  -  祖法に固執する菅義偉の狂気

解雇規制緩和を目玉政策で訴えた小泉進次郎の愚 - 祖法に固執する菅義偉の狂気

9/12、自民党総裁選が告示され、NHKで党本部での立会演説会が中継され、夜に報ステで討論会が行われた。生放送のスタジオに9人の候補者が並んだ。自民党総裁選の電波ジャックが本番に突入し、以降、マスコミが伝える話題と関心がそれ一色に染まっている。1か月半後の総選挙で自民党が勝つため、自民党に勝たせるため、マスコミが総力を挙げて宣伝ショーを盛り上げ、国民の意識をそれ一色に漬け込んでいる。仮に1か月半後

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小泉進次郎一択でマスコミが宣伝に狂奔する自民党総裁選  -  自民党と政策の差がない図を強調する立憲民主党代表選

小泉進次郎一択でマスコミが宣伝に狂奔する自民党総裁選 - 自民党と政策の差がない図を強調する立憲民主党代表選

岸田文雄が先月 8/14 に首相退任の発表をした後、そこから約4週間、マスコミでは延々と自民党総裁選レースの報道が続いている。NHKの7時のニュースとNW9は皆勤賞でこの話題を流していて、自民党総裁選のCMを放送し続けている。朝と昼の民放のワイドショーも同じだ。いつもの、自民党総裁の顔を変えて、マスコミが宣伝して世論を煽り立て、解散総選挙で自民党勝利へ誘導するという、マスコミ主催の日本の政治の祭り

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中国軍機による初の領空侵犯  -「技術的ミス」だと強調した小谷哲男の解説

中国軍機による初の領空侵犯 -「技術的ミス」だと強調した小谷哲男の解説

8月26日午前、中国軍のY9情報収集機が長崎県男女群島沖に飛来、日本の領空に侵入し、初めて領空侵犯が確認された。空自の戦闘機がスクランブル発進し、無線で警告を行ったものの、男女群島沖の日本領空内で2分間飛行を続け、その後も周囲を1時間半余り旋回した後、中国の基地に帰還した。重大な主権侵害であり、乱暴な軍事的挑発である。事件後の一週間(8/26 - 9/1)、世間とマスコミの関心は台風10号の経過と

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「台湾有事など起きない」と言う田岡俊次と内田樹  -  9条左派を眠らす権威の安心理論

「台湾有事など起きない」と言う田岡俊次と内田樹 - 9条左派を眠らす権威の安心理論

台湾有事について、左派・護憲派の内部であまりに危機感が薄い問題を前回指摘した。左派・護憲派に、中国との戦争が間もなく始まるという認識がない。それは右派と自民党政権が撒いている大袈裟な吹き込みと煽りであり、真の狙いは9条改憲と軍備拡張であって、その政治を正当化するための世論工作の脅し材料に過ぎない、という意識が支配的だ。日米同盟と中国との間で本格的な戦争が勃発する、自衛隊が交戦する、しかも2、3年後

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終戦の日の全国戦没者追悼式  -  平和憲法の国家式典、台湾有事後に廃止の運命か

終戦の日の全国戦没者追悼式 - 平和憲法の国家式典、台湾有事後に廃止の運命か

終戦の日の式典で天皇がこう言っている。

毎度のルーティン・トークを退屈に聞き流していたが、今年は少し真面目に文言に接する気分になった。現上皇が読み上げていたときは、威厳を感じて言葉が説得的に耳に入り、標柱の前に立つ二人の真剣さがよく伝わった。今の天皇になってからはそれが失せ、いかにも形式的な挨拶の響きと流れになり、言葉に神聖さを感じなくなっていたが、今年は別の意味で重い意義を感じてしまった。その

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内田真一の真夏の本能寺  -  円キャリートレード解消の恐怖が株暴落の真相だった

内田真一の真夏の本能寺 - 円キャリートレード解消の恐怖が株暴落の真相だった

東証が 8/5 に史上最大の下落幅4451円安をつけた翌々日、8/7 に日銀副総裁の内田真一が「金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」と発言、植田和男がコミットしていた「引き続き利上げを続ける」方針を修正した。事実上の方針再転換(≒撤回)であり、アベノミクス量的緩和路線への逆戻りである。その発言を受け、一時141円台まで是正されていた為替が146円台まで戻る結果となり、その影響で 8/

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8月5日 令和のバブル崩壊  -  東証史上最高値から3週間で史上最大幅の暴落

8月5日 令和のバブル崩壊 - 東証史上最高値から3週間で史上最大幅の暴落

8/5、東証が史上最大となる4451円安の暴落となった。令和のバブル崩壊の歴史的瞬間と言える。一昨日(8/5)はこの話題で朝からネットが騒然とし、興奮してXでポストを連打するまま一日が過ぎた。先週(7/31)、日銀が政策決定会合を開いて政策金利を0.25%まで引き上げ、今後も引き上げ続ける方針を発表した。長らく待たれた出口戦略への舵取りであり、金融政策の路線の転換である。これを受け、7/31 に1

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五輪憲章違反のパリ五輪開会式演出  -   体制に媚びて生き残るフランスの悲哀

五輪憲章違反のパリ五輪開会式演出 -  体制に媚びて生き残るフランスの悲哀

7/27、パリ五輪が開幕した。開会式の演出をめぐって議論が起き、余波がしばらく続く状況となっている。問題となったのは、(1) 演出ショー後半の青い裸体のディオニソスが登場する「最後の晩餐」のパロディとドラァグクイーンのパフォーマンスの部分であり、(2) マリー・アントワネットの生首がコンシェルジュリーで歌う冒頭の場面である。趣味が悪いという批判は同じだが、批判の中身に少し差があり、(1) は多様性

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誰が何のためにトランプを銃撃したのか  - 暗殺未遂事件の不可解と政治的動機

誰が何のためにトランプを銃撃したのか - 暗殺未遂事件の不可解と政治的動機

日本時間の 7/14、トランプがペンシルベニア州で演説中に銃撃される事件が起きた。容疑者は20歳の若者トーマス・マシュー・クルックスで、銃撃直後にシークレットサービスによって射殺された。トランプは無事で暗殺は失敗。事件は謎が多く不審な点だらけであり、現時点で真相は明らかになっていない。なぜ、あんな至近距離の位置にライフルを所持した容疑者が近づくことができ、狙撃ポイントとして絶好の建物の屋根に上るこ

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今野忍と朝日新聞による蓮舫ハラスメント  -  朝日新聞綱領・記者行動基準・新聞倫理綱領の違反

今野忍と朝日新聞による蓮舫ハラスメント - 朝日新聞綱領・記者行動基準・新聞倫理綱領の違反

7/7 に東京都知事選の結果が出て2週間近く経ったが、3位落選した蓮舫に対して右翼からバッシングの嵐が執拗に続いている。その苛烈な誹謗中傷に便乗して、掉さすように、朝日新聞が蓮舫叩きの攻撃を繰り返し、今週(7/14-20)のネット空間の最大の事件と話題となった。7/9 に朝日が載せた鈴木涼美の寄稿は、悪意に満ちた下品な嫌がらせの内容で、X上では女性を中心に大きな反発が広がった。続けて、7/15 に

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英国とフランスの議会選挙で左派が勝利  -  経済苦に喘ぐ無産民衆の選択と潮流

英国とフランスの議会選挙で左派が勝利 - 経済苦に喘ぐ無産民衆の選択と潮流

7/4 に行われた英国の総選挙で労働党が大勝し、14年ぶりの政権交代を実現した。また、その3日後の 7/7 に行われたフランス国民議会選挙の2回目投票で、事前の予想を覆し、メランション率いる左派連合(新人民戦線)が第一党に躍り出た。大番狂わせの快挙を果たした。日本のマスコミ報道やネット記事では、この二つの選挙結果について正しく意義を認める議論はなく、(現在の支配的思想である)右翼ネオリベの視角から

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蓮舫陣営が自滅した東京都知事選  -  緊張感と戦略思考の欠如、マスコミによる石丸伸二宣伝の奸計

蓮舫陣営が自滅した東京都知事選 - 緊張感と戦略思考の欠如、マスコミによる石丸伸二宣伝の奸計

7/7、 東京都知事選の投開票があり、小池百合子が圧勝、石丸伸二が次点、蓮舫が惨敗という結果に終わった。悄然とさせられるが、蓮舫陣営の敗因分析を中心に論評したい。蓮舫が出馬宣言したのは 5/27 で、公示日 6/20 の3週間前である。 当日、都議会で小池百合子の演説があり、知事選への立候補を表明するのではないかと噂されていて、蓮舫がタイミングをぶつける策に出たのだった。怯んだ小池百合子は回避して

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中国の科学技術力  -  嘗て日本の子どもたちが夢見た未来空間へ日進月歩

中国の科学技術力 - 嘗て日本の子どもたちが夢見た未来空間へ日進月歩

先月、遠藤誉が「Nature の研究ランキング『トップ10』を中国がほぼ独占」と題した記事を書いた。Nature 誌を発行する英国の出版社が、科学技術研究における各国の大学・研究機関の実力をランキングしていて、その最新版の報告書の紹介である。Nature Index と呼ばれる世界トップクラスの研究成果のデータベースがあり、2023年に発表・収録された7万5000本の論文の貢献度を基準指標を元に測

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夏目漱石『こころ』を読む  -  日本の純文学の"北極星"的な不滅の古典

夏目漱石『こころ』を読む - 日本の純文学の"北極星"的な不滅の古典

朝日新聞が発表した「この1000年『日本の文学者』読者人気投票」を見ると、夏目漱石が第1位になっている。手前味噌な臭いもするが、妥当な結果だろう。その漱石の作品ランキングを覗くと、ほぼどの番付表でも『こころ』が最高位に位置づけられている。これも異論のない順位と評価だろう。日本人なら誰でも一度は『こころ』を読んで感想文を書く課題の前に立つ。普通はそれを高校時代にやっていて、教育課程の一環として通過儀

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フローにしか生きられない現代人  -  「墓じまい」を考える前段として

フローにしか生きられない現代人 - 「墓じまい」を考える前段として

先月 、アメリカの調査機関が「世界中のWebコンテンツが日々消失中、10年間で4分の1が消えた」という報告を出していた。それによると、2013年に存在したWebページの38%が消えているらしい。サイトを作成した本人が消した場合もあるが、そうではなく、サイトの環境を提供したベンダー側の都合で勝手に消された場合も多い。私自身も経験がある。司馬遼太郎の追悼HPを製作して公開していたら、今から5年ほど前だ

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