ここは天(あま)の国。 天(あま)の国は、刻む時に重みが無い。 どこまでも優しく指先にシルクが触れるような色無き色が広がる。 音は時を包み込む様な織姫の囁きの歌声と七…
生まれて初めて出会う舟は笹舟 小さな指先で織りなす笹舟 幼き心を乗せて旅をする 言葉を紡ぎながら一艘 花びら一枚乗せて一艘 小石をそっと乗せて一艘 蝶々は舞を止め笹…
1980年代 バブル経済で傍に湧く日本経済 男女雇用機会均等法が話題となり時代は 大きく雄叫びを挙げていた。 真っ赤な口紅と統一ブームメントのロングヘア の女性が曲線美…
生まれて初めて髪を洗った時 お腹に落ちた丸い泡 猫の目に見える色がコロコロ動き きらきら輝く丸いビー玉 小さく吹いて…
「右」...「下」...「う..左?」 「あのね、当て物じゃあ無いですからね。」 最近すっかり検眼に時間がかかる様になった。 無意味な自分の抵抗はプロの眼を誤魔化せな…
夏の始まりを待つ頃。 休日の電車の中は夏の予定を語る嬉しそうな 声が溢れている。 楽しい休日の軽やかな気持ちと、バイトに向かう 気の抜けた俺の気持ちを乗せた電車。 …
母の日 お母さんがいる人はお母さんに感謝をする日 お母さんの体温を感じる事が出来ない人は お母さんを感じてみる日 母なる地球。母なる大地。 母の言葉は包まれる不思議…
お気に入りの瓶に水を入れ落としてしまったポトスを挿す。太陽の光が当たり綺麗だ。 瓶を見つめながら大型連休も帰省しなかった息子の事が脳裏に浮かぶ。 もう何回帰って…
今日は5月5日。 子供や孫のいる人は子供と共にする日 子供がいない人は偶然に見かける子供を感じる日 子供が苦手な人は子供の日だから出でくる商品を 食べたり見たりする…
「ウィーン。」「ガーガーキーン」 白い小さな部屋で鳴り響く音 何度聞いても耳に障る音 「我慢。我慢。 一生自分の歯でご飯を食べる為だ。」 「はーい。終わりました…
朝の音は季節によって変わる 朝の音は何かを伝える 朝の音に耳を澄ませる 朝の音は命の音 朝の音に鈴の音が仲間入りする春 新しい生活を始めた命の鈴の音 朝の…
祖父に見守られながら遊んだ川に自然と足がむいてしまった。 自然と言い訳をしながらも心の奥底では理由が判っている気もする。 ゆっくりと腰を下ろすな否や一羽の白い鳥…
桜待ち侘びて 桜咲く 桜のカーテンが日本を覆う 桜の下で沢山の笑顔が咲く ポンポンっと音がする様に愛らしく咲く 桜の木に緑の小さな葉飾りを感じる頃 桜の花びらが終わ…
「道路に出たら危ないさかいにな。 出たらあきませんで。」 「う..ん...。はい。」 「大人しい子やな。何や皆と遊ぶの嫌か。」 「いや...。......」 (ま…
冷たい風が吹く春の日。 皆が口々に桜を待つ話しをしている。 桜の気持ちはどうであろうかと想い 桜の木の下に行ってみる。 桜に問いたところで返事など無くただ眺める。 …
春便りが届く頃 少しずつ日暮時が足踏みをしてくれる そんなゆったり時間は心が喜ぶ お目当てのパン屋さんで お目当てのブルーベリーの入ったベーグルを一つだけ買った。 …
花手毬
2024年6月9日 10:12
ここは天(あま)の国。天(あま)の国は、刻む時に重みが無い。どこまでも優しく指先にシルクが触れるような色無き色が広がる。音は時を包み込む様な織姫の囁きの歌声と七色の羽根を持つ鳥の囀り....天(あま)の国は忙しい。天(あま)にふわりふわりと昇って来る想う恋心。織姫は想いを受け取り星に変え果ての無い宇宙へ放つ。人を想う心は輝く星に姿を変え天に広がり輝き照らす光となる。 「姫様、
2024年6月3日 00:19
生まれて初めて出会う舟は笹舟小さな指先で織りなす笹舟幼き心を乗せて旅をする言葉を紡ぎながら一艘花びら一枚乗せて一艘小石をそっと乗せて一艘蝶々は舞を止め笹舟にとまる蜻は笹舟には乗れまいと側を飛ぶアメンボは弾けながら航路を譲る大きな石の間に出来た小波に乗り沈まず進む姿を魅せる小川が陽の光を纏い輝き豊かな水と緑の香り幼き心が手をたたき喜ぶ笹舟の旅
2024年5月25日 00:59
1980年代バブル経済で傍に湧く日本経済男女雇用機会均等法が話題となり時代は大きく雄叫びを挙げていた。真っ赤な口紅と統一ブームメントのロングヘアの女性が曲線美を誇らしげに惜しみなく魅せる時代。世に出す高価な品が着々と準備されていた。 「おーい、伊達さんこっち来て〜」期待も違和感も無く淡々と手招きに向かった。「あのさ、山口さんが体調崩して暫く休暇 する事に
2024年5月24日 23:47
生まれて初めて髪を洗った時 お腹に落ちた丸い泡 猫の目に見える色がコロコロ動き きらきら輝く丸いビー玉 小さく吹いてもゆっくり吹いても出てくる 七色の輝きをもつ丸いシャボン玉 腹もち約束の丸いお餅とお団子 受け止め合う度に心が通う丸いボール 時代を照らし続けている丸い豆電球 仲良く使うと約束した丸い硬貨 漆黒の夜空に染
2024年5月22日 00:50
「右」...「下」...「う..左?」 「あのね、当て物じゃあ無いですからね。」最近すっかり検眼に時間がかかる様になった。無意味な自分の抵抗はプロの眼を誤魔化せない。それでもついつい正解を求めて目を見開く。 「はい、力抜いて。上見て、下見て...」 「良いですね。異常無し。綺麗ですよ。」この嬉しい瞬間に小さくガッツポーズ。 「ところで、この前購入したカラーコンタクト
2024年5月12日 14:58
夏の始まりを待つ頃。休日の電車の中は夏の予定を語る嬉しそうな声が溢れている。楽しい休日の軽やかな気持ちと、バイトに向かう気の抜けた俺の気持ちを乗せた電車。耳で気配を拾いながら何時もの様に携帯を出す。ついでにガムを取り出し口に放り込んだ。携帯の画面に太陽の光が差し込んで見え難い。自分勝手には調整出来ない車中の日除に目を移した。一瞬、急に車中の風景に時が止まった感覚に襲われる。
2024年5月12日 10:38
母の日お母さんがいる人はお母さんに感謝をする日お母さんの体温を感じる事が出来ない人はお母さんを感じてみる日母なる地球。母なる大地。母の言葉は包まれる不思議な一文字。自分にも母が居てる。数日前から意識は母の日にフォーカスされていた。文字に起こしたい気持ちも消えず彷徨ったが書けなかった。彷徨う心の理由は、自分の誕生と共に発病した母と自分の絆の真ん中には常に病気があった。悲
2024年5月6日 20:49
お気に入りの瓶に水を入れ落としてしまったポトスを挿す。太陽の光が当たり綺麗だ。瓶を見つめながら大型連休も帰省しなかった息子の事が脳裏に浮かぶ。もう何回帰って来ないのだろうか...心に空く極小の穴は早急に塞いでおかないと特大の穴になってしまう。手当として昔残してくれた優しさを包帯にする。数年前の巣立つ日の事.... 「何してるの?」肩から斜め掛けをした鞄から財布をゴソゴソと探して
2024年5月5日 08:30
今日は5月5日。子供や孫のいる人は子供と共にする日子供がいない人は偶然に見かける子供を感じる日子供が苦手な人は子供の日だから出でくる商品を食べたり見たりする日羊水で泳いだその後に急に大人になった人などいない皆、子供の日があったのだ子供の日をどんな日に仕上げるかも連休明けの成長になる気がする仕事に向かう道すがら自転車に乗った親子を見かけた。何度も愛らしいお母さんの髪が
2024年5月4日 00:38
「ウィーン。」「ガーガーキーン」白い小さな部屋で鳴り響く音何度聞いても耳に障る音「我慢。我慢。 一生自分の歯でご飯を食べる為だ。」「はーい。終わりましたよ〜。」「綺麗になりましたね〜。」繊細な作業を軽快な声かけをしながら仕上げる尊敬すべき人の声かけでホッとする。「ありがとうございました。」「あの...先生に質問をしたいのですが....」頭の上で大きな風を感じた。先
2024年4月18日 16:11
朝の音は季節によって変わる朝の音は何かを伝える朝の音に耳を澄ませる朝の音は命の音朝の音に鈴の音が仲間入りする春 新しい生活を始めた命の鈴の音朝の音が楽しみになる
2024年4月18日 16:05
祖父に見守られながら遊んだ川に自然と足がむいてしまった。自然と言い訳をしながらも心の奥底では理由が判っている気もする。ゆっくりと腰を下ろすな否や一羽の白い鳥が美しい羽根を広げて舞い降りて来た。人慣れしているのか余りにも近い距離と目線をしっかりと合わせて来る様子に驚いた。瞬間に頭へ映るイメージは高級ホテルの優秀なベルマン。嫌味の無い気高さに荷物を預ける安心感がある見透かされている。
2024年4月11日 15:06
桜待ち侘びて桜咲く桜のカーテンが日本を覆う桜の下で沢山の笑顔が咲くポンポンっと音がする様に愛らしく咲く桜の木に緑の小さな葉飾りを感じる頃桜の花びらが終わりを繋ぐ柔らかな小風に躍る様に舞い真新しい制服の肩に留まりベンチに腰かける人の横に降り配達荷物を抱え働く人の手に忍び留まり段数の多い階段を見上げた光景は階段を上がる事に心が躍る様な踏む事を躊躇う様な登りたい気持ち
2024年3月29日 01:18
「道路に出たら危ないさかいにな。 出たらあきませんで。」「う..ん...。はい。」「大人しい子やな。何や皆と遊ぶの嫌か。」「いや...。......」(まさか、意地悪されるとは言えんな...)京都の昔ながらの日本家屋と長い路地。着物姿を貫く凛とした祖母と孫である少女の会話が響く。「お酒を配達してくれはるから、 来たら言うてな。 ほなな。」
2024年3月24日 12:10
冷たい風が吹く春の日。皆が口々に桜を待つ話しをしている。桜の気持ちはどうであろうかと想い桜の木の下に行ってみる。桜に問いたところで返事など無くただ眺める。桜が喜びの音を奏でる様に咲くと命達は喜ぶ。桜の帯が日本を包む頃には命達の喜びは満開となる。全ての壁を超えて与えられる喜びは奇跡の風景。命達は、喜びに溢れるからこそ咲く姿を待つ。改めてその奇跡に感謝をする。立ち去る前に
2024年3月20日 01:01
春便りが届く頃少しずつ日暮時が足踏みをしてくれるそんなゆったり時間は心が喜ぶお目当てのパン屋さんでお目当てのブルーベリーの入ったベーグルを一つだけ買った。そのベーグルを公園で元気に遊ぶ子供達の姿を見ながら、3口の摘み食いをする事をお昼間に決定していた。公園に近づくと雨上がりだった事に気が付く。お昼間は忘れてしまう程の小雨だった。霧の様な小雨も降ったり止んだりすれば木々に沢山