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宛先のない手紙 vol.2

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ほぼわたしの考えを垂れ流すエッセイのようなもの。その2。
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2018年9月の記事一覧

過ぎゆく時間

過ぎゆく時間

何となく気ぜわしいのは、今年が終わる感覚がしているからだ。

正確には9月が終わるだけなのだけれど、毎年10月になると、「今年もあと2ヶ月になりました」という言葉を見聞きするから、わたしの中では年末に限りなく近い。

この一年で、何かを変えられただろうか。前に進めているのだろうか。そんなことを考える。

変わりゆくものに怖さと不安を感じるくせに、自分が変わらないままあり続けることに対しては、強い恐

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出たがりの出不精

出たがりの出不精

道草をせず、即帰宅する高校生だった。

高校までは電車を乗り継ぎ、片道約一時間。その所要時間が、即帰宅の理由だと思っていた。10月にもなると、すぐに暗くなる。早く家に帰りたかったんだろうと思っていたのだ。

でも、実はこれはわたしの性質が理由だったのかなと思っている。

わたしはHSPだ。(自己診断だけれど)そして、どちらかというと内向型。どちらも、この1年で知ったものだけれど、知ったときには「こ

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「大学は無駄論」に思うこと

「大学は無駄論」に思うこと

大学は不要だ、無駄だった、だとか。学歴なんて意味がない、だとか。

わたしが垣間見ている世界に限ってなのかそうでないのかはわからないけれど、その手の発言を繰り返し見かけてきた。そして、ここ数日、またその話題が一部で盛り上がっているようだ。

結果として無駄になる人はいると思う。だから全否定をするわけではないけれど、「意味ないよ」と顔の見えない相手全体に発することに対しては、「うーん」と引っかかりを

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越したことはない

越したことはない

自分の体験や価値観を絶対視している言葉を見かけると、うぐぐ、と思う。確かにその通りかもしれないけれど、世の中に「絶対」はないよなあと思っているから。

「お金がある方がいい」
「心が豊かなことが1番」
「勉強ができた方がいい」
「勉強ではない“頭の良さ”が大切」
「夫婦仲をよくするにはこうすればいい」
「仕事への向き合い方はこうすべき」
「子育てはこうしなくちゃ」

……エトセトラ、エトセトラ。

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「ママだから」と言わないで

「ママだから」と言わないで

アトピー性皮膚炎の長男がいる。

新生児の頃からずっと肌が弱くて、皮膚科通いを続けてきた。今は市立病院に通っている。

薬を飲んで塗ればよくなるのに、少しましになった途端、塗らずに(シャワーすら浴びようとせずに)寝ようとする長男に、もうずっと疲れている。

また少し、悪化してしまった。再来週が通院日なのだけれど、今すでに憂鬱だ。きちんと塗れていないと、母親の責任にされるから。

本人には、何度も薬

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恋愛と年齢

恋愛と年齢

何度かnoteにも書いているけれど、朝ドラ「半分、青い。」を見ている。最終回まで、残すところあと1週間。早いなあ。

ヒロインの鈴女(すずめ)と幼馴染の律。長い間のもやもや期を経て、今週、関係性に進展が見られた。……ような、なかったことになったような、まあ結局ぼんやりしているままなのだけれど、鈴女曰く「ここに来たかったような、ずっとここにいたような」ところにたどり着いた。

ドラマの中のふたりは3

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「怖い」を味方にする

「怖い」を味方にする

書いた記事を入稿するのは、いつだって怖い。特にはじめての仕事は、本当に怖い。仕事に限らず、「はじめて」に怖さを感じる方だと思う。もちろん、わくわく感もありはするのだけれど。

その恐怖は、もしかしたら自分を守るためのみみっちい抵抗なんじゃないかと思っている。対外的に自信なさげにしているわけではないから、別に外部に対しての言い訳にはならないのだけれど、自分の中の言い訳にはなるから。

「ほら、やっぱ

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美しさは時に罪である

美しさは時に罪である

美しいものが嫌い。

そうした人は、あまりいないだろう。何をもって「美しい」と捉えるかは人それぞれだけれど、自分が美しいと思えるものを嫌う人は、少数派なのではないかと思っている。

むしろ、美しいものは好かれる。それが人であれ、出来事であれ、関係性であれ、美しく見えるものには、多くの賛辞が寄せられる。

ただ、安易に「美」を纏わせたものには注意が必要だなあと思っている。わかりやすい「美」に惑わされ

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潰しがきかない選択

潰しがきかない選択

昔から、何かと考えることが好きだった。レベルとしては、書くことと同じくらい。「考える」と「書く」はわたしのなかでワンセットだから、「書くことが好き」に「考えることも好き」が含まれるのだけれど。

高校時代、「そろそろ進路を考えなければいけません」、となったとき、わたしは希死念慮真っ最中だった。そのため、「進路」を考えられる余裕はなかったのだけれど、親に希死念慮志望をスルーされたため、無理やり「それ

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夜明けのオリオン

夜明けのオリオン

カフェ、マクドナルドとはしごをして仕事を終えたのは、日付を回るギリギリのこと。アドレナリンが出すぎて眠気が一切訪れなかったため、ぼんやりとマクドナルドに居座っていた。

noteを書き、近々納期がくる仕事をふたつ完了させる。時間は3時半になっていた。

4時から24時間営業のスパがモーニングタイムになる。1000円未満でお風呂とサウナに入れるのだ。岩盤浴が営業外なことだけが残念なのだけれど、贅沢は

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先入観×知識=不自由な枠

先入観×知識=不自由な枠

「かわいい、かわいい」と花の苗に言い続けていると、きれいに咲いてくれるらしい。

何で聞いたのかは忘れてしまったけれど、そんなことを聞いたことがある。

人も花と同じらしい。「かわいいねえ」と言われ続けた人は、かわいらしい人になる。「賢いねえ」と言われ続けた人は、より賢くなる、らしい。

こうした言葉がけの怖いところは、ネガティブな発言でも効いてしまうことだ。「バカだなあ」と言われ続けた人は、「バ

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酸素をしっかり供給する

酸素をしっかり供給する

「なぜ?」という内容のリプ(時にクソリプ)が寄せられたり、「え?なんでこれが?」というものが炎上したり。「なんでだろうね」という話をしていた。

よく言われるのが、読解力の欠如。まあ、眺めている限り、確かに読解力が足りない人は増えているのだろうなと思う。だけど、ではなぜ読解力が落ちているのだろう?

本を読まなくなったから、という単純な話ではないと思う。もちろん、読んだ方が身につくだろうとは思うけ

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靄を晴らす人

靄を晴らす人

あ、なんかダメな気がする。

書くときに、または読むときに。わたしはコンディションを自覚する。

たとえばそれは、並んだ文字が目の表面をすべっていくように感じるときに。

そしてまたあるときは、そこにあるはずの言葉がスムーズに出てこないときに。

書けないわけでもなければ、読めないわけでもないのだけれど、脳に一枚フィルターがかけられたような感覚になる。思考はクリアさを欠き、視界も靄がかかったように

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その娯楽から得たい味わいは?

その娯楽から得たい味わいは?

感情体験をしたいと思っている人は、果たしてどれくらいいるのかな。

そんなことを思ったのは、とある絵本についてのツイートを見たから。創作物への賛否は人それぞれだという前提の上で、わたし個人はその絵本について「何これ」と思った。

作者は、「感動させるもの」を作ったのかもしれない。だけど、少なくとも、大まかな内容とスクショされたシーンを見たわたしは、1ミリも感動できなかった。(スクショの著作権問題は

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