マインドフルネスとは何か?
「マインドフルネス」という言葉は、昨今、精神疾患界隈で知られてきました。
ストレス耐性と集中力を高めるためのトレーニングです。
発達障害/精神疾患、脳に問題を抱えたすべての人に効果があります。
また、健康な人でも集中力を高める訓練として利用できます。
近年、脳科学的エビデンスも出てきて、Googleの社員が研修として行っていたぐらいです。
理解すれば「何だこんな事か」というシンプルさですが、理屈から入りたい人もいるでしょう。
が、やらないと意味ないので、後の章では具体的な実践方法を紹介していきます。
あらゆる治療/訓練の中で最もラクである
一番大事なことはコレです。
いろんな団体がイベントを開催していて、少額課金制アプリもあります。
が、基本は家で一人でタダでできます。
しかも病名・症状をほぼ問いません。
↓ の記事にも書いたとおり、超貧乏・超無気力の状態で有効な治療はマインドフルネス一択です。
おかげで僕は徐々に気力を取り戻し「発達障害の治療法って存在しないの?」と疑問を抱くにいたりました。
ここで肝心なのは習慣化です。
障害や疾患で脳機能が低下してる人は、何事にも飽きやすいです。
ADHD系にはルーティンが一切できないタイプの人もいます。
が、マインドフルネスは習慣化の敷居がかなり低いです。
現状何もできない人にとって健常者を目指すための突破口になりえます。
マインドフルネスの目指す精神的な強さ
マインドフルネスはもともと禅やヨガで開発されたメソッドですが、
・何を目指し
・どんな訓練をする
のでしょう?
【理想状態】タフな精神・動揺しない人・落ち着いた大人
「ストレスに強く動じない」というのは無感情ではありません。
マインドフルに生きる人はむしろ感受性豊かな人が多いです。
過去の痛み・未来の不安などに振り回されないのでしっかりと受け止められる人です。
また、気持ちいいことや幸せなことに決して依存しません。
「嬉しい時は嬉しさの分だけ喜び、悲しい時は悲しさの分だけ悲しむ」状態です。
では、そうでない人の脳内で何が起こっているのか?
依存は、他に楽しいことを感じられない(想像できない)状態です。
障害や疾患で感受性の鈍ってる人に多いです。
科学的なことをいうと、セロトニンやドーパミン、GABAといった神経伝達物質に代謝不全があり、海馬や報酬系回路などがうまく働いていない状態です。
そういう人は、無意識に感情を盛ろうとします。
気持ちが動かないので、少しでも楽しい・悲しい事が起こると、それを脳内で増幅します。
過去の体験を総動員し妄想を加え、出来事に極端な解釈を行います。
ギターにアンプをつないで音をひずませるような感じです。
だから、些細なことで極端に喜び依存し、些細なことで極端に悲しみ「心が弱い」と言われるのです。
薬物依存も含めた依存症の治療、そしてトラウマの治療においてはマインドフルネスが入口になりますが、それは上記を克服する目的です。
【訓練方法】「今」と「ここ」に意識を集中する
マインドフルネスを知っている人は聞いたことがある言葉だと思います。
上で述べた「感情にアンプをつなぐこと」を避けるにはどうすればよいか?
感情を無理やり「増幅」させる要因は、過去の記憶と未来の想像です。
つまり今ここにないことです。
たとえば、誰かに否定的なことを言われた時、人は無意識に過去の経験を思い出し「自分はどう思われているか」を解釈します。
障害や疾患を抱える人はつらい記憶(トラウマ)が多いため、必要以上に悪く解釈し、怒りや悲しみですぐに動揺します。
また、自分は幸せになれない/なってはいけないなどと考え、ネガティブ思考から抜け出せなくなります。
これを第三者から見ると「大げさな人」、「心が弱すぎる」になるわけですが、本人は無意識なのでなかなか自覚できないです。
そんなネガティブループを克服するために、マインドフルネスでは「今とここ」に集中する練習をします。
それは五感に集中することです。
見える物、聞こえる音、触れる物、匂い、味、身体を動かす感覚…
それらは、「今、ここ」で感じていることであり、過去も未来も一切関係ありません。
一番ポピュラーなやり方は呼吸に集中することです。
呼吸は、体性神経と自律神経の両方にまたがる唯一の活動です。
意識してコントロールすることもできるし、無意識にも行っています。
なので呼吸の訓練は、自律神経という操れないものに意識的に介入する手段になります。
また、場所や状況を選ばず行えるものでもあります。
具体的には、
・吸う、止める、吐く、の長さを数えコントロールする。
・またはコントロールせずに、鼻や喉を通る空気の温度や湿り気の違いを観察し続ける。
そのような方法は古来から鉄板のトレーニング方法です。
もう一つ、
スマホアプリなどのガイダンス付きの瞑想では、きれいな自然の風景を想像してイメージ力を鍛える訓練をします。
イメージは「今、ここ」にあるものではなく五感の記憶の切り貼りですが、重要なのは意識的に行うことです。
気が付いたらネガティブな想像をしているのとは似て非なるものです。
心地よいイメージを丁寧に追っていくことで、失われた感受性を回復させる糸口となっていきます。
..以上がざっくりとしたマインドフルネスの解説です。
次章では実践の上でのコツを解説します。
以上です。
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