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本当に休めてる? 改めて考える「休息」の技術

「よーやくお盆休みだ!!はぁ、疲れ溜まってるなぁ‥」

今週末からお盆休みに突入している人は多いのではないでしょうか。長期休暇は誰にとっても嬉しいものです。長期休暇のために、事前に仕事の調整をする、という人は多いかと思います。

つまり、長期休暇前は仕事が立て込んでいるため、この時期は疲労が通常より溜まっているケースが多いように思います。私もその一人だったりします。

そこで、改めて「休む」ということについて考えてみたいと思います。

休息は報酬?

「休息」のそもそもの意味は辞書で調べると、「仕事などをやめて心身を休めること。くつろぐこと。」とあります。この意味の通り、休息する前には仕事をしていることが前提の意味になっています。

実際「休息」を「頑張った仕事の報酬としてとるもの」と考える人は多いのではないでしょうか。今回のお盆休みなどの長期休暇は正に、自分へのご褒美として休むという人は多いです。そうでなくても、「大きなプロジェクトが終わったから旅行に行って羽を伸ばす」、「一週間頑張ったから、土日はゆっくりする」など、前提として、「〇〇を頑張った → だから休む」という、ある意味、ムリをした後の報酬的に休息を捉えている人が多いように思います。

一方で、この休息を別の捉え方をする人が増えているように思います。それは「頑張ったから休息を得る」ではなく、「休息をとるから仕事のパフォーマンスを上げられる」という捉え方です。先に休息がある、という発想です。

というのも、仕事でハイパフォーマンスを出すためには、メンタルとフィジカルのコンデイションをいかにキープするかはが非常に重要な視点です。ビジネスアスリートという言葉もたまに耳にしますが、ビジネスマンがスポーツアスリートと同じようなメソッドでコンディションをキープしていくという考え方も広がりつつあります。

アスリートの世界で重要視されるのは「リカバリー」つまり回復です。その理由は、練習量をキープするためです。良い成績を収めるためにはその裏で、それ相応の練習量が必要です。その練習量をキープするためには、疲れを残さないことが重要です。明日も十分な練習ができるように、今日の疲れをリカバリーする。

つまり、「休息 → 明日のハイパフォーマンス」という風に、先に休息があるのです。このような休息を起点にしたコンディションづくりは近年広がりつつあります。

戦略的休息

上記のような、積極的に休息をとってハイパフォーマンスにつなげていく考え方を「戦略的休息」と呼びます。こうした考え方を日常の生活や仕事に組み込んでいくことが、生産性向上に役立ちます。

・週末に寝溜めするのではなく、毎日7時間程度しっかりと寝る
・毎日、2時間に一度は休息を取る
・毎日、適度に体を動かす時間を持つ
・毎日、胃腸に負担をかけないような食事をとる

心身の健康は基本的には、栄養、運動、休息(睡眠含む)の3要素で構成されています。戦略的な休息のポイントは「毎日」という点です。休む日もあれば、休まない日もある、ではなく、毎日こまめに休む。これが戦略的休息の要点です。

そのためにも休息のタイムマネジメントが重要となります。「仕事が終わったから一休みする」ではなく、あらかじめ「休む時間」の予定を組んでおくということです。

パフォーマンスの観点から見ると、午後に休憩や短時間の昼寝を取り入れるのは非常に有効です。ソルボンヌ大学の研究チームによると、20分程度のパワー・ナップによりストレスの低減、免疫力向上が期待できるとの報告があります。こまめに休憩することで集中力も維持でき、結果パフォーマンス向上につながるのは体感的にも理解できます。

しかし、日本人は勤勉な民族です。休んだ方が生産性が高まると理解しつつも休みません。いや、休めないというのが正しいのかも知れません。

世界19ヶ国で比較した有給休暇国際比較調査では日本の有休取得率、有休取得日数、ともに最下位です。「有給休暇の取得に罪悪感がある」と考えるのは日本が最多。かつ、「上司が有給休暇の取得に協力的」という項目でも日本は最下位です。日本がいかに「休息」と縁遠い国民かが分かります。つまり、日本の常識は世界の非常識なのです。もっと休まなければなりません。

「休息」との上手な向き合い方

休息は大事だと分かったところで、「何となく休む」は休息自体の質もあがりません。そこで、参考になる書籍をご紹介します。アレックス・スジョン―キム・パン著の「シリコンバレー式 よい休息」に、よい休息のための4原則が紹介されています。

1.労働と休息はパートナーである
休んでいる時でも脳は活動しており、戦略的に休むことでその働きを活用できます。

2.休息は活動である
休息=受動的ではない。脳や精神の休息は活動的。

3.休息は技術的である
少し勉強し理解すれば、はるかにうまくできる。

4.戦略的休息は、創造性を刺激し、維持する
労働と休息は一方だけでは成り立たない。創造的な人にとって、休息は極めて重要。

この原則で学びがあるのは休息は「活動」であり「技術」であるということです。休息となると、「何となく休む」、もしくは「何もしない」、つまりは「静止している」イメージを持ちがちです。そうではなく「能動的な活動」と見ます。脳や精神を落ち着ける瞑想やマインドフルネスを想像すると分かりやすいです。積極的に心を落ち着かせ、積極的に休む。

そしてその休み方にもはやりうまいやり方があり、それを「技術」と表現しています。どうせ休むなら、よりうまく、より深く休みたいものですね。

まとめ

今、コロナの第2波が来ていると噂されており、先行きの不透明感から精神的なストレスは誰もが無意識下で感じている状況です。そんな高ストレス下な毎日を送る我々にとって、「休むチカラ」は必要なスキルなのかも知れません。

幸福をもたらすものは、富でも豪華さでもなく、平穏さと仕事である。

これはトーマス•ジェファーソンの言葉です。素敵な言葉です。この「平穏さ」とは心身がリラックスしていることであり、それは休息からもたらされるものだと思います。

このお盆休みに今一度、自分の「休息」について意識を向けてみてはいかがでしょうか。積極的に休むことは、自分のパフォーマンスを上げ、より充実した日々につながっていると言えます。

そして休息は「活動」であり「技術」です。計画的に、そしてよりうまく、休む術を身に着けていきたいですね。

このお盆休み、みなさんしっかり休んで、英気を養いましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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