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きのこ帝国は、大切な”4人”の時間を止めた

2019年5月27日、きのこ帝国が、無期限の活動休止を発表した。

その理由、経緯、メンバーそれぞれの今の想いについては、オフィシャルサイトにて、真摯で誠実な言葉で綴られている。


佐藤千亜妃は、こう綴っている。

そして4人で話し合った結果、”シゲの代わりになるベーシストなんて居ない”、という結論に至りました。なので、この4人のまま、きのこ帝国の時間を止めたいと思います。

「時間を止める」という表現が、どこまでも彼女らしいなと感じた。サポートメンバーを迎えて時計の針を無理やりに進めることも、解散して時計そのものを壊してしまうこともしない。いつかまた、止まっていた時間が再び動き出す日を思いながら、4人はこの決断を下したのだ。


そして彼女は、こう続ける。

とはいえ、きのこ帝国の音楽はなくならないので、これからも聴きたくなったら、いつでも、どこでも、再生してください。


4人が響かせてきた音楽は、これからも僕たちの生活を彩り続けていく。

轟音の中に、ささやかな憂いを。

澄み渡るメロディの中に、過ぎ去った季節の切なさを。

そして、佐藤の声と言葉の中に、まっすぐな願いを。

きのこ帝国の音楽が優しく包み込んでくれた、そうした数々の「気分」は、いつまでも僕たちの胸に残り続ける。決して、消えてなくなったりしない。


今回は、いつかまた時間が動き出す日を願いながら、4人が残してくれた音楽、そして言葉たちを、一つずつ振り返っていきたい。


”東京”

《日々あなたを想い描く/ただそれだけで息をしている/馬鹿げてる馬鹿げているけど/あなたをみつけた/この街の名は、東京》


”桜が咲く前に”

《桜が咲く前に/ここを出てゆくことにしたよ/どこにいても/君がくれた言葉を強く抱きしめて/また歩き出そう》


”猫とアレルギー”

《話せなくていい 会えなくてもいい/ただこの瞬間こっちを見ていて/ほんの少しの勇気があれば/後悔せずにすんだのでしょうか/アレルギーでも/あなたは優しく撫でた》


”愛のゆくえ”

《花の名前を知るとき あなたはいない/会いたいな 泣きたいな/でも全部抱きしめて/生きてくの》


”クロノスタシス”

《”クロノスタシス”って知ってる?/知らないときみが言う/時計の針が止まって見える/現象のことだよ》


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