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宛先のない手紙 vol.2

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ほぼわたしの考えを垂れ流すエッセイのようなもの。その2。
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#考えていること

「大学は無駄論」に思うこと

「大学は無駄論」に思うこと

大学は不要だ、無駄だった、だとか。学歴なんて意味がない、だとか。

わたしが垣間見ている世界に限ってなのかそうでないのかはわからないけれど、その手の発言を繰り返し見かけてきた。そして、ここ数日、またその話題が一部で盛り上がっているようだ。

結果として無駄になる人はいると思う。だから全否定をするわけではないけれど、「意味ないよ」と顔の見えない相手全体に発することに対しては、「うーん」と引っかかりを

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越したことはない

越したことはない

自分の体験や価値観を絶対視している言葉を見かけると、うぐぐ、と思う。確かにその通りかもしれないけれど、世の中に「絶対」はないよなあと思っているから。

「お金がある方がいい」
「心が豊かなことが1番」
「勉強ができた方がいい」
「勉強ではない“頭の良さ”が大切」
「夫婦仲をよくするにはこうすればいい」
「仕事への向き合い方はこうすべき」
「子育てはこうしなくちゃ」

……エトセトラ、エトセトラ。

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「ママだから」と言わないで

「ママだから」と言わないで

アトピー性皮膚炎の長男がいる。

新生児の頃からずっと肌が弱くて、皮膚科通いを続けてきた。今は市立病院に通っている。

薬を飲んで塗ればよくなるのに、少しましになった途端、塗らずに(シャワーすら浴びようとせずに)寝ようとする長男に、もうずっと疲れている。

また少し、悪化してしまった。再来週が通院日なのだけれど、今すでに憂鬱だ。きちんと塗れていないと、母親の責任にされるから。

本人には、何度も薬

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恋愛と年齢

恋愛と年齢

何度かnoteにも書いているけれど、朝ドラ「半分、青い。」を見ている。最終回まで、残すところあと1週間。早いなあ。

ヒロインの鈴女(すずめ)と幼馴染の律。長い間のもやもや期を経て、今週、関係性に進展が見られた。……ような、なかったことになったような、まあ結局ぼんやりしているままなのだけれど、鈴女曰く「ここに来たかったような、ずっとここにいたような」ところにたどり着いた。

ドラマの中のふたりは3

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「怖い」を味方にする

「怖い」を味方にする

書いた記事を入稿するのは、いつだって怖い。特にはじめての仕事は、本当に怖い。仕事に限らず、「はじめて」に怖さを感じる方だと思う。もちろん、わくわく感もありはするのだけれど。

その恐怖は、もしかしたら自分を守るためのみみっちい抵抗なんじゃないかと思っている。対外的に自信なさげにしているわけではないから、別に外部に対しての言い訳にはならないのだけれど、自分の中の言い訳にはなるから。

「ほら、やっぱ

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美しさは時に罪である

美しさは時に罪である

美しいものが嫌い。

そうした人は、あまりいないだろう。何をもって「美しい」と捉えるかは人それぞれだけれど、自分が美しいと思えるものを嫌う人は、少数派なのではないかと思っている。

むしろ、美しいものは好かれる。それが人であれ、出来事であれ、関係性であれ、美しく見えるものには、多くの賛辞が寄せられる。

ただ、安易に「美」を纏わせたものには注意が必要だなあと思っている。わかりやすい「美」に惑わされ

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潰しがきかない選択

潰しがきかない選択

昔から、何かと考えることが好きだった。レベルとしては、書くことと同じくらい。「考える」と「書く」はわたしのなかでワンセットだから、「書くことが好き」に「考えることも好き」が含まれるのだけれど。

高校時代、「そろそろ進路を考えなければいけません」、となったとき、わたしは希死念慮真っ最中だった。そのため、「進路」を考えられる余裕はなかったのだけれど、親に希死念慮志望をスルーされたため、無理やり「それ

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夜明けのオリオン

夜明けのオリオン

カフェ、マクドナルドとはしごをして仕事を終えたのは、日付を回るギリギリのこと。アドレナリンが出すぎて眠気が一切訪れなかったため、ぼんやりとマクドナルドに居座っていた。

noteを書き、近々納期がくる仕事をふたつ完了させる。時間は3時半になっていた。

4時から24時間営業のスパがモーニングタイムになる。1000円未満でお風呂とサウナに入れるのだ。岩盤浴が営業外なことだけが残念なのだけれど、贅沢は

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先入観×知識=不自由な枠

先入観×知識=不自由な枠

「かわいい、かわいい」と花の苗に言い続けていると、きれいに咲いてくれるらしい。

何で聞いたのかは忘れてしまったけれど、そんなことを聞いたことがある。

人も花と同じらしい。「かわいいねえ」と言われ続けた人は、かわいらしい人になる。「賢いねえ」と言われ続けた人は、より賢くなる、らしい。

こうした言葉がけの怖いところは、ネガティブな発言でも効いてしまうことだ。「バカだなあ」と言われ続けた人は、「バ

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酸素をしっかり供給する

酸素をしっかり供給する

「なぜ?」という内容のリプ(時にクソリプ)が寄せられたり、「え?なんでこれが?」というものが炎上したり。「なんでだろうね」という話をしていた。

よく言われるのが、読解力の欠如。まあ、眺めている限り、確かに読解力が足りない人は増えているのだろうなと思う。だけど、ではなぜ読解力が落ちているのだろう?

本を読まなくなったから、という単純な話ではないと思う。もちろん、読んだ方が身につくだろうとは思うけ

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中途半端な球体を目指さない

中途半端な球体を目指さない

はじめは、みんなデコボコだった。

デコを「いいね」っていってもらえた。
ボコを「ダメだね」っていわれることなんかなかった。

デコはどんどんのびていき、ボコはそのままそこにある。

デコとボコが逆の人と知り合って、そうしてぼくはニコリと笑った。



「磨くこと」について考えていた。

わたしたちは、生まれながらに持っているデコボコがある。それは得手不得手であるし、好き嫌いでもある。得手不得手

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祖父の誕生日によせて

祖父の誕生日によせて

久しぶりに祖父に電話をする。背後で「喋らせろ」と喚く息子たちを宥めたりいなしたり諌めたりしながら、「誕生日おめでとう」を伝えた。

本当は秋に会いに行きたかったのだけれど、どうやら祖母の具合がよくないらしい。祖母はもちろん、祖父にも負担をかけるのは本意ではないから、「またの機会に」ということになった。

「いつ転ぶかわからないからおばあちゃんから目が離せない」と話す祖父に、「おじいちゃんは大丈夫な

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好きな人の「嫌い」とわたしの感情

好きな人の「嫌い」とわたしの感情

小学生のころ、Tちゃんという子がいた。なかなか個性的な子で、気が強くて、損してしまう言動を繰り返す子だった。わたしはなぜだか彼女に好かれていたらしく、何となく一緒に動くことが多かった。

あるとき、別の子に「若菜ちゃん、Tちゃんとよく仲良くできるな」と話しかけられる。「エラそうやん」「すぐ先生にチクるしさあ」。その後続いた理由をまとめると、要するに「Tちゃんのことがあんまり好きじゃない」という内容

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終わりを迎えるのは、まだ早い

終わりを迎えるのは、まだ早い

今日から長男は2学期だ。火曜日という何とも半端な時期。なぜ今日からなのだろう。

昨夜、学校の用意をしていなかった彼は、今朝バタバタと出かけて行った。……上履きを置いたまま。

1学期は通学に苦戦した長男。無理やり行かせるつもりはないけれど、行けることに越したことはないから、学校が彼にとって楽しい場であればいいなと思う。



2学期の開始だけが、何となくネガティブに捉えられがちかもしれない。

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