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根本原因③隠れ炎症(病態編)


症状・相互作用

重金属の排出など、デトックスを妨げます。
・交感神経を優位にし睡眠の質を落とします。
・身体的ストレスを作り副腎疲労の原因になります。
・タンパク質合成(同化)を妨げ、酵素の生産を低下させます。

…など

※腸の問題と同様、間接的に万病のもとになります。

治療分類:内科的治療・腸と炎症
担当医療ジャンル:
統合医療(オーソモレキュラー)
バイオレゾナンス
標準医療

炎症を正しく理解する

炎症は「アレルギー」や「細菌感染」と同じく、イメージと実態がかけ離れた言葉です。

まず炎症そのものは病気ではなく、免疫による防御・修復反応です。
異物や外傷から人体を守るための反応ですね。

また、一般的な炎症のイメージは、
腫れる、赤くなる、痛む、かゆくなる…、といったかなり不快な症状かと思います。

が、リーキーガット症候群やカンジダ菌繁殖の病態解説には、「ほぼ自覚症状がない」と書きました。

腸壁粘膜にダメージを与える炎症、カンジダの毒素による炎症、これらもやはり自覚症状がありません。

…そうです。
体内の炎症で、自覚症状があるものはごく一部です。

上であげたような不快な症状は、ほぼ出ません。

たとえばリーキーガットから起こる自己免疫性疾患は炎症を伴いますが、原因不明の体調不良との因果関係に気づくことは難しいです。

炎症による症状の解説

の記事で描いた図のように、内科的治療は順番を必ず守ってください。
炎症治療が最下段にあるのは理由があります。

内科的治療のピラミッド(下から順にやっていく)

炎症は、デトックスにもホルモン治療にもかかわってくるからです。

有害物のデトックスを妨げる

特に重金属の排出には大きな影響を及ぼします。

なぜなら、炎症の抑制と、脂肪細胞から重金属を出す役割は「抗酸化物」という同じカテゴリの物質に任されてるからです。

具体的には、グルタチオン、その前駆体のN-アセチルシステイン、ポリフェノール、ビタミンA、C、E、亜鉛、セレンあたりです。

これらが炎症抑制に使われると、デトックスまで手が回らなくなります。

そのうち蓄積した有害物がグルタチオンの体内生産を妨害し、ハメ技がキマるわけです。

睡眠の質を落とし副腎の回復を妨げる

これは副腎疲労(HPA軸機能障害)にかかわってきます。

コルチゾールという抗ストレスホルモンが分泌過剰により枯渇する副腎疲労という病気があります。

これはうつや思考力の低下などを引き起こします。

回復に時間がかかる病気ですが、治療にはコルチゾールを分泌しない睡眠時間の確保がカギになってきます。

慢性炎症があると身体が常に緊張状態を強いられ、コルチゾールが分泌されて睡眠の質が下がります。

また、眠気を催すメラトニンというホルモンは、炎症を抑制する働きももっています。

なので抗酸化物と同じ理屈で、睡眠を妨げられる可能性があります。

これにより副腎疲労の回復がかなり遅滞します。
(ちなみにデトックスにおいても睡眠は不可欠です。)

タンパク質の合成を妨げる

タンパク質は正しく消化されるとアミノ酸になり腸から吸収されます。

アミノ酸は、体内のいたるところで適切なタンパク質に再合成されます。

タンパク質が疾患治療において重要なのは酵素の材料だからです。

酵素は体内の化学反応を司るON/OFFスイッチで、タンパク質と、ビタミン・ミネラルから作られます。

そのタンパク質を消化吸収するのも、もちろん酵素が必要です。

なので、タンパク質の欠乏が深刻な人はそもそもタンパク質が摂取できない、という悪循環に陥りがちです。
対処法等はこちら)

そして吸収したアミノ酸をタンパク質に再合成する働きは、炎症に妨げられます。

たとえば外科手術をした後、痩せて体重が落ちることがよくあります。

体に傷をつけるので、炎症が消えるまでタンパク質の合成量が減り、筋肉が落ちます。

手術の傷は一時的なものですが、慢性炎症があると様々な酵素が回復せず、最初に示した「根本治療ピラミッド」の上の段に進めなくなります。

注意すべきは慢性炎症

基本的に自覚症状のあるものは一時的な炎症であることが多く、また、因果関係が分かりやすいです。

それより気にするべきは、気づかない慢性炎症と考えてください。

代表的な慢性炎症の見つけ方と、網羅的な検査方法は次章に解説を書きます。

以上です。

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